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●┃● ● オ ブ ジ ェ ク ト 倶 楽 部 ■ ┃
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No.83 2005/03/02
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┣【PF】朝会ガイド[2]
┣【設計】ソフトウェアのお言葉[3]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
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┗【PF】朝会ガイド[2]
今回は、朝会のグランドルールについてです。
朝会を行う上での、グランドルール(憲法)には、以下のようなものがありま
す。これらは、プロジェクトファシリテーションにおける、すべてのミーティ
ングに当てはまるものです。
・他人を非難しない
ある「事」を悪いと指摘することはかまいませんが、ある「人」を非難するよ
うな発言をしてはいけません。よりよいアイディアのアドバイスや進言、提案
はどんどん行います。
・悪いニュースこそ良いニュース
例えば「進捗が遅れている」ということは、事実であって、言い方の工夫で変
えられるものではありません。さらに、それを隠すようなことは自分のためだ
けでなく、チームのためによくありません。悪いニュースをちゃんと口に出す
こと。また、積極的に話せるような雰囲気を作ること。「悪いニュースこそ良
いニュース」というルールをチームに確立しましょう。これによって、リーダー
は悪い兆候を早期に発見し、マネジメントすることができます。悪いニュース
を受け入れることは、「プロジェクト安全性」(*1)の必須要素です。
・部外者には発言権はない
外部の人間のオブザーバーとしての参加は歓迎です。しかしその際は、参加目
的を全員に明確に話し、発言は冒頭または終了後、などの特定の時間に限定し
ましょう。これには、外部の人が、自分がリスクを取るわけでもないのにプロ
ジェクトに気軽に口出しするのを防ぐという意味があります(*2)。
・リズム
プロジェクトファシリテーションでは、「リズム」を重要視しています。全員
が、きびきび、活動的になれるような朝会にしましょう。特に「おはようござ
います」などの挨拶は重要です。
これらのグランドルールは、朝会の初回で全員に説明しておきます。さて、次
回からは具体的なコツを書いていくことにします。
なお、オブジェクト倶楽部サイトにて、プロジェクトファシリテーションにつ
いて取り上げ始めました。http://www.ObjectClub.jp/community/pf/ (平鍋)
*1: プロジェクト安全性:Project Safety。Alistair Cockburnが重要視してい
るプロジェクトの特性。「プロジェクトを安全地帯(Safety Zone)へ導く」
が彼の方法論、Crystal Clearのコンセプト。
*2: プロジェクト内の人をピッグ、外の人をチキンといいます(Scrum)。チキン
に発言権はありません。ハムエッグを作る際に、ピッグが自分の生命をか
けているのに対して、チキンは自分の生命に関わらない貢献の仕方をして
いる、というたとえです。
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┗【設計】ソフトウェアのお言葉[3] - 動いているものは触るな
こんにちは、天野勝です。
今回のお言葉は「動いているものは触るな」です。この言葉は、誰が言い出し
たかははっきりとはわかりませんが、だいぶ昔からソフトウェア開発者の中で
言われ続けている格言です。読者の皆さんも一度は聞いたことがあるのではな
いでしょうか。
今回も、筆者の独断と偏見で、このお言葉を解釈、解説してみます。
最近は、「リファクタリング[*1]」という言葉もかなり浸透したようで、動い
ているソフトウェアを躊躇なく修正する人が増えてきているように感じていま
す。筆者がはじめてリファクタリングを知ったとき、今回のお言葉のありがた
みは薄れて行くだろうと思いました。が、しかし、現実にはそうはなりません
でした。薄れるどころか、声高に叫ばなくてはならないかもしれません。
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動いているものは触るな、リファクタリングができないのならば。
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どうやら、リファクタリングを誤解している人が多くいようです。リファクタ
リングは、仕様変更ではありませんし、デバッグでもありません。外部的な振
る舞いが変更されないことを、ユニットテストを使って確認しながら進める、
保守性を向上させる作業なのです。
仕様が変更されるということは、外部的な振る舞いが変更されるということで
す。ですから、ユニットテストを修正して、そのテストをパスさせるようにプ
ログラムを修正します。
デバッグということは、ユニットテストがパスしていないわけですから、外部
的な振る舞いを変更してパスするようにプログラムを修正するのです。
正しくリファクタリングができないのならば、動いているものを触ることは絶
対にやめましょう。
では、動いているものを触らないで、機能を追加したい場合には、どうしたら
よいでしょうか。
この疑問に答えるヒントとなるのが、「開放・閉鎖の原則(OCP:Open-Closed
Principle)」[*2][*3]です。この設計原則では、既存のコードを修正せずに、
新しい機能を追加できるようにしなくてはならない、といっています。つまり、
この原則に基づいた設計が行われているならば、動いている既存のコードを修
正しなくても新たに機能を追加することができるのです。しかし、この原則で
は、機能追加を対象としていますが、肝心の動いている既存コードに関しては
関知しません。十分な知識がない状態で、動いているものに触るのはやめましょ
う。(天野勝)
[1]:ソフトウェアの外部的な振る舞いを変更せずに、内部の設計(プログラム)
を改善すること。これにより、ソフトウェアの保守性が向上し、新たな機
能追加などに対応しやすくなる。
[2]:日経ソフトウエア 2004年11月号 「オブジェクト指向設計の考え方」参照
[3]:週刊オブジェクト倶楽部 7号 「ソフトウェア原則[1]」参照
http://www.ObjectClub.jp/ml-arch/magazine/8.html
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
今週は「ひな祭りになにかしますか?」のホントのところ。さて、明日はいよ
いよひな祭り。どうやってお祝いしますか?
子供が初節句なので盛大にお祝いします。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+0
流し雛をします。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+1
ひな人形を飾ります。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+2
ご馳走でお祝いします。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+3
特に何もしません。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+4
ひな祭りって何かお祝いするもんなんですか?
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+5
それは秘密です。
http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+47+6
ちょっと語らせて!
editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!
アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「甘いものが好き?」の結果は公開中。是非ご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru
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┗編集後記
こんにちは、編集人です。まだ随分寒いですが、とうとう3月に突入です。3月
は花月、桃月、花見月といった異名も持っているそうです。花のオンパレード
で、温かい、朗らかなイメージがします。私たちの心も、この異名のように、
温かで朗らかに保てたらいいですよね。
さて、オブジェクト倶楽部カレンダー」4月の電子データを公開します。4月の
テーマは「情報システムのライフサークル」。実はこのテーマは、オブLOVEス
タッフ外の方からのアイディアを掲載させてもらっています。このように、オ
ブLOVEは皆さんと一緒に作り上げていきたいと考えています。皆さんも是非、
一緒にオブLOVEを盛り上げてくださいね。
http://www.objectclub.jp/special/#calendar
今週の強引な一言
*** 3月はひな祭りで酒が飲めるぞ(岡本圭司)***
3月も飲んじゃいますか?飲みの席で出た突拍子もないアイディアも、実は問題
解決のよい打開策になるかもですよ。
(さとみ)
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■ 編集代表:平鍋 健児
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