大村さん,
平鍋です.
On Sat, 9 Sep 2000 12:29:09 +0900,
omura@....jp said:
> 出張に行ってたんですが、その間にC・アレグザンダーの
> 「 時を超えた建設の道」を読みました。(平田 翰那訳/鹿島出版会)
> この本は、デザイン・パターンの原点といわれている「パタン・ランゲージ」
> の理論編とでもいうべき本ですが、読んでみて、これはデザパタというより
> XPの理論なんじゃないかという気がしてきました。
おもしろい視点の提供,ありがとうございます.この辺りの議論を
すると熱くなる方が,この ML にも多くいらっしゃると思います
が,私の理解を書かせてください.
「デザパタ」はソフトウェアパターンの一つであり,上記の本は
「デザパタの原点」ではなく,「ソフトウェアパターンの原点」と
言った方がよいと思います.
XP も言ってしまえばソフトウェアパターンなのです.12 のパター
ンが集まってパターン言語になっています.このようなプラクティ
スベースのパターン言語の例が XP の他にもあり,Coplien のプロ
セスパターンであり,Hunt/Thomas の The Pragmatic Programmers
です.
デザパタには,コミュニケーションという視点が(どちらかと言う
と)小さいですが,アレグザンダーは,パターンを道具とするコ
ミュニケーションに視点を置いていますよね.
# さらに,教育という視点も持っています
> Alexanderをソフト開発の世界に知らしめたのは、Kent BeckとWard Cunninghamだそうですが、
> この本を読むかぎり、デザイン・パターンではその思想の表面的なものしか捉えることができなかった
そうそう.これはあたり.でも,
> けれど、XPに至って、デザパタを超え、Alexanderの思想が深くrealizeされたというような気がします。
> (勿論、だからデザパタがだめだとか不要だなんてことを言っているわけではありませんよ)
XP に至って,というのは多分違っていて,デザインパターンが出
る前から Alexander の思想により近いソフトウェアパターンは数
多くありました.
> あと、XPでは、禅とか武士道とかのにおいがしますが、Alexanderは老子あたりの雰囲気です。
鋭いですね.オブジェクトシンポジウム 2000 では,Coplien が
「Software Patterns : East Meets West」
と題したチュートリアルで,まさに,Alexander の本と老子の TTC
(Tao Te Chin - 道徳経) を1つずつ対応付けていました.
以上