Date:  Wed, 18 Feb 2009 17:19:40 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2009-05号】
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                          No.270 2009/02/18

■ I N D E X
┃
┣【Topics】『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(オライリー・ジャパン)
┃           刊行記念トークセッションのご案内
┣【プログラミング】SproutCoreでカッコイイ
┃                  Webアプリケーションを作りたい [4]
┣【コラム】三色マーキング読書法 [4] − 式化
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇 『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(オライリー・ジャパン)
  〇 刊行記念トークセッションのご案内
   〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・ 

アート・オブ・アジャイル デベロップメントへの道 〜XPと歩んだ10年〜
平鍋健児(監訳者) × 木下史彦(監訳者) + 岡島幸男(友情出演)

アジャイル開発におけるXPの重要性を説き、XPをチームに導入する意義と方法、
さらにXPのプラクティスについて詳述したアジャイル開発の決定版、
『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』が2月に出版されました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873113954/xpjp-22

これを記念した、監訳者である平鍋、木下によるトークセッションが開催され
ます。アジャイル10年の歴史をふりかえりながら、開発現場でのアジャイルの
重要性、導入と実践、またその中での苦労と結実について、監訳者らの経験を
元に大いに語るという企画です。みなさまぜひご参加ください。

● 開催日 :2009年3月5日(木) 19:00〜
● 場  所 :ジュンク堂池袋本店
● ジュンク堂のホームページに記載の要領にしたがってお申込みください。
   → http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20090305ikebukuro

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┣【プログラミング】SproutCoreでカッコイイ
┗                  Webアプリケーションを作りたい [4]

こんにちは、浦嶌です。

前回の記事をお送りしたのはもう去年のことなんですね。遅ればせながら今年
もどうぞよろしくお願いします。

これまではSproutCoreのチュートリアルを通じて基礎的な概念を学んできまし
た。今回からは実際に動作するアプリケーションを試行錯誤しつつ作っていく
過程をお伝えしたいと思います。

さて、これから開発していくのは簡単なITS(Issue Tracking System)です。ITS
と言ってもTracやRedmineのようなカッチリしたものではなく、ToDoリストに毛
が生えたぐらいのものを想定しています。

必要な機能はおいおい考えていくとして、最初の一歩を踏み出すためのゆるふ
わな仕様を考えてみます。とりあえず以下の機能があればToDoリストもどきに
はなりそうです。

- バックログ(要望)の一覧を表示する
- バックログを追加する
- バックログを編集する
- バックログを削除する

それでは早速バックログの一覧を表示する機能から始めましょう。
使用するSproutCoreのバージョンは 0.9.23 です。

まず、アプリケーションの雛形を生成します。名前は「rist」にしました。や
やこしいことをしなくても、バックログのリストを上から順に見るだけで済む
ITSになるといいなあ、という願いを込めています。

$ sc-init rist
$ cd rist

何はともあれバックログを表すモデルが必要ですね。

$ sc-gen model rist/backlog

生成されたモデルは以下のようになります(コメントは省略しています)。

-- clients/rist/models/backlog.js --
require('core');

Rist.Backlog = SC.Record.extend({
});
----

SproutCoreのモデルは明示的にスキーマを定義する必要がないので、コードは
このままでよさそうです。

今の状態だと生成したモデルオブジェクトは永続化されずブラウザをリロード
するたびに消えてしまいます。毎回作成するのは面倒なので、フィクスチャと
いう仕組みを使ってあらかじめいくつかのデータを登録してやります。

-- clients/rist/fixtures/backlogs.js --
require('core') ;

Rist.FIXTURES = Rist.FIXTURES.concat([
   {
     guid: 1,
     type: 'Backlog',
     title: 'hoge'
   },
   {
     guid: 2,
     type: 'Backlog',
     title: 'fuga'
   }
]);
----

guidとtypeは必須のプロパティで、それぞれプライマリキーとモデルクラスに
対応します。titleはバックログの内容を格納するプロパティとして独自に定義
したものです。

これでふたつのモデルオブジェクトが生成されるはずです。実際に確認してみ
ましょう。こういったJavaScriptのデバッグには、Firefox用のWeb開発者向け
アドオンであるFirebug[*1]が便利です。まだ導入されていない方は、この機会
にぜひ試してみてください。

まず、サーバを起動します。

$ sc-server

Firefoxで http://localhost:4020/rist を開き、Firebugのコンソールから以
下のコードを実行します。

 >>> backlogs = Rist.Backlog.findAll();
 >>> backlogs.invoke('get', 'title')
["hoge", "fuga"]

ちゃんと取れているみたいですね。

● まとめ
開発開始ということでゆったりとモデルを作成しました。次回は少しペースを
上げて一覧機能をやっつけるところまでいきたいと思います。(id:ursm)

今回作成したソースコードはこちらからダウンロードできます。
http://bitbucket.org/ursm/rist/src/2009-05/

[*1] http://getfirebug.com/jp.html
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┗【コラム】三色マーキング読書法 [4] − 式化

三色マーキングはできても三食イーティング(eating)できない今日このごろ。
すっかりシステム開発者らしい?生活になってまいりました。さて、本連載で
は読書を楽しくする工夫をご紹介しています。前回は「ナンバリング」のテク
ニックをご紹介しました。今回のテーマは「式化」です。

前回のおさらいから。

● おさらい
「ナンバリング」のテクニックとは、文章中から「まず、Aする。次に、Bする。
最後に、Cする」のような構文を見つけ出し、番号付けするテクニックでした。
以下に前回までの記事を用意しましたので興味のある方はご覧ください。

・第1回目「分類」
  /ml-arch/magazine/261.html
・第2回目「対比」
  /ml-arch/magazine/266.html
・第3回目「ナンバリング」
  /ml-arch/magazine/272.html

それでは本題。

● 式化
「式化」とは、文章中から以下のような構文を見つけ出し、文章の主旨を簡潔
に表すために、下線とイコール(=)を用いて「式」で表すテクニックです。

**********************************************************************
1. Aは、BとCから構成される。(A consists of B and C.)
2. Aは、BでありCである。(A is B and C.)
**********************************************************************

どういうことかは具体例で示した方が早いでしょう。

● 具体例
今回は、実際に私が「式化」のテクニックを用いて文献[*1]にマーキングした
ものを以下にアップロードしています。

[例1] A はBとCから構成される (A is composed of B and C.)
http://f.hatena.ne.jp/m5101202/20090210072309

[例2] A はBである (A is B and C.)
http://f.hatena.ne.jp/m5101202/20090210072352

● 式化の適用場面
マーキングテクニックの中でも筆者のお気に入りでもあるこの「式化」のテク
ニックは、何度も読み返すのが辛い英文に適用するのが最良と感じています。
筆者は読解力が弱いので、こうしてマーキングすることで読んだ痕跡を残して
再読性を高める工夫をしています。

● 最後に
いかがでしたか?今回は実際に私がマーキングした文章をお示しすることで、
より読者の皆さんにわかりやすく伝える工夫をしてみました。面白いと感じて
いただければ幸いです。次回は、これまでにご紹介したテクニックの応用例を
ご紹介したいと思っております。それでは。(黒岩)

● 引用文献
[*1] Kenji Hiranabe,
     "Kanban Applied to Software Development:from Agile to Lean",Jan.2008,
     http://www.infoq.com/articles/hiranabe-lean-agile-kanban
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「バレンタインにチョコあげた?もらった?」のホントのところ。
今年はバレンタインデーが土曜日だったので例年よりもバレンタインチョコの
売れ行きが低調だったそうです。でも、好きの気持ちが込められた本命チョコ
も、感謝の気持ちが込められた義理チョコも、やっぱりもらうと嬉しいですよ
ね。みなさまはチョコをあげましたか?もらいましたか?

  本命チョコをあげました or もらいました!
     /special/kininaru/vote?vol=235&choice=0
  義理チョコをあげました or もらいました!
     /special/kininaru/vote?vol=235&choice=1
  あげませんでした or もらいませんでした
     /special/kininaru/vote?vol=235&choice=2
  自分で自分にあげました
     /special/kininaru/vote?vol=235&choice=3
  それは秘密です。
     /special/kininaru/vote?vol=235&choice=4
  ちょっと語らせて!
     詳細をこのメールに返信ください!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「節分行事に参加した?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒/special/kininaru/vol234/PlonePopoll_results2

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┗編集後記

こんにちは、編集人のナガタユウコです。今週末はいよいよオブラブ冬合宿!
合宿イベント担当スタッフは最終準備に追われています。アジャイル経験豊富
なスタッフ達とはいえ、1泊2日の合宿でどれだけ参加者のみなさまにアジャイ
ルを体験・理解していただけるかは未知数なので、とってもドキドキ!有意義
なイベントとなるようがんばりますので、よろしくお願いします!

今週の強引な一言
*** 小馬の朝駆け(ことわざ) ***
はじめに力を入れすぎて早く疲れることのたとえ。
初めての時や自信があまりない時は、ついつい力が入りすぎてしまいがちです
よね。でも、最初から飛ばしすぎるとスタミナ切れしてしまうことも。適切な
ペース配分を心がけ、ベストを尽くしましょう。
出典参考:故事ことわざ辞典 東京堂出版
(ナガタユウコ)

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