こんにちは,児玉@(株)エクサです。
岩上さん,
「[modeling-dojo:00074] Re: 前回の黒帯稽古の投稿」のお返事させていただきます。
>ちょうどアナリシスパターンの勉強をしていた頃でしたので
>「シチュエーション」を知識レベル、キツネとブドウ&レモ
>ンを結びつける「味覚」を操作レベルとして表現できないか
>なと思ったのが今回のきっかけでした。「それらのオブジェ
>クトがどのようなルールによってリンクされたのか」を決定
>づける責務を「シチュエーション」に持たせるようにうまく
>表現できれば(今回のお題の回答としてではなく 「シチュエ
>ーション」に注目したモデルとしては) 良いと考えてよろし
>いのでしょうか?
オブジェクト生成に関わるルールは,知識レベルのオブジェ
クトで記述するというのが,アナパタの基本です。なのでシチ
ュエーションの考え方はよいと思いますが,なんでもシチュエ
ーションとして汎化してしまうと,なんでもそれにおさまって
しまいませんか。
概念レベルのモデルの目的は,対象世界の解釈の共有なので,
汎化は理解できる程度にとどめておかないと。
かく言う私も,なんでも汎化して,「もの」「こと」「量」
からなるモデルを書いたことがあります。これで世界が書ける
んだと。そりゃ書けますけどね。メタモデルだから。
でも,これでは使えないんですね。
汎化するなら制約を,制約を書かないのなら具体的な概念を。
>責任関係パターンの解説に良く出てくる「パーティ」として
>汎化してしまうと組織階層上の制約が消えてしまうといった
>ようなケースですね。
はい,そうです。
>ちなみに、汎化した結果として制約が必要になるようなケースにおいて
>モデル安定性を重視し、知識レベルに相当するような階層を設けて表現
>する選択と制約を書き加える選択のいずれを取るかはケースバイケース
>と理解していますが、何かしらの基本的な指針などはあるのでしょうか?
いえ,必要に応じてですよ。どっちをとるかとか,トレードオフ
とかではなくて。そういう意味では,ケースバイケースです。
でも,知識レベルは至るところにありますし,知識レベルと操作
レベルは相対的な関係です。
話を「ぶどう」に戻すと,「甘いぶどうは快感である」とか「す
っぱいぶどうは不快である」という知識は知識レベルとして表現す
ることになるのでしょうね。一方,現実に存在する「ぶどう」や
「そのときの気持ち」は操作レベルになります。
「きつね」本人はモデルの所有者なので,モデルには出てきませ
ん。
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児玉公信@(株)エクサ
エンタープライズソリューション事業部SPBOMソリューション部
兼 技術部
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児玉流メール道 家元