Date:  Wed, 18 Oct 2006 15:17:36 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2006-39号】
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                          No.160 2006/10/18

■ I N D E X
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┣【Topics】オブラブ待望の秋イベント開催!(11月17日)
┣【設計】ソフトウェアのお言葉[13] - プログラムの体質改善
┣【PF】アジャツール - Agileなツール紹介[16]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇 オブラブ待望の秋イベント開催!(11月17日)
   〜 The Lightning Talks Best Collection 〜
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オブジェクト倶楽部ではこれまでに計6回のイベントを開催してきました。
ソフトウェアの開発現場をより良くしたいという趣旨のもと、ご来場いただい
たみなさん、ご登場いただいたスピーカーの皆さん、協賛いただいた多数の企
業の熱意に支えていただいてきました。この場をお借りして、心より感謝申し
あげます。
◎過去のイベント ( http://www.objectclub.jp/event )

また、「あのとき急な仕事で行きそびれて」「過去のイベントも参加したかっ
た」といううれしい声もお寄せいただいています。今回はその声にお応え出来
ないか?とスタッフで検討を重ねた結果、オブラブ一番の人気コーナーである
「ライトニングトークス」を選ぶことにしました。
1人でも多くの皆さんに気軽にご参加いただきたいので、参加費を無料にし、
トーカーの皆さんも手弁当で駆けつけてくれることとなりました。

題しまして、「〜 The Lightning Talks Best Collection 〜」
出場者は追ってHPにてご案内いたします。そして、今回がオブジェクト倶楽部
初登場のスペシャルゲストも登壇予定!

今まであまり参加できなかった方も、このイベントを機にぜひ参加をご検討く
ださい。皆様のご参加をお待ちしています。

【概要】
 日 時 : 11月17日(金) 19:00〜21:00(18:30より受付)
 会 場 : 港勤労福祉会館(田町)
       http://www.minatoku-town.com/map/mn035338
 参加費 : 無料(先着70名様)
 申込み : http://www.objectclub.jp/event/event2006autumn/
      ※ちょっと特殊なシステムになっています
       「申し込みシステムについて」のリンクも参照してください。
 問合せ : オブジェクト倶楽部事務局 2006autumn@ObjectClub.jp

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┗【設計】ソフトウェアのお言葉[13] - プログラムの体質改善

こんにちは、天野勝です。
今回のお言葉は「プログラムの体質改善」です。今回も筆者の独断と偏見で、
解釈、解説してみます。

●体質の改善という名前付け
このお言葉は、『リファクタリング-プログラムの体質改善テクニック-』[*1]
のサブタイトルから引用しています。
原題は『Refactoring : Improving the Design of ExistingCode』[*2]となっ
ていますので、直訳すると「既存コードの設計改善」となるのでしょうが、敢
えて「体質改善」という言葉を使っているところに、訳された方たちが秘めた
こだわりがあるのだろうと、筆者は勝手に感じています。

●みなさんは健康ですか?
唐突な質問ですが、皆さんは健康ですか?
現代社会を生き抜くためにも、健康な身体が必要なのは当然ですよね。しかし、
最近はメタボリック症候群といったキーワードが流行ってしまうぐらい、健康
に自信を持てなくなっている方が増えているのではないでしょうか。残念なこ
とに、筆者も自信が持てないほうです。最近、寝てもなかなか疲れが抜けない
という身体になってきてしまいました。
これでは、自信を持って健康であるとはいえないです。
だからといって、このまま自信が持てないままでいいかというと、そういうの
はよろしくないですよね。何とかしなくてはなりません。
筆者は、そこで2日に1回、15分ほど家の周りをジョギングするようにしました。
これを2週間ほど続けると、効果が少しずつ現れてきました。疲れが抜け易くなっ
たというよりも、疲れが溜まりにくくなったという感覚があります。たったの
2週間ですが、体力がついたようです。さらには、ベルトの穴が一つ細いほうに
ずれたというおまけまでついてきました。
しかし、1週間ほどの出張に行ったのをきっかけに、ジョギングをやめてしまい
ました。
すると、ベルトの穴が元に戻ってしまいました。ちょっと、悲しい気持ちです。

●プログラムの体質改善と健康
勘の良い方ならば既にお気づきでしょうが、体質改善とは、改善してしまえば
おしまいというわけではありません。悲しいかな、改善前に戻ってしまう場合
があります[*3]。
「プログラムは修正されるもの」を前提とすると、その修正のたびにプログラ
ムの健康が損なわれていく例が多くあります。このように健康を損なう方向に
働く作用を問題なく受け入れられるためには、それに負けないように平常時か
ら体質改善を心がけ、実際になにかしらの活動をしなければなりません。
その活動の一つが、リファクタリングです。
リファクタリングとは、プログラムの外部的な振る舞いは変えずに、その構造
をよりよいものにしていく活動のことです。このような基礎的な活動をし続け
ることで、プログラムの修正に対しての耐性がつき、健康を維持できるのです。
今は健康であっても、その生活習慣によっては大病にかかってしまうかもしれ
ません。そのためにも普段から健康的な生活を心がけて、病気にかかる確率を
減らしていくことが重要だと思います。健康的な生活を送るには、改めなけれ
ばいけない活動が多々ありますが、それは将来への投資と考えると、お安いこ
となのかもしれませんね。
冒頭で述べた『リファクタリング』の訳者が、「プログラムの体質改善」には、
ことあるごとに、改善のための何かをし続けることが重要である、ということ
を秘めているのではと感じています。

●おわりに
プログラムの体質改善ということで、人間の健康と、プログラムの健康のアナ
ロジーを使って説明をしました。健康というのは、人間の生存欲求と直接リン
クする強いメタファだと思います。健康や体質改善という観点でいろいろなも
のを見てみるのはいかがでしょうか。プロジェクトの健康を保ち続けるための
体質改善というのは、手ごろであり、そして奥深いテーマだと思います。
(天野勝)

[*1]:『リファクタリング -プログラムの体質改善テクニック-』
      著:マーチンファウラー、訳:児玉公信、友野晶夫、平澤章、梅沢真史
      ピアソンエデュケーション(2000)
      http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4894712288/xpjp-22

[*2]:『Refactoring: Improving the Design of Existing Code』
      著:Martin Fowler
      Addison-Wesley Pub(1999)
      http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/0201485672/xpjp-22

[*3]:ダイエットなどでは、リバウンドという、以前よりもさらに悪い状態に
     なってしまうという現象があるようです。
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┗【PF】アジャツール - Agileなツール紹介[16]

● 腰リールカンファレンスのお知らせ
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今回はまず「第一回全日本腰リールカンファレンス」の宣伝をさせていただき
ます。このイベントは、筆者を中心に企画開催する腰リールメモ[*1]について
の単独イベントです。10月19日(というともう明日ですが!)に開催します。腰
リール(メモ)とは、アジャツールでも以前言及した、メモとペンを常に携帯す
るために、複数のツールを組みあわせて腰に取り付けるシステムの総称です。
以前にも、オブジェクト倶楽部のイベントの懇親会の最中などに集って、有志
のカンファレンス(のようなもの)を開催していたのですが、今回は単独イベン
トとして(勢いで)開催することになりました。

発案者(筆者)による講演、腰リール作成&改造ワークショップ、そして腰リー
ル&メモ術版ライトニングトークス、そして懇親会など盛り沢山でお届けいた
します。腰リールメモをお使いになったことがない方でも参加いただけます。
「気になっていたけど実践できていない...」という方がいらっしゃれば、ぜひ
参加してください。

申込締切は過ぎたのですが、まだ多少余裕がございますので、御興味のある方
は開催概要のページ[*2]をご覧になり、「オブラブメルマガを見ました」と本
文に記入してお申し込みください。本日(10月18日)の18:00まで受け付けており
ます。

● デジタルカメラで現場を記録
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今回はデジタルカメラをアジャツールとして取り上げます。カメラ機能は最近
では携帯電話にも装備されていますが、デジタルカメラ単体を、組織単位で所
持していることも多いのではないでしょうか。

デジタルカメラは様々な場面で使うことができます。一番多いのがホワイトボー
ドの盤面を撮影する機会です。ホワイトボードは書いて、消して、書いて、を
繰り返して使います。そのためスナップショットをデジタルカメラで撮影して
おくのです。ホワイトボードに印刷機能がある場合でも、できるだけデジタル
カメラで撮影することにしています。撮影した画像をデータでとっておくこと
ができますし、印刷したければプリンタで印刷することも可能です。デジタル
カメラにはミーティングの結果や、ふりかえり、イラスト、なんでも撮影する
ことにしています。

他にデジタルカメラで撮影するものとしては、開発風景があります。これは日々
の開発風景、たとえばペアプロ中のようなプラクティス実施中の画像や、壁に
貼ってあるかんばんの状態、作業場所の全体、置かれたガジェットなどをとっ
ておきます。筆者が携わっているプロジェクトでは、これらの写真を元に雑誌
やWebの記事を書いたりしています。また、そういった執筆に携わらなくても、
プロジェクトの記録としてとっておくことで、プロジェクトの最後のふりかえ
りなどに利用できるでしょう。また、プロジェクトが解散し、別のプロジェク
トに移る時がくると、以前はどのような環境でやっていたかを思い出すきっか
けになります。壁に貼りものをしているチームなどは、その改善の歴史を写真
で残しておくと、自分達の頑張りが見えモチベーションに繋がることもあるよ
うです。

撮影した画像は、例えばふりかえりのようなものはカラー印刷して壁に貼って
おきます。こうすることで、Try項目を確認して実施する助けになります。ミー
ティングの結果のようなものは、写真だけで保持しておこうとしても、後で見
た時にどうしても情報が落ちてしまいます。必ず詳細な情報はメモしておきま
す。

撮影した画像をどうやって管理するかという点については、まだ筆者の方でも
確立していません。現在は日付毎にフォルダを作成して日付毎に放り込んでい
るだけです。Picasa[*3]のような画像管理ソフトウェアを使うと、かなり効果
的に画像を管理できます。他にはWikiに画像を貼り付けたり、画像管理システ
ムに登録するなどの方法もありますが、どれもなかなか一長一短ですね。

もし「いい方法があるよ」という方がいらっしゃれば、オブジェクト倶楽部に
教えていただけると嬉しいです。

最近のデジタルカメラは、動画もかなり綺麗に撮ることができます。筆者のチー
ムでは、ふりかえりのセッションを動画で撮影したことがあります。他にもペー
パープロトタイピングのような、スナップショットではとらえにくい内容を動
画にするという例もあるようです(筆者は撮影したことはないですが)。

次回は一部で評判のバグレゴについてつらつらと書いてみたいと思います。
(懸田)

[*1]:http://giantech.jp/wiki/WaistreelMemo
[*2]:http://giantech.jp/wiki/WaistreelConference
[*3]:http://picasa.google.co.jp/intl/ja/
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「オブラブイベントのこれが面白そうだな」のホントのところ。秋のイ
ベントではライトニングトークス大特集です。スタッフも今からとても楽しみ
にしています。さて、今までのイベントでいろんなことをしてきましたが、ど
んな内容に魅力を感じますか?実際に参加したかどうかは別です。過去のイベ
ントなどで「面白そうだな!」と思ったものを教えてください。(3つまで)
◎過去のイベント ( http://www.objectclub.jp/event )

 回答はこちらから!
  http://www.objectclub.jp/special/kininaru/vol126/PlonePopoll_view2

 (1)色々な人の各種講演
 (2)やっぱりライトニングトークス
 (3)みんなで情報交換をし合うワールドカフェ
 (4)コミュニケーションやファシリテーションのワークショップ
 (5)PCを各自持ち込んでの、技術系ワークショップ
 (6)色々な人の意見を聞きたいので、パネルディスカッション
 (7)フリースペースなどでの自由な交流
 (8)楽しみながら学べるゲーム
 (9)本当は懇親会
 (10)ちょっと語らせて!
    いつものとおり詳細をこのメールに返信ください!! 
アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「プロジェクトの悩みどころ」の結果は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol125/PlonePopoll_results2

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┗編集後記

こんにちは、編集人です。もう既に来年用の手帳が発売になっています。
もうそんな時期なのですね。早いなぁ〜!
正式に秋のイベントのご案内が始まりました。今回のイベントも期待大ですね。
引き続きクリスマスイベントは12月20日(水)開催です。編集後記ファンの皆さ
んだけに特別に日程だけお知らせしておきます。ぜひご参加くださいね。

今週の強引な一言
*** 女心と秋の空(ことわざ)***
変わりやすい秋の空を女性の気分(気持ち)に例えて、変わりやすいものなんで
すよと教えることわざですが、いまどきはお客さんの気持ちのほうがよっぽど
変わりやすかったりして!お客さんが男性だからといって、安心してばかりは
いられませんよ。(上田雅美)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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