スタッフ的RubyKaigi2006レポート
実は今回参加の予定もなかったのですが、「手伝って」の一言で裏方メンバーの仲間に なってしまいました。といっても、業務を抜けられず当日のみの参加です。 あんまりセッションの内容などを集中して聞くことはできませんでしたが、裏方から見たRubyカイギを含めて書き綴っていくことにします。 というわけで、日記的レポート(含:裏話)はじまりはじまりぃ~
イントロダクション
1日目の朝は8時半に集合!!早いっ早いっすよ大将!!なぁんて東京に不慣れな私は、 電車での移動感覚が分らずに、8時前から会場周辺で不審者ごとくウロウロしていました。 8時20分も過ぎたころからは、ぞくぞくとスタッフの皆さんが集合してきます。 スタッフとはいえ、初めて顔を見る方々ばかり。でも、スタッフの皆さん気さくな方で一安心です。
会場に入ってビックリ!! キレイ、広い、設備も充実!! なかなか、こんな環境ないですよ!! スゲェよ!Rubyカイギ!!
そうこうしていると大隊長の話が始まり、作業スタート!! 私の担当する録音・録画舞台の小隊長と合流して、機材の説明なんかを受ければ、気分も盛り上ってきます。 私の役割は、録音と録画、あとはトーカーの方が発表で使うパソコンとプロジェクタの接続確認です。 特に記録用のビデオ撮影では、テープ交換のタイミングを進行の人やスピーカの方と意識を合わせないとならないので、ドキドキです。 作業の内容やら機材使い方なんかを理解し始めたころに、開場。
ボチボチ開場に参加者の方々が揃い始める頃、Rubyを開発されたまつもとさん登場。 まつもとさんといえば、毎度、パソコンが起ち上がらなくなったり、プロジェクタへデータが飛ばなかったりとハプニング必須。 が、しかし!!…っなななんと、今回はバッチリとスクリーンに投影されました。 (以前オブジェクト倶楽部のイベントで話して頂いたときも、当日の朝パソコンが不調になり黙々と語り続けることになったこともありましたね。) そこで、まつもとさんの一言。「今日は呪われていなかったようだ。」 スタッフとしても「ホッ…」の一言です。
セッションレポート
ここから、各セッションについてレポートに入るところですが、 冒頭にも書いたとおりなかなか話の全体を聞くことができなかったので、 私の気付いた限りの範囲で、名言集的に感想を折り混ぜながら書いていきます。
高橋さんの開会挨拶「Ruby の歴史」
挨拶の中でRubyに、どんな歴史があって、今どのような立場にあるのかといった話をされていました。
- Ruby-list < Ruby-talk を期に世界のRubyになった。
- RailsはRubyにとっての第2の増強期(お金の匂いがしてきた)
私は、実のところRubyに出会ってから1年も経っていませんし、歴史も詳しく知りませんでした。Rubyの歴史が思っていた以上に古かったことに驚きました。
あと、抜けないのは…そうそう、高橋さんといえば、高橋メソッド。本物(?)を始めて見ることができました。感想:「デケェ」以上。
井上 浩さん「NaClのオープンソース戦略」
- 島根はのんびり。東京は緊張感がある。
私の会社も福井と東京にあるのですが、東京は「早い」というイメージを持っていました。 似ている部分があるのかもしれません。
- 社員が開発したオープンソースソフトの著作は、個人持ち
- 会社の意思ではなくコミュニティの意思で発展する手助けをしたい。
なんか良いですねぇ。元々の気質が違うかと思いますが、オフィシャルな活動としてOSSの開発ができるなんて素晴しいと思います。
まつもとさん「State of the Dominion」
- 「嫌う人」よりも「好きな人」が多い
- 愛が全て
- 頭の良い人向け言語ではなく、普通の人向け言語がRuby
他言語だと「仕方なく使っている」という人が多いようですが、Rubyに関しては「好き」で使っている人が多いということでした。まつもとさん自身もRubyを愛しているとのことでした。
- この業界で潜る人は、「言語」「ハード」「OS」のどれかに潜る
- 言語開発者はヒゲ重要
これは、なかなか面白かったです。言語の開発する人は、女性を除くと皆ヒゲがあるそうです。まつもとさんがヒゲを伸ばしたところRuby on Railsが出てきたそうで、Ruby on Railsができたのもヒゲのお陰とのことでした。
- matz日記の遅延はセキュリティ対策
なんと、まつもとさんの書かれているmatz日記。日記なのですが、書き込みがされるまでタイムラグがあるのですが、それは、まつもとさん自身の居場所がバレないようにとセキュリティの意味があるそうです。「明日は、××へ行きます」なんてブログなどに書いている方、要注意ですよ。
田中さん「使いやすいライブラリ API デザイン」
- 一貫性があれば類推できる。類推できるなら、うろ覚えで済む
- メソッドやクラスを減らす。少ければ適切なものが選ばれる可能性が上がる
これ重要ですね。使う人のことを考えるって、そのものの流行り方とかにも影響するし。
- 初心忘れるべからず。規格や仕様を調べるうちに忘れてしまう。
自分、これよくやります。仕様を読んでいるうちに、あれもこれもになっちゃって。「これ用意しておけば、きっと便利でしょう」なんて、そんな「きっと」は殆ど必要ないんですよね。
たださん「Ruby anywhere」
- tDiaryは2001年に開発を始めた。(BR3年)
なんとtDiaryの開発は、Ruby on Railsが発表される3年前(BR3年)ということです。フレームワークも何もないところで、あんな素晴しいものが作れるなんてスゴイです!!
- 普及とは、場所と人が増えること
- 普通の人が使いたくなる。(Easy to Install。tDiaryはruby以外必要ない)
- (ださくても)簡素なプラグインシステム。「なんか自分にも出来るかも…」と思わせる。
tDiaryは、スペックを捨てても、もっと良い実装方法があっても普及させることを狙って、簡素に使い易く作ってあるとのことです。やっぱ使ってもらってこそ、作った意味がありますし、更に使ってもらえれば研きがかかりますもんね。普及を狙うのは必然かもしれませんが、トレードオフする部分は悩むんでしょうね。
懇親会
こういったイベントには付き物の、お酒を飲みながらワイワイやろう的な懇親会でした。 スピーカを含め著名人の方々が多数参加されているだけあって、写真撮影やらサインを求める方が多くいました。
懇親会が始まる際に1度乾杯したはずなのに、会場の奥で飲んでいると、フラッシュの嵐と乾杯の声…何が起ったの??
今回の目玉の一つは、なんといってもRuby on Rails を開発している David Heinemeier Hansson(以下DHH) の参加。
そう、そのDHHが一足遅れで懇親会の会場に現われたのです。 私は英語も出来ないのでチラッと見て、また会場の奥のほうで立食バイキングなのに椅子まで用意して疲れを癒していました。
そんな感じでマッタリしていたら、バイキング帰りのDHHと目が合った!! 私の周りにはDHH御一行様3名に座って頂くのに充分な椅子の数。 何を考えたのか私は、そのまま笑顔を返してみたのです。 そうしたら、なんとDHHが、私のほうに向って歩いてくるではありませんか。
「…three……, OK??」
おぉ…これは、多分3人で座って良いか?的なことを聞かれている(はず)。
もちろん「OK, OK」と、どうにかDHHを隣に座って頂くことに成功。
…これは、このままどこかにサインを貰おう
…ペンは昼間の業務で使っていたものがポケットにある。あとは…
そんなこんなで、隣に座ったDHHからRubyカイギTシャツにサインを頂きました。 それからもDHHは懇親会が終るまで、僕の隣でオレンジジュースを飲んでいました。
むむぅ…やっぱ英語重要!!