Date:  Wed, 19 Jul 2006 15:29:59 +0900
Subject:  【オブジェクト倶楽部: 2006-27号】
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                          No.148 2006/07/19

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┣【Topics】アジャツール記事のINDEX公開
┣【PM】プロジェクトマネジメント入門[30]
┣【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント[1]
┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

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 〇 アジャツール記事のINDEX公開
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現在、大好評連載中の「アジャツール - Agileなツール紹介」ですが、読者の
方からのご要望もあり、サイト上に今までの記事のINDEXを掲載いたしました。
http://www.objectclub.jp/technicaldoc/tools/agilertool/agilertool_top/

今はメルマガ記事へのリンクとなっていますが、筆者の懸田いわく、「そのう
ちキチンとした記事にするつもり...」とのことです。お楽しみに。

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┗【PM】プロジェクトマネジメント入門[30]

久々の「プロジェクトマネジメント入門」です。昨日からプロジェクトマネジ
メントに関する本を読み始めました。日本能率協会マネジメントセンターから
出版されている「アーンド・バリューによるプロジェクトマネジメント」(監訳:
PMI東京支部)[*1]という本です。随分前に購入したのですが、序文と第一章
を読んだまま本棚にほったらかしにしてありました。再度、本棚から引っ張り
出してきたのは、本棚を整理していたときにこの本を見かけ、この本の第一章
に書かれていたことが、私が知っている開発プロジェクトと類似していると思
い、何かいい方向に行くような解を見つけるために読み始めました。

この本の第一章には、「アーンド・バリュー」の手法を物語風に説明していま
す。この物語は本当にあったわけでなく、よくありうる話をとりあげたと著者
は書いています。

あるベンチャー企業の製品開発プロジェクトの話です。大学でマネジメントを
学んできた社員が、プロジェクトマネージャとして重要な製品開発プロジェク
トを任され、計画から四半期ごとに行われる、プロジェクト進捗レビューをす
るまでの話です。

プロジェクトマネージャは、大学で学んできた通り、プロジェクトの目的・ス
コープ・ゴールを定義し、これを満たすWBS(ワーク・ブレークダウン・ストラ
クチャ)を作成し、タスクの割り当てと見積もりの後、スケジュールに落とし、
期間を見込みました。この結果、18ヶ月の期間と150万ドルの経費がかかること
を経営者(発注者)に伝えました。

この物語でよくあると言われている点は、ここからです。経営者は、期間の短
縮(12ヶ月)と経費の節減(100万ドル)を要求します。プロジェクトマネージャは、
この要求を満たすべく努力をし、この要求を受け入れた計画に作り直し、経営
者の承認を得ました。

ここで重要なのは、この期間と経費の計画を要求通りに作り直せた理由だと思
います。プロジェクトの品質、スコープなどの条件を変えない限り、期間や経
費を低減することは出来ません。ところがこの物語では、この条件を変更した
との記述はありません。このことが、四半期ごとに行われるプロジェクト進捗
レビューの報告、「プロジェクトは若干スケジュールが遅れているものの、支
出は計画通りです。」に現れてきます。つまり、プロジェクトが遅延している
が、始まったばかりなのでこれから挽回できるなどの甘い見込みで、問題なし
との判定になってしまうのです。

発注者(ここで言う経営者)のスケジュールと経費の低減を、前提の変更なしに
「頑張り係数」による生産性向上で対応しようとし、結果としてプロジェクト
が遅延してしまうことが、私が知っている開発プロジェクトと類似している点
です。

この本では、この遅延を「アーンド・バリュー」の手法を使って定量的に表し、
経営者(発注者)に甘い見通しでなく、このままプロジェクトが進むとどうなる
かを示し、計画の再考をさせます。

次回、この定量的な表し方に関してお話します。(事務局長)

[1]:http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4820741926/xpjp-22
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┗【PF】たまには仕事に役立つコミュニケーションのヒント[1]
          - コミュニケーションを完了させる

こんにちは。オブジェクト倶楽部の運営でお世話になっています上田雅美です。
新しく不定期ですが『コミュニケーション』に関しての記事を書くことにしま
した。皆さんのお仕事の中で、少しでも役に立つヒントとなるように頑張りた
いと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

お仕事の中で、誰かと関わる中で、コミュニケーションがとても大切だという
事は多くのところで語られています。しかし、解っていながらなかなか行動が
伴わない・・・。そんな方はいらっしゃいませんか?
今日はなぜそれが引き起こってしまうのか?ということについて考えたいと思
います。

「上司にメールで相談をしたのだけれど・・・」
「先輩に打ち合わせをお願いしたんだけど・・・」
「ミーティングで自分の考えを言ったけれど・・・」

自分から何らかの働きかけをしても相手の反応が無反応だった場合、働きかけ
た側にはさまざまな憶測が瞬時に巡ります。

「怒っているのかな」
「この前の失敗のことを未だ・・・」
「ドン引き!?」

などです。

ここで起きているのは、コミュニケーションが完了していないということです。

私たちはコミュニケーションを通して、自分のやりたいことをやるためや、相
手の行動を促進するために、3つのことを基本的に行っていると言われています。

1. 要望:自分の要望を満たすために相手にリクエストすること。
     (例)「〜して欲しい。」「〜して欲しくない。」

2. 質問:知らない事をたずねること。または、状態をはっきりさせる事で行動
     を起こさせる。
     (例)道をたずねる。「この方向で合っていると思うんだけど、大丈夫?」

3. 完了:コミュニケーションは始めたら完了させる必要があります。完了は相
     手を受け入れることです。

コミュニケーションは、Aという相手が話して、Bという相手が聞き、それをも
う一度相手に戻すことで完了します。それが繰り返されるのが会話です。しか
し、コミュニケーションは、未完了で終わってしまっていることがほとんどで
す。コミュニケーションをキャッチボールに例える場合がありますが、投げた
ボールが返って来ない場合、投げた側は戸惑います。そうなった場合、ほとん
どがボールを投げなくなってしまいます。つまり、コミュニケーションを取ろ
うと思わなくなるのです。

コミュニケーション能力を上達させたいと思った場合、急にウイットに富んだ
会話を目指したり、論理的に相手と会話することを目標とする場合があります
が、大抵の場合、相手のコミュニケーションをきちんと完了してあげる事が出
来れば格段に印象が変わってきます。

「メール見たよ。忙しくてなかなか返事が・・・」と相手に伝えるだけで良い
時もありますし、相手の言動に笑顔や相づちのリアクションで返すことも出来
ます。もしも、もっと上手に相手に関わりたいと思うのであれば、対話の中だ
けではなくメールのやり取りや挨拶など、きちんと相手のコミュニケーション
を完了させることを第一の目標とされる事をお勧めします。(うえだ@コーチ)

[参考文献]
絵で学ぶコーチング―すぐ使えるコミュニケーション・スキル50
伊藤守 著 日本経団連出版
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/481852302X/xpjp-22
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┗【アンケート】気になるシステム業界 ホントのところ

今週は「連続休暇、毎年取れるとしたら何日くらい欲しいですか?」のホント
のところ。夏休み、リフレッシュ休暇、プロジェクトが一段落した後など、ま
とめてお休みが取れたら嬉しいですよね。でも日本では休めたとしても、土日
をいれてせいぜい10日くらいが関の山。この業界に限ったことではないかもし
れませんが、もし連続休暇を毎年取れるとしたら、どれくらい欲しいですか?

  どどんと2ヶ月以上。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=0
  子供の夏休みみたいに1ヶ月半。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=1
  1ヶ月あったらなぁ。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=2
  2週間でしょう。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=3
  10日は欲しいです。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=4
  1週間あれば。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=5
  5日くらいかなぁ。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=6
  3日以内で十分。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=7
  特に必要ありません。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=8
  それは秘密です。
     http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vote?vol=114&choice=9
  ちょっと語らせて!
     editors@ObjectClub.jp まで詳細を!!

アンケート結果はオブジェクト倶楽部サイト上にて公開します。お楽しみに。
なお、前号「海外、プライベートで何ヶ国行ったことがありますか?」の結果
は公開中。ぜひご覧下さい。
⇒http://www.ObjectClub.jp/special/kininaru/vol113/PlonePopoll_results2
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┗編集後記

こんにちは、編集人です。先週末は、うだるような暑さでしたね。夜中には暑
くて目が覚めるし、朝起きるとすでに汗だくだし、眠りが浅い日々が続いたか
と思うと、この大雨です。結構肌寒くて、慌てて長袖を引っ張り出しました。
さて、もうすぐ子供たちも夏休み、昨今はゲームの影響もあってクワガタやカ
ブトムシが大人気ですが、私は実はクワガタ採りなどをした思い出がなかった
りします。今ごろになって、無性にやってみたいんですよね。あと、今聞きた
いのはヒグラシの声!昔は意識しなくても聞く機会なんて、いくらでもあった
のに、最近ではいつ最後に聞いたのか思い出せないくらいです。なんともさみ
しい限り。今年の夏はどこかで聞けるといいなぁ。

今週の強引な一言
*** 針の穴から天井をのぞく(ことわざ)***
小さな穴から天井を見て、それが全てだと思ってしまうことです。PMや、上司
や、顧客が、「無茶なことを言ってくる」と、文句を言うのは簡単です。でも
それぞれの人にはそれぞれの立場や視点があるからこそのこと。あなたの視野
だけを基準に判断してしまわないように。
(まにわ)

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■ 編集代表:平鍋  健児
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