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●┃● ● オ ブ ジ ェ ク ト 倶 楽 部 ■ ┃
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No.195 2007/07/25
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┣【Topics】「アジャイルプロセス協議会主催セミナー2007」開催
┣【イベントレポート】ぶり祭り2007 & StarLogic Conference 2007
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
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〇 「アジャイルプロセス協議会主催セミナー2007」開催
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オブジェクト倶楽部主宰の平鍋健児が、またもやプロジェクトファシリテー
ションの講演をします。まだ、講演を聞けていない人はどうぞ。
また、事務局長の天野も「モチベーション低下を体感するミニミニワーク
ショップ」のファシリテーションをします。
ご興味ある方は、どうぞご参加ください。
http://www.agileprocess.jp/modules/eguide/event.php?eid=12
日時:2007年8月7日(火) 10:20 - 16:45 (受付開始 10:00予定)
場所:東京 新宿NSビル3階 308会議室
(http://www.shinjuku-ns.co.jp/access/index.html)
関西 神戸国際会館4階 401会議室
(http://www.kih.co.jp/map/index.html)
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┗【イベントレポート】ぶり祭り2007 & StarLogic Conference 2007
先週1週間の間に、「ぶり祭り2007」[*1]と「StarLogic Conference 2007」
[*2]という2つのイベントが開催されました。オブラブメンバーも参加してき
ましたので、今回はそのレポートをお届けします。
○ぶり祭り2007
「ぶり祭り2007」は台風一過の7月16日、江戸川区南小岩コミュニティ会館に
て開催されました。ぶり祭りのテーマは"ぶり"は"ぶり"でもS2Buriです。
S2Buri[*3]はオープンソースのワークステートエンジンです。S2Buriはその名
前からも分かるとおり、Seasar[*4]プロジェクトの1つとして開発されました。
現在はSeasarファウンデーション[*5]の傘下のescafe.org[*6]のプロジェクト
の1つとして開発が進められています。
ワークフローというと業務アプリケーションを構築する上では避けて通れない
ものですが、これまでは何となく難しそうだとか高価だとかいう印象を持たれ
てきましたが、それをオープンソースで分かりやすく使いやすい形で提供し、
ワークフローを身近なものにしたという意味で、S2Buriの功績は大きいものと
考えています。
ぶり祭りの講演は「ワークフローとは何か?」というところから始まり、ワーク
フローについての前提知識がなくても、非常に理解しやすいものでした。
今回の目玉は、何といってもt-wada氏によって紹介された「RESTful Buri」で
す。
RESTful Buriは、t-wada氏がRubyKaigi2006[*7]でのDHH氏の講演にインスパイ
アされ開発したもので、ワークフローの各アクティビティにURLでアクセスでき
るという非常に画期的なものです。"RESTful-Buriエディタ"、
"Dyna Components"、"Buriブラウザ"のデモが行われました。テーブル定義と業
務フローチャートをインプットとして、コード自動生成により図書申請システ
ムを作るというデモでした。システムが動いたときは会場から盛大な拍手が起
こっていました。
コード自動生成の威力と、RESTの可能性を感じた1日でした。
StarLogic Conference 2007
そんなぶり祭りの興奮も醒めやらぬ7月19日、秋葉原コンベンションホールに
て「StarLogic Conference 2007」が開催されました。
基調講演は「まだITに無駄金を使いますか?」と題して羽生章洋氏が講演を行
いました。カンファレンスの参加者は同業者(SIを仕事にしている人)が圧倒的
に多かった訳ですが、この日の羽生氏はあくまでもエンドユーザの視点で、エ
ンドユーザに向かってスターロジックの経営方針、引いては自身の決意とも言
えるものを真摯な姿勢で語っておられる姿が非常に印象に残りました。
そもそも「ITとは何か?」という話から始まり、SI業界の悪習慣である「人月」
の問題に切り込んでいきます。スターロジックは二度と人月商売/下請商売をし
ないとした上で、人月に代わる単位が提案されました。1タスク(マジカ[*8]の
システムカード1枚に相当)が8万円という価格体系です。マジカはユーザが書く
ということと、マジカのカードの枚数はユーザにも数えられるということから、
ユーザにとって非常に納得感のある価格体系が実現されます。
「脱人月」というと、居酒屋での愚痴のネタでしかなかった訳ですが、それに
対してこれほど明快な答えを出したというのは画期的なことだと思います。
"「脱人月」というけど、結局、人月になってしまうよね"、という半ば諦めの
風潮すらあったのですが、そいうところに風穴を空けたというのは大きいと思
います。この問題って答えを出せるんだということに気づきました。
XP(eXtreme Programming)では、ユーザがストーリーを書きます。そして、ス
トーリーに優先順位をつけて、優先度の高いものから対応していきます。
XPのストーリーカードが、マジカのシステムカードに置き換わったという感じ
で、XPの考え方とは多少なりとも通じるところがあると思うのですが、ストー
リーは粒度がバラバラなのに対して、マジカのシステムカードは粒度がほぼそ
ろっており、1枚8万円という数え方ができます。
Steve McConnellは著書「ソフトウェア見積り」[*9]の中で次のように述べてい
ます。
自分の環境の中で、作業のスコープについて意味ある尺度になり、しかも
数えられる定量的な指標を探そう。
あなたなら何を数えるでしょうか?
1タスク8万円という価格体系に辿り着くまでに、並々ならぬ努力が払われたこ
とは想像に難くありません。これを実現する二本柱は、マジカとbeafです。
マジカによってユーザが自分たちで要件を取りまとめることができるようにな
ります。ちなみに、オブジェクト倶楽部とマジカは切っても切れない関係にあ
ります。何を隠そうオブジェクト倶楽部のお仕事はマジカで取りまとめられて
いるのです。[*10]
beafでは開発工程の自動化が実現されます。コードの自動生成率は90%を超える
といいます。この前のぶり祭りで話を聞いた後だったので、非常に説得力があ
りました。こういった技術的な裏付けがあってこそ、この価格体系が現実味の
あるものになるのだと思います。
カンファレンスの帰りに同僚たちとコーヒーを飲みながら、カンファレンスの
ふりかえりをしました。同じような方向を志しながら、具体的な行動を起こし
ていないことを悔しく思いました。自分たちは何を数えるか?ユーザとどう向き
合うのか?どんな行動を起こすか?彼らの高い志、それを裏付ける圧倒的な技術
力、そして悲壮なまでの決意を目の当たりにし、次への行動を起こすきっかけ
をもらったカンファレンスでした。(木下史彦)
[*1] : http://www.starlogic.jp/event/buri/2007/
[*2] : http://www.starlogic.jp/event/conference/2007/
[*3] : https://www.escafe.org/svn/escafeflow/trunk/www/index.html
[*4] : http://www.seasar.org/
[*5] : http://www.seasarfoundation.org/
[*6] : http://www.escafe.org/
[*7] : http://jp.rubyist.net/RubyKaigi2006/
[*8] : http://www.magicaland.org/
[*9] : http://www.amazon.co.jp/gp/product/489100522X/xpjp-22
[*10] : http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2006/04/post_2d6e.html
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
今週は「夏休みどのぐらい?」のホントのところ。もう少しで8月になり
ますね。読者の皆さんは、夏休みの予定やそれまでのお仕事で、追われている
ところでしょうか?さて、今回は、読者の皆さんに夏休みをどのぐらい取る
予定なのか聞いてみたいと思います。既に取った方も、ぜひご回答ください。
1〜2日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=0
3〜4日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=1
5〜7日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=2
8〜10日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=3
10〜12日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=4
13日〜。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=5
0日。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=6
未定。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=7
それは秘密です。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=161&choice=8
ちょっと語らせて!
詳細をこのメールに返信ください!!
アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「資格を取るワケは?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol160/PlonePopoll_results2
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┗編集後記
こんにちは、編集人です。9月7日開催の「X-over Development Conference」
というイベントで、オブジェクト倶楽部主宰の平鍋さんが、茂木健一郎さんと
対談することになったそうです。楽しみです。私はぜひ、茂木さんに「脳と習
慣化」について聞いてみたい!こちらに詳細が載っていますよ。
An Agile Way
http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/
今週の強引な一言
*** 二階から目薬(ことわざ)***
思うようにならずもどかしいこと。また、回りくどくて、効果が解りにくいこ
とのたとえ。これらのことを何とかするために、いろいろなものが誕生しまし
た。プロセス、ツール、言語など。不便さこそカイゼンの始まりなのですね。
(上田雅美)
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■ 編集代表:平鍋 健児
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