┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
┃ ■┃
●┃● ● オ ブ ジ ェ ク ト 倶 楽 部 ■ ┃
┃ ■ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■━━━┛
No.183 2007/04/18
■ I N D E X
┃
┣【Topics】オブラブ夏イベント開催決定!(6月20日:東京・船堀)
┣【Topics】オブラブ夏イベントの講演者を公募します!
┣【Topics】日本Javaユーザグループ結成総会/記念講演会(4/23:東京・秋葉原)
┣【設計】ソフトウェアのお言葉[18] - プログラムを作らなければ、バグは生まれない
┣【コラム】銘酒の誕生に学ぶ
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 オブラブ夏イベント開催決定!(6月20日:東京・船堀)
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
毎年恒例となりましたオブラブ夏イベント!開催日が決定いたしましたので、
読者の皆さんにいち早くお知らせです。今回でオブラブイベントも8回目となり
ました。
日 時:2007年6月20日(水) 10:00〜18:30 (懇親会19:00〜21:00)
場 所:タワーホール船堀 http://www.towerhall.jp/
テーマ:
内 容:講演、ワークショップ
参加費:講演会3000円、懇親会5000円
サイトでの詳細ページ公開は、5月10日頃を予定しています。次回のメルマガで
改めて告知します。みなさん、どうぞお楽しみに!
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 オブラブ夏イベントの講演者を公募します!
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
オブジェクト倶楽部夏イベントでは初の試みとして、講演していただく方を募
集します。
オブジェクト倶楽部のイベントで何か話したい!聞いて欲しい!参加者の人た
ちとシェアしたい!ということで、講演を希望される方の応募をお待ちしてお
ります。
【募集要項】
・テーマ:自由
・講演時間:最大60分(15分、30分、45分も可)
・謝礼は出ません(ごめんなさい)
・講演会には無料で参加いただけます。
・締切:5月11日(金)
※応募多数の場合は予告なく締め切りを繰り上げる場合があります。
お早めにご応募ください。
【応募方法】
このメールへの返信に、以下の内容をご記入のうえお申込みください。
・名前
・所属(省略可)
・講演タイトル
・講演概要
・希望講演時間
応募多数の場合には、事務局で選考を行い、5/15までに応募者に可否を通知い
たします。ご質問、ご相談等ある場合にはこのメールにご連絡ください。
皆様のご応募をお待ちしております!
〇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━T o p i c s━
〇 日本Javaユーザグループ結成総会/記念講演会(4/23:東京・秋葉原)
〇 〇━━━━━━━━━━━━━ ━━・
日本Javaユーザグループの設立にあたり、記念講演会が開催されます。
豪華ゲストも多数。オブジェクト倶楽部も応援しています。ぜひご参加
ください。
【詳細】http://www.java-users.jp/events/20070423annual.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1 s t ■━
■
┗【設計】ソフトウェアのお言葉[18]
- プログラムを作らなければ、バグは生まれない
こんにちは、天野勝です。
今回のお言葉は「プログラムを作らなければ、バグは生まれない」[*1][*2]で
す。今回も筆者の独断と偏見で、解釈、解説してみます。
●バグはなくならない?
プログラムを作れば、それに伴い必ずバグは作られてしまいます。現象として
表面には現れないかも知れませんがバグは必ず潜んでいるのです。
とても極端なことを書いていますが、「バグがないことの証明はできない」と
いうことを裏返すと、このように考えるのは理にかなっているでしょう。この
考えを突き詰めていくとバグを作らないためには、プログラムを作らないに越
したことはない、という考えにいたります。
●バグを少なくする作り方
バグを作らないには、プログラムを作らないに越したことはありませんが、そ
うはいってもプログラムを作らなくてはならない場面はやってきます。このよ
うな状況で、どのようにバグを少なくすれば良いでしょうか?
プログラムを作られている方は、誰しも細心の注意を払って、バグを作らない
ようにプログラミングにいそしんでいることと思います。
バグの半分以上の原因は、変数に対する値の読み書きともいわれています。
「グローバル変数を使うとバグの温床になるから使うな」というのは何度とな
く聞いたことでしょう。グローバル変数を多用すると、どのタイミングでその
変数が更新されるかが理解しにくく、また当初の目的以外の使い方をされてし
まう危険性があるというのがその理由です。これに対して、ローカル変数は、
モジュール[*3]内にのみスコープを制限しているので、グローバル変数に比べ
て見通しやすく、利用する際の誤りも少なくなります。しかし、モジュールが
大きくなってしまうと、それにしたがってローカル変数のスコープが広がるの
で、グローバル変数的な危険性が増えてしまいます。せっかくのローカル変数
を有効に使うならば、モジュールのサイズは小さいほうが良いのです。
変数というものがプログラム上から排除すれば、変数に対する読み書きに端を
発するバグは存在しなくなります。実際に、変数を使用しないプログラミング
言語も存在します。関数型言語と呼ばれるものです。このメルマガでも関数型
言語であるHaskellの解説を連載していますので、詳しくはそちらをご覧くださ
い。
●プログラムを作らないで済ますには
変数を使わないにしてもバグがなくなるわけではありません。究極はプログラ
ムを作らないことです。では、プログラムを作らないで、ある作業を人間が手
動で行えば十分でしょうか。そんなことはありません。コンピュータで行うべ
き作業はコンピュータに任せて、創造的な作業に人間が集中できるようにする
べきです。
では、どうすればプログラムを作らないでも済むのでしょうか。その作業自体
をなくすというのが、一番効果が高いでしょう。業務アプリケーションを作る
のであれば、その業務の本当の目的を理解し、それとは関係ない作業を取り除
いたり、順序を入れ替えることでかなりのプログラムを作らなくてもよくなり
ます。
ある報告によれば、システムに作りこまれた機能のうち、リリース後に使われ
ている機能は、3分の1にしか過ぎないとも言われています[*4]。
●おわりに
プログラムを作るのはとても楽しい仕事だと筆者は考えています。12歳の頃に
初めて打ち込んだプログラムが動いた、あの感動はいまだに忘れられません。
しかし、仕事としてプログラムをするには、それ相応の品質が求められます。
費やせる時間に限りがあるならば、本当に必要とするプログラムを作ることに
その時間を費やしたいものです。(天野勝)
[1]:出典不明です。出所を知っている方は教えてください。
[2]:バグの定義についてはここでは割愛します。
[3]:ここでは、サブルーチン、関数、メソッドと呼ばれるものの総称として、
モジュールという名前を使用しています。
[4]:2000年のStandishグループのChaos Reportに載っているという資料を見た
ことがあります。
_______________________________________________________________________
この記事への評価にご協力をお願いします。
URLをクリックして、「ご協力ありがとうございました」のメッセージがご使用
のブラウザに表示されれば投票完了です。
良かった:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=L001-17&choice=0
普通:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=L001-17&choice=1
イマイチ:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=L001-17&choice=2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2 n d ■━
■
┗【コラム】銘酒の誕生に学ぶ
唐突ですが、読者のみなさんは、お酒を飲みますか?
まったく飲まない、嗜む程度、毎日欠かせない人、また飲むと答えた人でも、
飲む種類やスタイルも様々です。
今回はその中で日本酒にスポットを当て、銘酒と呼ばれるお酒が、どのように
誕生したのか、私たちのヒントにできればと思い一つのエピソードを紹介した
いと思います。飲みニケーション、なんて言葉もある程ですので、記事がそこ
での話題になれば幸いです。暫しお付き合いください。
どんなものにも、ブームというのがありますね。私たちが直面するところでは、
言語や開発手法、インターネットのサービスなどがあります。
もちろん今回取り上げた日本酒にもブームがあります。1988年「夏子の酒」[*1]
という漫画の連載に始まり、新潟淡麗(水の如し)ブーム、十四代[*2]に始まる
地酒ブームと続き、今日に至ります。
そして今から10年ちょっと前、その夏子の酒と同じように、東京から帰郷し奮
闘したのが、今回紹介する廣木酒造本店の社長、廣木健司さん[*3](以降、
廣木社長)です。
今や、東京を中心に全国から注目される造り手の一人です。
帰郷してまもなく、長年務めた杜氏が高齢で引退、父と二人三脚も1年後には
その父も亡くなり、一人になってしまいます。前職がキリンシーグラムの営業
だったこともあり、帰郷後も営業に専念していたのですが、30歳にして社長は
おろか1年しか経験のない杜氏も兼ねなければなりませんでした。
私たちの業界で言えば、30にして社長というのは、それほど珍しくないかもし
れません。しかし会社から技術者がいなくなり、残った営業担当が社長・CTO
・開発リーダーなどを兼任しなければならない、というとどんなに小さな会社
であっても一大事です。プログラム言語は新入社員研修とOJTでやったことがあ
る程度と想像していただければ、読者の皆さんにも大変さが想像できるでしょ
う。
日本酒業種は伝統のもの。おおむね社長や杜氏は60前後で、30前後の子供が専
務という形ですから、もっと大変なことかもしれません。当時をふりかえると、
「在庫を売り切ったら終わり・・・」と真剣に考えていたそうです。
そんな中、NHKの「新日本探訪」というドキュメンタリー番組で取り上げられま
す。そのご縁でたまたま番組を見ていた東京の飲食店経由で、有名地酒販売店
「小山商店」 の店主、小山喜八さん[*4]と出会います。
廣木社長は自慢の純米泉川を送ったのですが、「ほかにも似たようなものはいっ
ぱいある、もっと廣木さんらしさを表現してください」と厳しい指摘を受けま
す。それでも小山さんは、数ヶ月に1回は注文を繰り返し、評価してくれたと
言います。
当時、業界内と日本酒マニアの間では、十四代が話題を呼んでいましたが、一
般の売れゆきのほとんどは、まだ淡麗辛口でした。ですから「似たようなもの」
でも「売れるもの」中心になりがち、純米泉川も淡麗辛口でした。私たちも
「どこかで見たサイト」でも「ヒットするなら」「こいうサービスが流行って
いるからウチも」になりがちです。
しかしここで、廣木社長は「小さな所が、他と同じことをしていても生き残れ
ない」と気づき、改革を行います。インターネットの世界もヒットすれば、似
たようなサービスが雨後の筍のように出てきますが、すぐに淘汰されていきま
す。
そこで重要になるのが、さきほどのキーワード「らしさ」です。
廣木社長が「らしさ」の重要な要素になる、米・水・時間管理に関して、最大
限の投資をして、出来上がったのが「特別純米無ろ過生原酒・飛露喜」[*5]で
す。
「らしさ」に「うまさ」を求め、様々な工夫と改善を取り入れた結果、銘酒と
なったそうです。人気となった今も、人の敏感で繊細な要素が必要となる洗米
を除いて、新しい機械の導入などによる改革も止めることなく続けています。
私たちにとって「らしさ」とは何でしょうか?他の誰もやっていないから、と
いう理由だけでなく、誰もが思っていることでも、自分の信じた「気付き」を
「形」にして「評価される」ということが重要なのではないかと。思っていて
も形になって見える化されていなければ、意味がありません。もちろん、それ
らは普通にやって成し遂げられるものではないでしょう。これはムリかもとい
うギリギリの可能性を狙う勇気や改革も必要です。そして結果は評価され、そ
こから多くの「出会い」が生まれ、新たな「気づき」も生まれます。
幸い私たちには各種コミュニティや、インターネットなど様々な評価・出会い
の舞台が用意されています。伝統文化やしがらみ等もあまりありません。気付
きを形にし、積極的に活動してみれば、未来を切り開けるチャンスが待ってい
ます。
日本酒は消費量で見ると、焼酎の七割程度。2003年に起きた焼酎ブームから常
に劣勢が続き、差は開きつつあります。
「これまでの酒造りでは、焼酎には勝てないということ。いい酒はちゃんと残
っていきます」と廣木社長は今も新しいチャレンジを続けています。
ピンチをチャンスに変え、これまでの手法にこだわらず、新しく良いものを可
能な限り追求し、成功をしても常に上を目指す姿勢に、私たちも見習わなけれ
ばいけないことがあるな、と気づくエピソードだと思います。
もしこの記事を読んで、飲まずにはいられない、と思ったら今晩あたりうまい
日本酒を飲みに行くのも良いかもしれませんね。(きしだ)
参考文献:「愛と情熱の日本酒」山同敦子
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478960976/xpjp-22
[1]:夏子の酒
1988年28号から1991年14号まで週刊モーニングに連載され、後に和久井映
見主演でドラマ化された。主人公の佐伯夏子が亡き兄の遺志・酒蔵を継ぐ
ために、OLをやめ奮闘するストーリー。日本酒業界と農業に多大な影響を
与えた。
[2]:十四代
現在も最も有名な地酒で、常に入手困難を伝えられる山形の銘酒。当時20
代半ばでこの酒を作った高木さんは、業界に衝撃を与え日本酒界の新星・
プリンスと呼ばれた。
[3]:廣木酒造本店
福島県は会津坂下町に構える、小さな酒造会社。社長の廣木健司さんは昭
和42年生まれ。ちなみに十四代の高木さんは昭和43年生まれである。
[4]:小山商店
東京多摩市にある地酒を取り扱う有名店。これまでに数多くの無名蔵を紹
介し育ててきた。
[5]:飛露喜
廣木という読みから、「喜びの露が飛ぶ」という思いを込めて命名された。
_______________________________________________________________________
この記事への評価にご協力をお願いします。
URLをクリックして、「ご協力ありがとうございました」のメッセージがご使用
のブラウザに表示されれば投票完了です。
良かった:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=H003-27&choice=0
普通:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=H003-27&choice=1
イマイチ:
http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/estimate?vol=H003-27&choice=2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━3 r d ■━
■
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ
今週は「今、職場に欲しいもの」のホントのところ。先日某客先に出向いたと
き、その職場にはなんと巨大なホワイトボードが!「ようやく買ってもらえまし
た」と嬉しそうに話す担当者の顔がなんとも印象的でした。さて、今回は読者
の皆さんが職場に一番欲しいものってなんでしょうか?
ホワイトボードなどの見える化グッズ。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=0
休憩できるような憩いのスペース。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=1
効率化のために、最新型のオフィスサプライ。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=2
仮眠室やシャワー室(なんで?)。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=3
ペット。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=4
託児施設。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=5
目の保養になるもの。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=6
それは秘密です。
http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=149&choice=7
ちょっと語らせて!
詳細をこのメールに返信ください!!
アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「リーダーやりたいですか?」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol148/PlonePopoll_results2
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━--■--●--■
■
┗編集後記
こんにちは、編集人です。今回のオブジェクト倶楽部の夏イベントでは、いつ
もは参加者側で「自分も何か発信してみたい!」と思っていた皆さんに場を提供
することにチャレンジします。そして、新しいチャレンジはきっと何かを与え
てくれると信じています。多くの皆さんにもぜひ、私たちと一緒にチャレンジ
していただければ嬉しいです。応募お待ちしています!
今週の強引な一言
*** 蛙の子は蛙(ことわざ)***
何事も子は親に似るものだということ。もしかしたら、後輩の仕事ぶりもあな
たの仕事ぶりと似ているかもしれませんね。もしかしたらですよ。
(上田雅美)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━--■--●--■
● ご意見、ご感想は ⇒このメールに返信ください
〇 配信中止、アドレス変更は ⇒http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/help/
〇 免責事項、過去の記事は ⇒http://www.ObjectClub.jp/community/object_ml/
■ 発行:オブジェクト倶楽部 ⇒http://www.ObjectClub.jp/
■ 編集代表:平鍋 健児
Copyright (c)2003-2007 オブジェクト倶楽部. All Rights Reserved.
powered by Eiwa System Management, Inc.