Date:  Wed, 27 Oct 2004 12:33:01 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2004-40号】

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                          No.68 2004/10/27

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┣【Topics】オブジェクト倶楽部クリスマスイベント開催!
┣【Topics】お試しセミナー受講者追加募集「11月10日(水)」
┣【ツール】JUDE通信[2]
┣【見積もり手法】実践!ソフトウェアの見積もり手法[5]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇  オブジェクト倶楽部クリスマスイベント開催!
  〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・ 
今年のクリスマスもイベントがやってきます。今回のテーマは「ソフトウェア
開発の見える化」。今回は、対象参加者を、開発者だけでなく、ITシステムの
ユーザ、管理者、経営者 にまで広げます。もちろん、オブジェクト指向業界で
の著名人の講演から、これまで大好評のワークショップも開催決定。詳細は順
次公開中です。申し込みは、もう少々お待ちください。

詳細はこちら:http://www.ObjectClub.jp/event/2004christmas/

〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
 〇  お試しセミナー受講者を追加募集します
  〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・ 
10月27日(水)開催の「オブジェクト指向の設計原則」のお試しセミナーに、予
想を上回る申し込みがありました。多数の方をお断りをするのが心苦しく、こ
のたび2回に分けて開催することにしました。これに伴い、11月10日(水)の追加
セミナーに、若干の空きがありますので、どうぞお申し込みください。

詳細はこちら:http://po2d.esm.co.jp/

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■
┗【ツール】JUDE通信[2]

おひさしぶりです。梅田です。
当初の予定からは多少遅くなってしまいましたが、無償公開版であるJude竹の
新バージョンが、『JUDE/Community』と新たな名称でリリースされました。も
ちろん前回予告した新機能は、ちゃんと入っていますのでご安心ください。ダ
ウンロードは【こちら↓】からです。

    http://jude.esm.jp/

それでは、『変わったこと』、いってみましょう!

・名前が変わった
 『Jude』から『JUDE』に名前が変わりました。でも読み方はそのまま『ジュー
 ド』です。

・製品ラインナップが増えた
 [Community]
  無償版。モデリングのための基本機能を備えています。
 [Professional]
  有償版。Communityをベースに、印刷等を中心とした実用的な機能を備え
 ています。発売開始まであとわずか(*1)となりましたが、ベータ版はもうお
 試しいただけましたか?
 [Enterprise]
  12月末発売開始予定のチーム開発向け有償版。Professionalをベースに、
 サーバを使用してのデータ共有機能を備えています。

そして、『変わらないこと』。

・無償版の公開
  有償版の販売を開始いたしますが、無償版は引き続き公開いたします。今
 後も改善を続け、少しでも多くの方にUMLモデリングツールを体験していただ
  きたいと考えています。

・改善リクエスト募集
  有償版、無償版のユーザにかかわらず改善リクエストを歓迎いたしますの
 で、どしどしリクエストをお寄せください。JUDEはこれからもユーザに近い
  ツールであり続けたい、というのが私達の思いです。

紙面?の都合上、機能・改善等の詳しい説明はできませんので、ぜひWEBペー
ジ(*1)にアクセスしてみてください。それでは次回をお楽しみに!(梅田)

*1 JUDEサイト(http://jude.esm.jp/)11/1にて
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┗【見積もり手法】実践!ソフトウェアの見積もり手法[5]

さまざまな見積もり手法を知ろう!(その3)

□ 前回までのおさらい
これまで2回に渡ってデルファイ法と、ファンクションポイント法についてご紹
介しました。デルファイ法は「経験・実績ベース」の主観的な見積もり手法で、
複数の専門家の意見を集合することにより、個人で見積もるよりもさらに精度
の高い見積もり値を得られるのが特徴です。
ファンクションポイント法は客観的な基準で機能を抽出し、規模(機能量)を
推定することが可能な客観的な見積もり手法で、設計の比較的早い段階で精度
の高い見積り値を得られるのが特徴です。
さて、前回の予告ではCOCOMO(COnstructive COst MOdel)をご紹介する予定でし
たが、今回はユースケースポイント法[*1]をご紹介したいと思います。

□ ユースケースポイント法とは?
ユースケースと聞くと、UMLのユースケース図や、オブジェクト指向型開発を想
像される方も多いかと思います。まさにそのユースケースをベースにして開発
工数を推定する見積り手法がユースケースポイント法です。
ユースケースポイント法は、ファンクションポイント法とも類似しています。
例えば、
   >>機能あるいはユーザ(システム利用者)の視点から判断している
   >>コンピュータ言語/開発方法論/技術には依存しない
などです。
ユースケースの考え方は、オブジェクト指向分析・設計・実装や反復・漸進型
開発などのオブジェクト指向手法だけでなく、構造化設計やウォーターフォー
ル型開発などの従来手法への適用も可能です。つまり、ユースケースポイント
法はオブジェクト指向型開発に以外への応用も十分に可能と考えられます。
ユースケースは一般に分析フェーズで抽出されます。これは、設計よりもさら
に早い段階の分析フェーズで開発工数を推定することが可能であるということ
です。

□ 見積もり手順
見積もり手順は以下の通りです。ここではあらかじめ、ユースケース図等が作
成されており、ユースケースが抽出されていることを想定しています。

【手順1】アクターの分類
アクターごとに以下の基準に従って、シンプル(1ポイント)/平均(2ポイント)、
複雑(3ポイント)に分類し重み付けを行います。
   [1]シンプル:プログラマブルAPIを持つプロダクト
   [2]平均:コマンドラインインターフェイスと人間、もしくは何らかのプロ
      トコル経由のマシン(APIなし)
   [3]複雑:GUIと人間

【手順2】ユースケースの分類
ユースケースごとにシンプル(5ポイント)/平均(10ポイント)/複雑(15ポイント)
に分類し重み付けを行います。
   [1]シンプル:ユースケースの重要なシナリオもしくは実行パスが4つ未満
   [2]平均:重要なシナリオが4つ以上8つ未満
   [3]複雑:重要なシナリオが8つ以上

【手順3】未補正のユースケースポイント(UUCP)数の算出
アクターとユースケースの重み付けの係数を総計し、UUCP(Unadjusted Use 
Case Point)とします。

【手順4】技術要因の算出
技術要因の重み付け(TCF:Technical Complexity Factor)は以下の通りです。
   TCF = 0.6 + (0.01×TFactor)
   TFactor =Σ(重み×係数)
技術要因の評価対象は以下の13項目あります。TFactorの係数は0-5の6段階にレ
ベル付けします。(0=無関係,5=本質的, 3=平均的)
   [T1]分散システム(重み:2)
   [T2]レンポンスやスループットのパフォーマンスが重要(重み:1)
   [T3]オンラインでエンドユーザが効率的に使える(重み:1)
   [T4]内部処理が複雑(重み:1)
   [T5]コードが再利用可能である(重み:1)
   [T6]インストールしやすい(重み:0.5)
   [T7]使いやすい(重み:0.5)
   [T8]移植性が高い(重み:2)
   [T9]変更しやすい(重み:1)
   [T10]並行処理を行う(重み:1)
   [T11]セキュリティについての特別な配慮が必要(重み:1)
   [T12]サードパーティから直接アクセスできる(重み:1)
   [T13]ユーザの特別なトレーニングが必要(重み:1)

【手順5】環境要因の算出
環境要因の重み付け(EF:Environmental Factor)は以下の通りです。
   EF = 1.4 + (-0.03×EFactor)
   EFactor =Σ(重み×係数)
環境要因の評価対象は以下の8項目あります。EFactorの係数は0-5の6段階にレ
ベル付けします。
   [E1]Ratinoal Unified Processに慣れている(重み:1.5)
      ※「採用するプロセス(工程)に慣れている」でも良いかと思います。
   [E2]アプリケーション開発の経験がある(重み:0.5)
   [E3]オブジェクト指向に慣れている(重み:1.0)
      ※「採用する方法論に慣れている」でも良いかと思います。
   [E4]リーダの能力 (重み:0.5)
   [E5]モチベーション(重み:1.0)
   [E6]仕様の安定性 (重み:2.0)
   [E7]兼任者が含まれるか(重み:-1.0)
      ※複数のプロジェクトの掛け持ちしているメンバがいるか。
   [E8]プログラミング言語が難しい(重み:-1.0)
※[E1]〜[E4](0=経験無し、5=エキスパート、3=平均的)
※[E5](0=モチベーションなし、5=高いモチベーション)
※[E6](0=極端に不安定、5=不変、3=平均)
※[E7](0=全員プロジェクト専任スタッフ、5=全員他のプロジェクトと兼任)
※[E8](0=非常に簡単な言語、5=非常に難しい言語、3=平均的)

【手順6】補正後のユースケースポイント(UCP)数
UCP = UUCP×TCF×EF

【手順7】工数の算出
実績データがない場合は、1UCPを20人時間で見積もります。
個人的な意見になりますが、私の経験上、1UCPを25〜30人時間にすると、実績
値に近い結果が得られています。これは組織ごとに異なるでしょうから、より
多くの実績データを蓄積していくと良いでしょう。

以上です。

□ まとめ
今回は、「ユースケースポイント法」のご紹介をしました。ひと通りの算出手
順は理解していただけたと思います。
また、ユースケースポイント法の特徴についてお話しました。
  >>システム利用者の視点であるユースケースをベースにしているため開発の
    非常に早い段階(分析フェーズ)で見積りが可能
  >>オブジェクト指向型開発だけでなく、従来型の開発にも適用可能
  >>コンピュータ言語/開発方法論/技術には依存しない

なお、この見積もり手法のワークシート(MS Excel)をオブジェクト倶楽部で
公開しています。
http://www.objectclub.jp/download/technicaldoc/else/

□ 次回の予告
次回こそは「COCOMO(COnstructive COst MOdel)」をご紹介する予定です。
(中村)

[*1] Applying Use Casesの中で紹介されています。
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「勤務開始時間」のホントのところ。この業界、勤務時間にフレックス
タイム制をとっているところが多いように思います。皆さんは、何時にご出勤
ですか?

  9時までに出社です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+0
  10時までに出社です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+1
  午前中に出社です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+2
  午後出勤です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+3
  全く自由です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+4
  在宅なので関係なしです。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+5
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/cgi-bin/question.cgi?Z001+33+6
  ちょっと語らせて!
     editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「髭生やしてますか?」の結果は公開中。是非ご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。最近なんて災害の多いことでしょう。週末の地震の
様子も見るに耐えません。ちょうど地震の1週間前、新幹線ときに乗って新潟に
いました。青い海。広がる田畑。紅葉し始めた山。そんな美しい景色も、一瞬
でなくなってしまうんですね。せつない気持ちでいっぱいです。被害に遭われ
た皆さん、是非とも頑張ってください。

今週の強引な一言
*** 君子危うきに近寄らず(論語)***
仕事を何でも引き受けていると中には達成が不可能な仕事も出てきます。そん
な仕事は受けないように気をつけることも大事です。 
(さとみ)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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