Date:  Wed, 09 Jan 2008 16:56:40 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2008-01号】
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                          No.217 2008/01/09

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┣【Topics】オブラブクリスマスイベント 資料公開中です!
┣【ご挨拶】2008年 オブラブスタッフが楽しみにしていること
┣【書籍紹介】アジャイルプラクティス ―達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇 オブラブクリスマスイベント 資料公開中です!
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12月20日(水)、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、オブジェクト
倶楽部クリスマスイベントが大盛況のうちに終了しました。寒い中、多くの皆
さんにご来場いただきました。心より感謝申し上げます。
講演、ワークショップ、ライトニングトークスなど、今年は本当に盛りだくさ
んの内容でした。講演資料も下記にて公開を始めました。この後も順次公開予
定です。お楽しみに!
http://www.ObjectClub.jp/event/2007christmas/session.html

コメントやトラックバックは、こちらから。
http://www.ObjectClub.jp/event/2007christmas/trackbacks

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┗【ご挨拶】2008年 オブラブスタッフが楽しみにしていること

今年最初のメルマガということで、スタッフが2008年に楽しみにしていることを
聞いてみました。本年も、オブジェクト倶楽部をよろしくお願いします。

●『リーン開発の本質 ソフトウエア開発に生かす7つの原則』もうすぐ出版!
私が翻訳に携わった本が出ます。リーン開発の本質ともいえる原則の現場への
適用に言及しています。ぜひ買ってください。以上、宣伝でした。(天野勝)

●「お金は銀行に預けるな」という本を読んで資産運用に目覚めました。
2008年は資産運用をがんばってみようかと。とりあえず証券会社に口座を作っ
たり、資産運用の入門書を読み漁ったりしています。(ちくわ)

●気がつけばオブジェクト倶楽部の運営も、なんと今年は3年目に突入です。
このコミュニティから、また新しい才能を発掘できるかも、と考えるとドキド
キ!(上田雅美)

●クリスマスイベントに参加いただいた皆様には、カレンダーをご覧いただい
たと思いますが、今年の出来栄えはどうでしょうか?皆様の職場で活躍してい
る姿を想像しながら、励みにしたいと思います(きしだ@デザエンジニア)

●スタッフとしてのイベント初参加、LTデビューと初めて続きだった2007年。
2008年はどんな「初めて」に出会えるのか楽しみです。
(高橋@ノルディック)

●現場の事例から、情報の発信をしたいと考えています。引退する前に一冊は
書籍を書きたいという野望があったりします。(かわかみ)

●今年こそインスタンスベースオブジェクト指向と業界トレーディングカード
とマインドマップBBSとniko2mixiとTRICHORDのどれかがブレイクか完成かした
らいいなと思っています。(水越明哉)

●昨年はTRICHORDと一昨年末に生まれた長男を育てるのに手一杯でした。今年
はGlobalへ向けて、人の心に残るモノを発信または作りあげたいです。(懸田剛)

●今年もやっとむやっちゃうよ!なにをやるかは考える。まずやってから考える。
楽しみ!それは「ホビットの冒険」のPJによる映画化だ!って今年じゃない?
LEGOロボでふつうのプログラマが真の楽しさに目覚めたらいいいな(やっとむ)

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┗【書籍紹介】アジャイルプラクティス ―達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

あけましておめでとうございます。オブジェクト倶楽部の木下です。同僚の
角谷と私とで監訳した『アジャイルプラクティス ―達人プログラマに学ぶ現
場開発者の習慣』[*1]という翻訳書が12月22日にオーム社から出版されまし
た。

■45個のプラクティスと4つのセクション

この本はタイトルにこそ「アジャイル」という言葉を冠していますが、アジャ
イルに限らずソフトウェアの開発者であれば、みんなが身につけておくべき心
構えや習慣、姿勢、態度、心がけといったものを45個のプラクティスとともに
紹介しています。そういうと精神論のようにも聞こえるのですが、そうではな
く、あくまでも実践的 (Pragmatic)な手法として取り扱われています。

Pragmaticということで言えば、この本の原書はPragmatic Bookshelf刊行の
『Practices of an Agile Developer』[*2]です。しかも、共著者の1人が
Andy Hunt。達人プログラマのお墨付きです。

この本で特徴的なのはそれらのプラクティスの紹介の仕方です。それぞれのプ
ラクティスの紹介には以下の4つのセクションが設けられています。

  * 悪魔の囁き
  * 天使の助言
  * こんな気分
  * バランスが肝心

「悪魔の囁き」はともすると陥ってしまう悪い習慣です。自分の中の内なる誘
惑とも言えるでしょう。それに対して「天使の助言」はそういった誘惑を撥ね
退けて進むべき方向を示してくれます。この「天使の助言」はオーム社のホー
ムページ[*3]からダウンロードすることができます。

「こんな気分」では「天使の助言」を受け入れて進んでいったときに、引き起
こされる感情を示しています。「こんな気分」に書かれているような気持ちに
なったことがあるかどうか、是非ご自分の経験と照らし合わせて考えてみてく
ださい。そうして初めてこの本に書かれていることが腑に落ちるのです。

しかし、実際の開発の現場では「天使の助言」のようには上手くいかないこと
が多いでしょう。「バランスが肝心」では実際の現場に適用する際のヒントが
書かれています。

この本を読んだときに「そんなの知ってるよ」「あたりまえだ」と思われるか
もしれません。それでいいのです。この本に書かれていることは特別なことで
はないのです。アジャイル開発というのは、あたりまえのことを愚直に実践し
続けることなのです。

■5つの段階

物事には次の5つの段階があると言われています。

  1. 知る
  2. 分かる
  3. 行う
  4. できる
  5. 分かち合う

この本を読んで、書かれている内容が腑に落ちることによって「知る」の段階
から「分かる」の段階にステップアップできるでしょう。その次の段階は
「行う」です。「分かる」と「行う」の間には大きな壁があります。実際、分
かっているけど実行できないということはあります。「今は時間がない」とか
「周囲の協力が得られない」とか「うちの組織では難しい」とか、理由はいく
らでも考えられるでしょう。そういう状況でただ流されそうになったとき、少
し立ち止まって考えてみてください。この本に何と書かれていたか。
そして、勇気を振り絞って行動に移しましょう。この本の最終章のタイトルは
「アジャイルへ踏み出す」です。

もしそうしてみた結果、どうしてもできないとなったら、それはそれでいいじゃ
ないですか。考えることも行動することのうちです。立ち止まって考えたこと
に意義があるのです。こんなことを書いている私だってできていないことの方
が多いのですから。

そうやって試行錯誤しながらでもやりはじめてみたことを継続することによっ
て、習慣化されていくことでしょう。そうなって、「行う」から「できる」の
段階になるのです。

そして、最後は「分かち合う」です。奇しくもこの本で紹介されている最後の
プラクティスは「みんなに知らせる」です。開発の現場での知識や経験、それ
からアイデアといったものを仕事仲間やコミュニティの参加者と「分かち合っ
て」みてください。

Kent Beckは自著『XPエクストリーム・プログラミング入門 第2版』[*4]の中で
次のように述べています。

  本書を読むだけでは、エクストリームプログラマにはなれない。エクス
  トリーム方式によるプログラミング、XPの価値のすべてと少なくとも
  一部のプラクティスを共有する人のコミュニティへの参加、自分の知っ
  ている情報の共有化を行って初めて、エクストリームプログラマになれ
  るのだ。

年が明けて2008年になりました。今年もオブジェクト倶楽部ではみなさんが
「分かち合える」場をたくさん提供してきたいと考えています。今年もオブ
ジェクト倶楽部を、それから、『アジャイルプラクティス』をよろしくお願い
します。(木下史彦)

[1] : http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4274066940/xpjp-22
[2] : http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/097451408X/xpjp-22
[3] : http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-06694-8
[4] : http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4894716852/xpjp-22
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「手帳を使っていますか?」のホントのところ。最近では、手帳を日々
のスケジュールの管理としてだけではなく、目標管理ツールや、タイムマネジ
メント用のツールとして使う人も増えてきました。皆さんは手帳を使っていま
すか?さて、今回はどんな手帳を皆さんが使っているのか聞いてみることにし
ました。

  手帳は特に使っていない。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=0
  いわゆるカレンダーを使ってます。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=1
  グループウェアやWebのスケジューラー派。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=2
  ポケットサイズの書き込み式手帳派。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=3
  システム手帳や能率手帳など、個人のこだわり派。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=4
  電子手帳や携帯のカレンダー派。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=5
  腰リールなどのメモに何でも書き込む。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=6
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=183&choice=7
  ちょっと語らせて!
     詳細をこのメールに返信ください!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「イベントどうでしたか?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol182/PlonePopoll_results2
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。あけましておめでとうございます。本年もオブジェ
クト倶楽部をよろしくお願いいたします。さて、2008年になりました。あの!
2000年問題で大騒ぎしたお正月から早や8年。そんなに経ったのですね〜。
えっ!?古い?
年末年始のように「世間がお休みという間にお仕事」というエンジニアも多い
ですね。しっかり社会の基盤となったこの業界。誇りを持って、ますます盛り
上げてゆきたいものです。(上田雅美)

今週の強引な一言
*** 鼠無きを以て捕らざるの猫を養う可からず 〔鶴林玉露〕(ことわざ) ***
ネズミがいないところでは、ネズミを捕らない猫でも差し支えないように見え
るが、そんな猫はあくまで役立たずなので飼うべきではない。問題がないから
と言って、メリットも得られないことをするのは、付きはじめた贅肉のような
無駄ですね。身の回りに、大したメリットもないのに「やっておけば文句言わ
れないから」「前からやってるから」「止める理由がないから」などと言って、
続けてしまっている無駄なことはないでしょうか。新年明けて心機一転、仕事
のムダ取り、贅肉取りに挑戦してみるのはどうでしょうか?
出典参考:故事ことわざ辞典 東京堂出版
(やっとむ)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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