Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Mon, 10 Apr 2000 19:29:25 +0900
From:  Yutaka Kamite <y-kamite@....jp>
Subject:  [XP-jp:00172] XP Chapter 13 Facilities Strategy  の解説
To:  extremeprogramming-jp@....jp (extremeprogramming-jp ML)
Message-Id:  <4.0.2-J.20000410173900.00eae3f0@....jp>
Posted:  Mon, 10 Apr 2000 19:32:05 +0900
X-Mail-Count: 00172

上手@データ通信システム です。
13章の概要解説です。コメントよろしくお願い致します。

13章 Facilities Strategy : 設備・機器戦略

この章では、部屋の中の機器の配置、使い方などを説明しています。

最初にダイムラー・クライスラー社のC3プロジェクトの開発風景の写真が
あり、Ron Jeffriesの説明が紹介されています。大変興味深く読みました。

・2つの大きなテーブルがあり、各6台のマシンが乗っている
・プログラマは2人ずつ、使えるマシンの前に陣取る
確かに、2人ずつ座って、一緒に画面を眺めています。
・壁には注意すべき機能テスト、CRCセッションの予定、アイテレーション
の計画などが貼ってある。壁の上には、XPのルールが掲示されている。
・右側の壁には電話と物書きの出来るcubbies(四角ののスペース?)が
並んでいる。
・一番奥には、ミーティングやCRCセッションをするテーブルがある。この
テーブルはいつもCRCカードと食べ物で一杯。チームのルールのひとつ
は”いつも食べ物を”。

部屋はチームがデザインしたそうで、
・自分でここにいることを選択している
・みんな静かに話すので、騒音レベルはとても低い
・フロアにカーペットがないで、椅子を滑らせることが出来る

なんて書いてあります。

#私は、「プログラマ全員の椅子に肘掛けがついているかどうか」を、プログ
#ラマを大事にしている、合理的な組織かどうかの判断材料にしています。
#開発効率が全然違いますから・・。
#良く写真をみましたが、C3は当然、肘掛けつきでした。

次に本文の方ですが、おもしろそうなところを紹介します。

・働くのに合理的な場所でなければ、プロジェクトはうまくいかない。良い場
所と悪い場所の差は、直接的かつ劇的だ。

・オブジェクト指向のコンサルにいったら、上級プログラマが大きなフロアの角
のオフィスにばらばらにいたので、配置換えから始めた。

・XPはかなり多くの共有スペースを必要とする開発手法だ。XPは、コミュニケ
ーションをベースにしており、相互に見、聞き、質問し、自分に関係する会話
を聞く。
・横に並べないテーブルは駄目、4角い壁(の部屋)も駄目、でもチームは離
れていないと駄目。

という訳で、最初の写真のような配置になります。
・中央に大きな机を置き、開発マシンを乗せる。
・周りには、私物や電話を置く四角いコーナを置く。マシンは禁止。ここに居る
時の仮想プライバシは大事に守る。
・コミュニケーションスペースを一番良い場所(nicest space)として用意し、コー
ヒーメーカー、カウチ(お菓子をいれるガラスのお盆?)、オモチャ少々、お絵か
き道具(スケッチ用?)を置く。

・組織が開発すべき環境を整えられないなら、そこで働くことはできない。
・物理環境の制御権を取ることは、チームに協力なメッセージを送ることになる。
仕事の全てに関する制御権をとる第一歩だ。

物理環境はとても大事な要素だ。物理環境の確保に対する組織の姿勢を見れ
ば、開発に対する本音がわかる、という話のようです。

(以上)