第6回モデリング道場 黒帯稽古 課題
『酸っぱいブドウの論理』と『甘いレモンの論理』
心理学で言うところの防衛機制のひとつである「合理化」を説明する際に、イソップ童話にちなんだ「酸っぱいブドウの論理」と「甘いレモンの論理」という寓話が用いられます。この寓話の本質をUMLを使って分析してみてください。
「酸っぱいブドウの論理」と「甘いレモンの論理」はそれぞれ以下のような感じのお話です(双方とも適当な脚色がされています)。
「酸っぱいブドウの論理」
ある田舎道を一匹のキツネが歩いていました。キツネは道端の木の上にいかにも甘くて美味しそうなブドウがなっているのを見つけました。「超ラッキー♪」とか思ってキツネはこのブドウを取ろうとするのですが、ジャンプしても石を投げても、どうしても取れません。結局、キツネはブドウを取るのを諦めて帰ることにしました。帰り際、(少し恨めしそうな目で)チラリとブドウを振り返り、キツネはこう思うのでした。「あのブドウ、甘そうに見えるけど本当はすごい酸っぱいんじゃないかなぁ。ん、きっとそうだ。そうに違いない。あぁ、あんな酸っ
ぱいブドウを食べなくて済んで本当に良かったなぁ…」。
「甘いレモンの論理」
ブドウが取れず(いくらかトボトボとした足取りで)家に帰る途中、キツネは道端に落ちていた一個のレモンを拾います。このレモンを手に取って、キツネはこう思うのでした。「このレモンは(レモンにしては)なんだ甘そうで良いじゃないか。僕ってやっぱりラッキーだな」。キツネはレモンに噛り付いて(ちょっと酸っぱそうな顔をしながらも)「やっぱり結構甘いじゃん。もしかしてさっきのブドウよりこっちの方が甘いんじゃないかなぁ。ん~、超ラッキー♪」と独り言を喋りながら家に帰って行きました。
このように、どうしても得られない(もしくは得るのが非常に困難な)モノを「あまりたいしたモノじゃない」と思い込んだり、(実は理想的ではない)自分の持っているモノを「案外良いモノ」と思い込むことによって、「理想的な状況にない」という事実に由来するストレスから自身の心を守る仕組み(心の働き)が防衛機制「合理化」の心理状態です。
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