┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
┃ ■┃
●┃● ● オ ブ ジ ェ ク ト 倶 楽 部 ■ ┃
┃ ■ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■━━━┛
No.23 2003/11/19
■ I N D E X
┃
┣【Topics】オブジェクト倶楽部クリスマスイベントワークショップ確定!
┣【プログラミング】ソフトウェア原則 - ちょっと横道 - その2 Name and Conquer
┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [8]
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 オブジェクト倶楽部クリスマスイベントワークショップ確定!
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
オブジェクト倶楽部主催のクリスマスイベントですが、ワークショップの枠が
確定しました。ワークショップオーガナイザの募集も、締め切らせていただき
ました。オーガナイザの募集に、ご応募ありがとうございました。
一般参加は引き続き募集中です。各講演者の講演概要も掲載しましたので、是
非、どんなセッションが行われるのか、覗いてみてください。
詳細:
http://www.ObjectClub.jp/event/2003christmas/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1 s t ■━
■
┗【プログラミング】ソフトウェア原則 - ちょっと横道 - その2 Name and Conquer
前回は、名前に関するエピソードとして、「Joshua Tree Principle (名前を知
ることで、見えなかったものがめるようになるという法則)」を紹介し、名前の
重要性を指摘しました。今回はもう1つの名前に関するエピソードを紹介します。
それは、「問題を解く方法」に関するものです。数学の問題解決法を分析し、
大きく2つに分けると、
(1)Divide and Conquer(分割攻略)と
(2)Name and Conquer(定義攻略)
になるそうです(*1)。Divide and Conquerは複雑な問題をより単純なサブ問題
に分ける方法です。ごく普通の考え方です。ソフトウェア開発に例えると、そ
れはサブシステム分割や構造化分析設計になるでしょう。
(2)Name and Conquerは少し変わっています。これは、「名前を付ける」方法
です。
「まだ未知だが、とりあえずこの数を x としよう。そして、x が満たす式はこ
れである。」という未知数の導入であったり、「こういう振舞をする集合を群
と名づける。」という定義により、名付けた集合についての性質を調べていく
手法。つまり、問題から、「ある注目すべきもの」を見つけ、それに名前を付
ける、という行為から出発するのが、Name and Conquerです。この考え方をソ
フトウェアに例えると、それはクラス抽出やオブジェクト指向設計になると私
は考えています。
Divide and Conquer も、Name and Conquer も共に複雑な問題を分析する考え
方でしょう。オブジェクト指向分析設計は、Name and Conquerに似ています。
分割して末端にまで落としてしまうDivide and Conquerではなく、問題領域を
分析して、オブジェクトという結晶を取り出して名前を付ける、
Name and Conquer の作業なのです。
* * *
さて、ここで少し挑戦的な仮説を立ててみます。
Name and Conquerは、より「発見的な」手法であることは間違いありません。
発見的な手法であるならば、発見のセンスが重要になってしまいます。そのセ
ンスは、経験によって磨かれるものであり、属人性を排除した手順によって定
義できるものではない、と思われます。
私の主張は、オブジェクト指向分析設計にはセンスが必要だ、ということ。そ
して、センスは経験によって作られる、ということです。では、経験として有
効なものはなんでしょうか?私は、自分が参加するプロジェクトでもいいし、
まったく別の対象でもよいから、実際に手に入るよいコードやよいモデルをた
くさん読むことではないかと考えています。よいものにたくさん触れること、
これがオブジェクト指向分析設計のセンスを得る、唯一の方法ではないでしょ
うか。
*1: この出典が思い出せません。私のオリジナルではないはずです。どなたか
教えて下さい。
参考文献:G.Polya、『いかにして問題をとくか』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4621045938/xpjp-22/
________________________________________________________________________
この記事への評価にご協力をお願いします。
URLをクリックして、「ご協力ありがとうございました」のメッセージがご使用
のブラウザに表示されれば投票完了です。
良かった:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?E001+4+0
普通:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?E001+4+1
イマイチ:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?E001+4+2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2 n d ■━
■
┗【PM】プロジェクトマネジメント入門 [8]
プロジェクトマネジメント入門も8回目になりました。今回から「プロジェクト
マネジメントの歴史と手法」に関してお話したいと思います。
プロジェクトマネジメントに関する市販の本には、手法に関して書かれている
ものが多く見受けられますが、歴史に関してはあまりないような気がします。
何かの参考にさていただければ幸いです。
前回、少し触れた通り、プロジェクトマネジメントは、海外を中心に発展した
背景があるので、手法も海外で考案されたものがほとんどです。それも概念が
形成されたのは20世紀以降で、これ以前は体系だった手法と呼ばれるものは
存在していませんでした。
プロジェクトマネジメントの歴史的な出来事として挙げられるのが「ガント
チャートの考案」だと思います。これは、1917年米国のヘンリー・ガント
が考案したものです。今では「バーチャート」と言う呼び名が一般的になって
います。ちょっと、余談ですが筆者がこの世界に入った時、最初に見方を教わっ
たのがこのバーチャート(当時、「線票」と言っていました。)でした。
このバーチャートは、縦にタスク(作業項目)、横に時間軸を取り、タスクそ
れぞれに作業の開始・終了時間を表すことで、タスクの実施順序や期間を明確
に表しています。前回までお話させて頂いた「5W1H」のなかの「What」
と「When」に該当するところですね。
考案されてから80年以上経ちますが、情報量的にこれ以上の表現は見当たりま
せん。そういう意味で、このバーチャートがプロジェクトマネジメントの発展に
大きく貢献したと言えるでしょう。
次回は、引き続きプロジェクトマネジメント手法に関してお話したいと思いま
す。(事務局長)
______________________________________________________________________
この記事への評価にご協力をお願いします。
URLをクリックして、「ご協力ありがとうございました」のメッセージがご使用
のブラウザに表示されれば投票完了です。
良かった:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?F001+7+0
普通:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?F001+7+1
イマイチ:
http://objectclub.esm.co.jp/cgi-bin/question.cgi?F001+7+2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━--■--●--■
■
┗編集後記
こんにちは、編集人です。
いきなりですが、病院から編集してます。仕事がいろいろやりかけのまま、い
きなり体調を崩してしまったので困っていたのですが、ありました、病院にも。
IC公衆電話(笑)。今まで、なんのために存在するのか(笑)イマイチ理解してま
せんでしたが、「アナログ回線ポートがある!!!(笑)」。ブロードバンド環
境に慣れきった今日この頃、こんなにもノートPCに56Kモデムが装備されていた
ことに喜びを覚えたことはありません。
そういえば、学生の頃、マニアックな先輩がノートPCを外の公衆電話に繋いで
なにやらネットワーク接続をしていたところ、(IC電話はまだなかったので灰
色の公衆電話ですね)見た人が何かの犯罪と間違えて警察呼んじゃった事件が
ありました(笑)。
その話を思い出し、(IC電話は、外来用の受付のある、人の往来の多いところ
にあるので)ちょっとドキドキしながらつなぎましたが、今のところ捕まって
ません(笑)。病院に来るようなおじいちゃんおばあちゃんも、慣れてきたんで
しょうかね(笑)。
(いりさ)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━--■--●--■
● ご意見、ご感想は ⇒このメールに返信ください
〇 配信中止、アドレス変更は ⇒http://www.ObjectClub.jp/mlmagazine_help.html
〇 免責事項、過去の記事は ⇒http://www.ObjectClub.jp/mlmagazine.html
■ 発行:オブジェクト倶楽部 ⇒http://www.ObjectClub.jp/
■ 編集代表:平鍋 健児
Copyright (c)2003 オブジェクト倶楽部. All Rights Reserved.
powered by Eiwa System Management, Inc.