赤坂さん、まこたんさん、上手です。
今日はいろいろ考えたのですが、結論として、御二人の主張と私の言っているこ
とは”ほとんど同じ”だなと思いました。
以下、赤坂さんへのフォローの形でちょっとコメントを・・
> 有用な情報ありがとうございます。> 上手さん
> FourValuesにはCommunication, Simplicity, Feedback, Courageとありますが、
> TestingはFeedbackの一部で、AggressivenessはCourageと考えても良いですか?
あら・・・・。手許にEC本が無かったので、INETでXP−PRACTICEを見て引用しま
した。そうなりますね。最近、これがXPの本質だと思うようになりました。
> > 最も単純なことをやる、情報を共有する、自動化テストの3つの価値観により、
> > アグレッシブ(積極果敢)、または怖れ知らず、になれる。
> > といっているので、非常に人間臭い方法論です。
>
> CMMがエンジニアリングを目指すプロセスのフレームワークである以上、俗人性を
> 排したものとなっていることは否めません。あまり面白くない(興味が湧かない)
> のもこの辺が影響しているのではないでしょうか(少なくとも私にはそう(^^;;)。
これは私も全く同じです。私はISO9001の専任担当です。昔は「ISO9001大嫌い、
CMM大好き」人間でした。しかし、XPで本来の自分に目覚めました(笑)。
私の考え方の根っこを整理してみました
・型をつくるとそれを守ることを至上命題とする人(組織)が出来て来る。特に
品質管理部などというのは頭が固いので要注意。(#組織を大きくするのが自己
目的になる)
・しかし一番重要なことは型を発想した理念(考え方)である。 CMMの根本理念
は他の製造業から見ればごく常識的なことだが、今の日本のソフト業のレベルか
らみると、昔ゝのホスト時代の品質管理の亡霊を呼び出しかねない。 ISO9001の
導入でほとんどのソフト屋が失敗しているのはそのせいだ。(#ひどいもんだ)
・別の観点で、今のソフト開発プロセスは革命的な転換期に入っているようなの
で、旧い手法に縛られたくない。(#オブジェクト指向とコンポーネントなどで)
・ハード屋さんの会社にいた時は、設計は、OPアンプ(アナログ増幅器)と表示
メータと電源・・・と、部品(コンポーネント)を組み合わせるだけだった。ソ
フトウェア開発もすぐそうなる。(コンポーネン開発のスーパ−プログラマとそ
の他大勢=APプログラマ)
ということで、CMMは「総論賛成、官僚化の懸念と新手法導入の障害になるのを心
配」という感じです。
> 一方、開発方法論は、それぞれに特徴があって良いわけで、XPでは「人の問題」
> にもフォーカスをあてているということなんですね。
> # ちなみに 「プログラミングの心理学」の方は好きな本の一つです。
> # ペアプログラミングってなんとなくエゴレスチームを連想させますが。
>
「人の問題」という点では、後で見ると、XPは一つの転換点になっていた可能性
はあると思います。前に「椅子にヒジカケがついているか」の議論でヒンシュク
を買いましたが、プログラマを”仲間”と見るか”戦力(部品)”と見るかという、
組織の本音がわかるのではないでしょうか?(#これは非難を招き寄せているよう
な気が・・)XPでは”みんな仲間”だと思います。
#日本の、協力会社−下請け構造でXPが可能なのか議論したいですね。
#この辺りは,Alan Kay、、Smalltalk80から根本理念が地下水脈でXPに伝わって
いるような気もします。
> ところで、XPの「変化を抱擁せよ」と、CMMのたゆまぬプロセス改善には共通点は
> ないのでしょうか?
「変化を抱擁せよ」というのは、「顧客志向」と思ってます。納期も予算も当然
動かせない中で、最大限顧客の要望を容れ、ジョブ(ストーリー)の優先度をダ
イナミックに変化させ、プロジェクト運営をコントロールしていく方針だと思っ
ています。CMMのプロセス改善は、もう少し高所・大所の話では?(#立場が逆に
なってますね。笑い)
> # システムを変更することだけではないですよねぇ?
> # もっとXPについて勉強しないと、ついていけなそうです、私(^^;;
>
> > 言ってみれば、工場のプロセス合理化法を説く品質管理屋さんと、プログラマの
> > 仕事に対するべき心得を説く牧師の違いのようなもので、同じ土俵での比較は出
> > 来ないと思います。
> >
> > もう一点は、XPは積極的にリファクタリングしますから、現在(時点!)のCMMの積
> > み重ねの計測方法とは相容れないと思います。
>
> なるほど、そういう意味ではそうですね。
> LOCに替わる、リファクタリングに適した尺度で計測すればいいわけですよね。
> 尺度を変えれば、リファクタリングでも計画と実績を比較することは可能なので
> はないでしょうか?また、それによって見積もり精度が向上するのでは?
>
> > #電気回路のハード開発の会社にいた経験から、個人的には、現在のソフト開発
> > 手法はまだまだ幼児レベルだと思っています。今の開発プロセスを前提にして考
> > えたくありません。
>
> エンジニアリングとして未成熟という意味で、現在のソフト開発が幼児レベルと
> いうのは同感です。
>
> 今の開発プロセスって何を指してるのかちょっと分かっていませんが・・・。
> 幼児レベルと現在の開発プロセスって、XP,CMM(PSP)と関係あるのでしょうか?
>
上で言ったOPアンプの話です。最低Smalltalkレベルのライブラリと開発環境で、
安全保証付きの標準コンポーネント部品が提供されている、というイメージが、
普通の量産品の開発者の環境です。(#ちょっとオーバーに言っています)
私は社内研修でこんな質問をします。
「自動車の設計をしている人って世界中で何人いるんですかね? 1万人? 10
万人? で、ソフトウェアの設計と自動車の設計とどこが違うんですか?」
まあ、”どこまでやる気あるの?”って話です。(#自分の話は Pass!!)
> CMMでは別に今の開発プロセスを前提にしているわけではないと思います。
> # PSPの、LOC計測に関しては、確かにそうかもしれませんが・・・。
>
ご指摘どおりです。(反省)
これからも、いろいろとご教示お願い致します。
(では)