平鍋です。
1つ書籍を紹介します。
ぼくと何度もプロジェクトを共にした永和システムの岡島幸男さんの本がでました。
IT業界の混乱は、形式的なプロジェクトマネジメント手法や開発技術では乗り切れない。
そこには、人間力のあるリーダーが必要である。本書には、「才能」としてのリーダー
ではなく、彼が現場での「悩み」から後天的に得た「技術」、そして「勇気」のエキスが
生の言葉で書かれている。
プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797333502/xpjp-22
この本を読むと、彼と関わったプロジェクトのさまざまな記憶、深夜の議論
や、成功の美酒、
失敗の辛酒を思い出します。
また、プロジェクトファシリテーションのいくつかの「見える化」実践につい
て、詳細に書
かれたはじめての日本語の本ということになると思う。「アクションかんば
ん」、「朝会」、
「ペア○○」、「ふりかえり」などなど。
思想的にも、いろんな良い事が書かれている。
正直は割に合う
というトラブル解決の原則であったり、
成長には気づきが必要
という経験からの原則認識過程であったり。
さらに、本書内で何度も繰り返される、目的・課題・アクションという問題解決フレーム
ワーク、そして、仕事の厳しさと楽しさ(やりがい)、についての3Pフレームワーク
(Pressure, Pleasure, Pride)にはしびれました。
筆者は中庸が大切と書いているが、この本の良さはまさに具体性と思想性の中
庸だとおもう。
普通のエンジニアが「経験」として済ませていることを、さらに一段抽象化し
て、重みのあ
る言葉に結晶化させ、それを伝えようとしている。具体的すぎると読者の場面
で利用するの
が難しく、思想的すぎると、たんなるお題目になってしまう。
こういう、「実の詰まった」本が、今後のSI業界を変えられるんじゃないか、
という前向き
な気分にさせてくれる、嬉しい本でした。
http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/2006/03/_wo_9c15.html
↑ブログにも同じ内容を書きました。
以上