Date:  Wed, 17 Nov 2010 18:10:22 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2010-43号】
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                          No.351 2010/11/17

■ I N D E X
┃
┣【Topics】セミナーを開催します(11/24)
┣【プログラミング】Flex 3 SDKとPapervision3Dで三次元を遊ぶ [17]
┣【コラム】僕の営業日記 [18]
┃          〜組織的に新しい施策を導入する際のポイントと対策〜
┗ 編集後記

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇 セミナーを開催します(11/24)
  〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・ 

『アジャイルに適したまったく新しい契約形態での受託開発サービス
  トライアルの紹介』
日 時:2010年11月24日(水) 13:45〜17:30(13:30受付開始)
場 所:株式会社永和システムマネジメント 東京支社(上野、御徒町)
参加費:無料(事前申込制)
対 象:企業で情報システムの導入に携わっていらっしゃる方
※会場の都合上、人数に制限があります。

▼プログラム
1.アジャイルと契約
  〜アジャイルに適したまったく新しい契約形態での受託開発サービスの紹介
2.質疑応答
3.個別相談会

▼詳細情報およびお申込みはコチラ↓
/event/#upcoming

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┗【プログラミング】Flex 3 SDKとPapervision3Dで三次元を遊ぶ [17]

★ 今回のサンプル
http://wonderfl.net/c/ivYf

こんにちは、オブジェクト倶楽部の水越です。卒業製作のどうぶつしょうぎの
続きです。前回までJavaScriptを使っていましたが、今回からFlashで3Dに戻っ
てきました。

★ サンプルの説明
JavaScriptバージョンの成果であるコンピューター対戦を、三次元のどうぶつ
しょうぎに入れてみました。手前が自分ですのでまずコマをドラッグして動か
してみてください。しばらくするとコンピューターがコマを移動しますので、
負けないように動かしてください。JavaScript版よりも処理速度が速くなった
ので先読みをすこし深くしています。たまに動きが遅くなっちゃいます。

★ アルゴリズム
コンピューター対戦のアルゴリズムは前回も簡単に紹介しましたが、もう少し
詳しく説明しておきましょう。本物のどうぶつしょうぎの盤面にはマス目に横
向きにABC、縦に1234と書いてあります。これが座標を表していて、例えば「先
手3Aとら」というように使うのだと思います。プログラムで扱うのにABCではや
りにくいので数字で123にして、3かける4のマス目の座標を(1,1)〜(3,4)で表し
ます。さっきの手を言い直すと「先手(1,3)とら」になります。

自分は下から上に攻めて行きます。相手のコマは下向きをしているはずですが、
メールでは文字を逆さに表せないので、ここでは自分のコマをひらがなの一文
字、相手のコマをカタカナの一文字で表すことにします。この連載ではライオ
ンではなくトラを使っていることに注意してくださいね。ラじゃなくてトを使
いますよ。最初の盤面は次のようになっています。

キトゾ
_ヒ_
_ひ_
ぞとき

最初に自分が動かします。その手が「(1,3)とら」だったとすると盤面は以下の
ようになります。

(1,3)とら
キトゾ
_ヒ_
とひ_
ぞ_き

ここでコンピューターは次に動かす手を捜します。コンピューターのコマをす
べて、あらゆる方向に動かしてみて、ルール上動かせるかどうかを調べていき
ます。今回の場合、コンピューターのコマはキリン、トラ、ゾウ、ヒヨコの四
つで、それぞれが動かせる方向は1、2、0、1種類になります。盤面にしてみる
と、

(1,2)キリン
_トゾ
キヒ_
とひ_
ぞ_き

(1,2)トラ
キ_ゾ
トヒ_
とひ_
ぞ_き

(3,2)トラ
キ_ゾ
_ヒト
とひ_
ぞ_き

(2,3)ヒヨコ
キトゾ
___
とヒ_
ぞ_き

の四つになります。さて、それではこれらの四つの手のうち、コンピューター
が選択する手はどれが最適なのでしょうか?それを見つけるためにコンピュー
ターは、今度はコンピューターにとっての相手の手、つまりあなたの手をすべ
ての場合で動かしてみます。例えば上の△亮蠅蓮⊆,縫灰鵐團紂璽燭離肇蕕
取られてしまうので、コンピューターにとっては悪い手だと言うことがわかり
ます。この先読みを深く繰り返していって、最適な手を見つけるのです。深さ
を深くすると強くすることが出来るのですが、計算する盤面が増えて処理速度
は遅くなってしまいます。

★ ゲーム的な工夫
今回採用したアルゴリズムは、コンピューターの計算速度に頼った単純なアル
ゴリズムなのですが、ゲーム的に面白くするために少しだけ工夫している点が
あります。たとえば、コンピューターにとっては詰んでいて、どの手を打って
も負けてしまうことがわかっている場合、少しでも長く続く手を優先して打つ
こと、また、優先順位が同じ手があった場合にランダムに選択することで毎回
同じ手を打つということを避けたりすることです。こういう工夫をすることで
少しでも人間的な手を打つようになって、対戦する人は楽しくプレーを出来る
のです。

★ まとめ
コンピューター対戦を三次元のFlash版どうぶつしょうぎに移植できました。
次回はゲームとしての体裁をもう少し整えましょう。(水越)

★ これまでの記事
1) /ml-arch/magazine/278.html
2) /ml-arch/magazine/283.html
3) /ml-arch/magazine/289.html
4) /ml-arch/magazine/295.html
5) /ml-arch/magazine/300.html
6) /ml-arch/magazine/305.html
7) /ml-arch/magazine/311.html
8) /ml-arch/magazine/317.html
9) /ml-arch/magazine/322.html
10) /ml-arch/magazine/327.html
11) /ml-arch/magazine/331.html
12) /ml-arch/magazine/335.html
13) /ml-arch/magazine/339.html
14) /ml-arch/magazine/344.html
15) /ml-arch/magazine/350.html
16) /ml-arch/magazine/356.html

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┣【コラム】僕の営業日記 [18]
┗          〜組織的に新しい施策を導入する際のポイントと対策〜

こんにちは。Hiroshiです。今回も僕が営業をしている中で、いろいろ体感した
ことを皆様と共有できればと思っています。
最近、アジャイル開発や現場改善(見える化)の導入コンサルティングのお話が
多いです。今回は、新しい施策を導入する場合のポイントや対策をご紹介でき
ればと考えています。

あるお客様からご相談をもらいました。お客様はSIerで、最近発注者の要求と
作る物との乖離が散見され、今後のビジネス展開に不安があるとのことです。
複雑な原因はあるものの、発注者の要求の変化に対応できるような、自社組織
にするため、アジャイル開発を導入することである部分を解決できないか、と
考えていらっしゃいました。その導入の方向性を検討している際、導入のポイ
ントの話をさせてもらいました。
我々は、ミドルマネジメントが腹落ちして活動に参加できるか否か、が導入の
ポイントだと考えています。なぜかというと、様々なアプローチで導入を試み
ますが、結局、ミドルマネジメントがボトルネックになって、導入がうまくい
かないケースが多く見られるからです。例えば、
  ・施策に対して理解を示していないため、現場の活動を止める
  ・施策に対して無関心であるため、現場を支援しないし、現場も相談できない
  ・他のミドルが前向きでないため、動きたくても動けない
があります。
初期段階では、現場を仕切っているミドルマネジメントの理解を得ることに注
力し、その後に、トップダウンやボトムアップで活動を展開していく、という
流れをおすすめしています。
それでは、どのようにミドルを動機付けるのでしょうか。

対策
長期的な視点で考える事
  →成果を求めることは大事ですが、早期に求めることで活動が萎縮します
評価方針を伝える
  →この活動に参加してほしい、というトップのコミットメントを表す
ミドルの課題意識を聞く
  →その課題はこの活動の中でで解決されることを具体的にイメージできるように
活動の具体的な運用を一緒に考える
  →ある程度のやり方はあるが、一緒に考える事で自分達の手に馴染ませます
小さな成功体験を早めに感じてもらう

等、状況に合わせて、実施しています。どれも、当たり前のことかも知れませ
んが、同じ立場の人たちが集まって、お互いの課題感を話し、その解決に向け
て一緒に考える、という事は実は頻繁にされていません。第三者的に、その時
間を催し、話した内容をまとめることが感謝されたりします。
ミドルマネジメントの動機付けが終了した段階で、計画されたことが実現され
ているかのモニタリングや指導を行っていくこととなります。この段階から、
トップダウンやボトムアップのアプローチを使っていきます。
今回は、新しい試みを実施する際の弊社なりの、ポイントと対策を紹介しまし
た。何か自分たちの組織を見直すきっかけになれば幸いです。(Hiroshi)

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。2、3日前からがっつり風邪をひいて
しまいました。うがい、手洗い、加湿、厚着と、十分に気をつけていたつもり
なのに・・・今もゴホゴホ咳き込みながら、この編集後記を書いています。
自分がつらいのももちろんイヤですが、それ以上に、人にうつしてしまうこと
を考えると、本当に怖いですよね。仕事を休むのは気がひけますが、人にうつ
す方が迷惑!と自分に言い聞かせて、早目に完全に治すよう、心がけたいと思
います。(ナガタユウコ)

*** オブラブスタッフ自己紹介 ***
No.30 かじた
こんにちは、オブジェクト倶楽部のかじたです。オブジェクト倶楽部では、ヒ
ゲと坊主の担当をしています。イベントでは、主に当日スタッフとして参加を
して、会場内をブラブラしてたり、してなかったりしています。いつぞやのイ
ベントでは、諸事情によりヒゲがなかったり、司会をしたときに、絶対かんで
はいけないタイミングで思いっきりかんでしまったのも、良い思い出です。
思い返せば2003年の第1回のイベントがオブジェクト倶楽部との出会いでした。
当時の私は、オブジェクト指向やXPなどには興味があるけれど、コミュニティ
活動やイベントへの参加は、ほとんどしたことがありませんでした。そんな私
でしたが、何かのきっかけで、オブジェクト倶楽部のイベントに参加をして、
自分の中の何かが変わった気がしました(なんていうか、楽しかったんでしょう
ね)。その後もオブジェクト倶楽部のイベントに参加するたびに、多くの気づき
や出会いや勇気を貰いました。
あれから7年。気がつけば「中の人」になりスタッフをやっています。当時の私
が感じたように、参加してくれた方が少しでも楽しんで貰えるように頑張って
いきたいと思います。(かじた)

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