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●┃● ● オ ブ ジ ェ ク ト 倶 楽 部 ■ ┃
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No.304 2009/11/18
■ I N D E X
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┣【Topics】「オブラブ2009忘年会」ライトニングトークス応募は11月27日まで!
┣【Topics】「アレグザンダー祭り」早期割引は12月4日まで!
┣【特集】アレグザンダー祭りへの道 [3]
┣【プログラミング】組込みシステムの話 [9]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 「オブラブ2009忘年会」ライトニングトークス応募は11月27日まで!
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
先週お申込み受付を開始した「オブラブ2009忘年会」のライトニングトークス
応募受付は11月27日(金)が締切となります。今年ライトニングトークスで発表
された方もされなかった方も、たくさんの方のご応募をお待ちしております!
ライトニングトークスへのご応募は、お申込みページからどうぞ!
●オブジェクト倶楽部2009忘年会
日時:2009年12月18日(金) 19:30開始
場所:ダーツバーBENOA(ベノア)上野店
詳細およびお申込みはコチラから!
→ /event/2009winter/
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 「アレグザンダー祭り」早期割引は12月4日まで!
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
こちらも先週からお申込み受付を開始した「アレグザンダー祭り」では、早期
割引を実施しております。12月4日までにイベントにお申込み&参加費をお振り
込みいただいた方は、イベント参加費がお安くなります。ぜひ、早期割引をご
利用ください!
●オブジェクト倶楽部2010初春アレグザンダー祭り
日時:2010年1月15日(金) 10:00開始
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木)
詳細およびお申込みはコチラから!
→ /event/2010alexander/
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┗【特集】アレグザンダー祭りへの道 [3]
著者:懸田剛(オブジェクト倶楽部)
● 前回までのあらすじ
前々回は、クリストファー・アレグザンダーという人物とソフトウェア開発に
おける影響について、そして今まで学んだというだけでなく、これからも学ぶ
べき点があるという展開まで述べました。
(前々回の記事はコチラ → /ml-arch/magazine/312.html )
前回は、クリストファー・アレグザンダーの思想をソフトウェア開発に応用し
た点で著名なジム・コプリエン氏の紹介をしました。彼のふたつの講演資料か
ら、アレグザンダーの最新の思想である『The Nature of Order』の先進性につ
いて、そして氏が2000年に来日した時の講演である「East meets West」での東
洋に対するメッセージを紹介しました。
(前回の記事はコチラ → /ml-arch/magazine/313.html )
● 日本とアレグザンダー
アレグザンダー氏は、アメリカ人でカリフォルニアのバークレー大学の教授を
努めていました。しかし氏の手掛けた最大の建築物は実は日本にあります。そ
れが埼玉県入間市の東野高校(当時は盈進学園)[*1]です。東野高校は、元々茶
畑だった土地に施主である学園理事が求める「紋切り型ではない学校を作りた
い」という要求に答えてアレグザンダーと環境構造センターが設計しました。
設計は、ユーザーである教師や学生代表のヒアリングから始まり、リアリティ
のある問題とその解決策をまとめ、独自のパタン・ランゲージとして構成、文
章化しました。ユーザー達は出来あがったパタンを全員出席のミーティングで
読み合いながら、頭の中で想い描き何度もチェックし推敲し、ビジョンを明確
にしていきました。[*2]
この時、アレグザンダーと共に、東野高校のプロジェクトに関わっていたのが
中埜博氏[*3]です。
● 日本におけるアレグザンダーの理論の実践者
中埜氏はアレグザンダー氏が教鞭をとっていたカルフォルニア大学バークレー
校で学び、帰国後、東野高校をはじめとした建築プロジェクト、町づくりに携
わっています。中埜氏の著書『パタン・ランゲージによる住まいづくり』[*4]
では、個人住宅を題材に、実際にどうやってパタン・ランゲージを使って個人
宅を作っていくかというプロセスが具体的に描かれています。イラストや写真
が満載で、かつアレグザンダー氏の著作よりも平易でお勧めです。オブジェク
ト倶楽部のメンバーの中でも、昨年から話題になっています。
また筆者は、2009年7月に行われた、中埜氏主催の夏季講習「参加のまちづくり
入門演習」に参加してきました。この講習では、実際に町を歩き、そこで心に
残る景色をスケッチし、その場所を強めるためのアイディアをまとめ、方針や
戦略を立ててプロジェクト化するという一連のプロセスを疑似体験してきまし
た。この中でユーザーが独自のパタン・ランゲージを作り、それをもとに合意
形成を行うという体験をしてきました。パタン・ランゲージは、ソフトウェア
の文脈では、デザインパターンや組織パターンに代表されるように、構造やプ
ロセスの定石集という意味合いが強いのですが、実際の建築や町づくりの現場
では、構造に加えて、ユーザーが直接体験する部分を表現し、それを元に合意
形成を行うという用途の意味合いが強いことが実感できました。つまり、原要
求をパタン・ランゲージとして表現し、ユーザーと開発者の間での共通語彙に
するのです。
また、中埜氏はまちづくりではなく"まちなおし"という言葉をよく使われてい
ます。これは「今ある町を生かしながら、長所を強め、短所を長所でカバーし
ていく」という意味です。これを例えば業務と捉えたときには、「今ある業務
を生かしながら、長所を強め、短所を長所でカバーしていく」ということにな
ります。我々のドメインで応用が効くのではないでしょうか。
アレグザンダー、中埜両氏に師事した経験のある稀有な人物がいます。それが
笹川万国氏です。笹川氏は大学在学中にアレグザンダーを知り、卒業後に中埜
氏に師事しました。その後カリフォルニア大学バークレー校客員研究員として
渡米し、アレグザンダー氏のプロジェクトや研究に参画したという経歴の持ち
主です。前述の「参加のまちづくり入門演習」には、中埜氏と共に主催側とし
て様々なワークを進行していただきました。
中埜・笹川両氏には、パタン・ランゲージの本質、漸進的成長プロセスについ
て体感できるワークショップと講義を実施して頂きます。その中で、お二人を
中心として翻訳している、アレグザンダー氏の最新著作である『The Nature of
Order』についての話も聞けることになるでしょう。
● まとめ
3週間にわたって、2010年1月15日の「アレグザンダー祭り」に関する集中連載
をお届けしてきました。このイベントは、昨年からオブジェクト倶楽部内の一
部で話題になった、アレグザンダー再考のひとつの区切りとして開催します。
実はアレグザンダーについては、一度日本のソフトウェアパターンムーブメン
トが活発だった時期に、一通り触れられています。しかし、時は移り、人が変
り、アレグザンダーとソフトウェア開発の繋りを知る人が少なくなってきたの
は事実です。ある意味、私達はアレグザンダーを再発見したのです。また、当
時のムーブメントの際には、まだ出版されていなかった『The Nature of Order』
の存在や、前述の「アレグザンダーとのつながり」を綿密な調査の上に記した、
江渡浩一郎氏の『パターン、Wiki、XP〜時を超えた創造の原則』[*5]の出版と
いう偶然も重なり、まさに今が再考の時期だと確信しています。
ひとつ大きなポイントとしては、アレグザンダーのパタン・ランゲージは、単
なる暗黙知の再利用のためのカタログではなく、本来はユーザーと開発者との
間で使われ、あるいは作られ、合意形成や、設計、施工という大きな流れの中
で実現されていくものであるということです。これは、まだソフトウェア開発
の現場において実現されたとは言えないでしょう。またユーザーストーリーの
積み重ねにおける漸進的成長プロセス、利用者参加という側面は、アジャイル
開発にてある程度実現されてはいます。アレグザンダー氏は、更に漸進的成長
プロセスの中で、「センター」という存在を順番に作りあげていくことで、豊
かな全体性を生みだすというアプローチを提唱しています。この部分の話は、
我々にも応用できるヒントがありそうです。
このように、アレグザンダーをよく知っている方も、知らない方も、ジム・コ
プリエン氏や、中埜・笹川両氏を通じて、アレグザンダーの思想、理論、実践
に触れて、その先にある本質を掴みとってください。12月4日までにお申込みさ
れた場合は早期割引となります。申し込みサイト[*6]より是非早めの参加お申
込みをお願いします。(懸田)
[*1] http://www.higasino.ed.jp/
[*2] 東野高校の建設の経緯は『クリストファー・アレグザンダー』に詳しく書
かれています。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4875021534/xpjp-22
[*3] 中埜氏公認ブログ http://ces.mitohorin.com/
[*4] http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4753019764/xpjp-22
[*5] http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4774138975/xpjp-22
[*6] /event/2010alexander/
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┗【プログラミング】組込みシステムの話 [9]
こんにちは。藤井です。
インフルエンザには気をつけたいです。
今回はタスク連携で重要な排他機構の話をします。
● タスクの連携
前回はタスクの話をしました。普通、ひとつのシステムには複数のタスクが存
在します。タスクはそれぞれ協調して動作するため連携方法を考える必要があ
ります。タスクの同期処理には関数が使用されます。データ連携でも、最近は
共有したいデータ用に準備したグローバル変数に直接アクセスするのではなく、
それぞれのタスクの結合を弱くする為に、関数を介してグローバル変数にアク
セスをすることが多いです。割込みやプリエンプションが発生する環境では、
これらの関数の操作がアトミックである必要があります。
● 排他処理
関数の処理をアトミックにする手段としては、ヽ笋蟾み禁止にする、RTOS
の排他制御を利用する、などがあります。割り込み禁止にすると、タスクの切
替処理も起こらないなど、システム全体に与えるインパクトが大きいため、こ
こでは△諒法を説明したいと思います。JSPが準備している排他機構には次の
ようなものがあります。今回はセマフォについて説明します。
・セマフォ
・イベントフラグ
● セマフォを使ってアトミックに
セマフォは組込みに限らず一般的にもよく知られている同期機構です。用意さ
れた資源を獲得したり(P操作)、戻したり(V操作)しながら実行することでタス
ク処理の同期をとります。JSPの場合は次のようなサービスコールが準備されて
います。
wai_sem():資源を獲得する。資源が無い場合は資源獲得まで待ち状態になる。
sig_sem():資源を返却する。資源待ちしているタスクがあればそのタスクに資
源を与える。
例えば、優先度の高いhigh_taskと優先度の低いlow_taskがあり、何れのタスク
でもfuncAを実行する場合にこの処理をアトミックにするには、次のように行い
ます。
/**
* タスクから実行される処理
*
*/
void funcA()
{
wai_sem(ID); /* 資源の獲得 */
/* 何かの処理 */
doSomthing();
.
.
sig_sem(ID); /* 資源の返却 */
}
/**
* 優先度の低いタスク
*
*/
void low_task(VP_INT exinf)
{
doSomthing();
}
/**
* 優先度の高いタスク
*
*/
void high_task(VP_INT exinf)
{
doSomething();
}
このときの動きは、例えば、
low_taskから実行され、doSomthing実行中にプリエンプションが発生。
high_taskに処理が移り。high_taskでもfuncAが実行される。
wai_sim()で資源獲得時には既にlo w_taskがfuncAの処理で資源を獲得してい
るため待ち状態に。
ず禿low_taskに処理が移り、sig_sem()が実行される。
セ餮擦high_taskに与えられ、high_taskが実行される。
となり、funcAはアトミックな処理となります。
● おわりに
タスク連携の基本である、排他について説明しました。次回は排他する上での
注意点とタスク間通信について説明しようと思います。
では、それまでさようなら。(藤井)
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
今週は「今年の帰省の交通手段は?」のホントのところ。
高速道路のETC割引やJRの帰省応援キャンペーンなど、今年は年末年始の帰省が
お得になるサービスが多いですね。帰省ではなく旅行を予定されている方も多
いのではないでしょうか。そんな今年の年末年始の移動、みなさまはどの交通
手段を利用されますか?
渋滞が怖いですが車で。
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指定席が予約できるといいな・・・JRで。
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時間短縮!飛行機で。
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チャレンジ!自転車で。
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近いので徒歩で。
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帰省も旅行もしません。
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それは秘密です。
/special/kininaru/vote?vol=269&choice=6
ちょっと語らせて!
詳細をこのメールに返信ください!!
アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「来年の手帳はもう買った?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒/special/kininaru/vol268/PlonePopoll_results2
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┗編集後記
こんにちは、編集人のナガタユウコです。「オブラブ忘年会」そして「アレグ
ザンダー祭り」のお申込みを受付中です!イベントでみなさまとお会いできる
ことを、スタッフ一同楽しみにしています☆イベントまで、ブログでも情報を
どしどし公開していく予定ですので、こちらもぜひご覧ください☆
→ http://d.hatena.ne.jp/objectclub/
今週の強引な一言
*** 自慢は智恵の行きどまり(ことわざ) ***
自慢するようになると、進歩は止まってしまうのをいう。
優れた技術や物を手に入れると、人は自慢したくなるもの。でもそこで満足し
てしまうと、それより優れた技術や物を手に入れようと努力しなくなってしま
うことも。常に向上心を持っていたいものですね。
出典参考:故事ことわざ辞典 東京堂出版
(ナガタユウコ)
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