小野さん、上手です。
ご教示ありがとうございます。
On Wed, 5 Jul 2000 11:51:19 +0900
ono@....jp wrote:
> 上手様、XP-JP の皆様:
>
> はじめまして、小野 剛と言います。プログラマをしております。
> XP に興味があり、この ML をずっと ROM していました。
> JUnit を便利に使わせて頂いています。
> 今後ともよろしくお願いします。
>
> さて、上手様の以下の御紹介について:
>
>
> > #この Taylorうんぬんの意味を教えてもらえませんでしょうか >>all
>
> Fredrick Winslow Taylor という 1910 年代位に活躍した経営学の先生
> (というか、この手の学問の創始者?)のことを指していると思われます。
> 「工場管理」という本を書いて、それまで直観や経験によって運営され
> ていた工場に科学的な管理手法を採り入れた人です。
>
> 流れ作業とか、数量管理とか、そのような製造業に置ける工場管理手法
> のことを引合にだして、これらはソフトウェア開発プロセスには役立た
> ないのだ、というのがおそらく Kent Beck 氏の主張でしょう。
>
私は Kent Beck 氏の、「リファクタリングしてコード行数が減ったら LOCなんて
意味をなさない」が気に入ってます。「新しい酒は新しい皮袋にいれよ(?)」
です。
EC本P42 For example, lines of code is a useless measurement in the face
of code that shrinks when we learn better ways for programming.
> 「ソフトウェア開発は、製造業における開発と同じには捉えられない」
> という説はよく主張されることですね。山形浩生訳「コンピュータは難
> しすぎて使えない!」においてもそんな主張がありました。
>
私はISO9001で給料をもらってますが、これがまさに”製造業における開発”の規
格なんです。で、周りのソフト屋さんの ISO9001取得はほとんどがこの罠にはま
っているようです。ホスト時代の旧い品質管理を引っ張り出して、品質記録、品
質記録で社内的に猛烈な摩擦を生んでいるようです。どの会社も、6カ月毎の定
期審査の前に徹夜で記録をつくる・・・
#一言でいうと、”壮大な無駄”です。
本当はISO9001なんてのは、イギリスの街のパン屋さんでも認証取得してる規格で、
ちゃんとやってるソフト屋では業務に負荷なんてかからないのですけどね。
私がCMMに(必然ではあるが)あまり好感を持っていないのは、このように「誤解
され、官僚化する土壌になりやすい」と思っているからです。一度組織ができる
と、自己防衛・組織拡張のために、余計な仕事をつくろうとしますから・・
品質管理の世界では「3%の効率改善は困難だが、30%の効率改善は簡単だ」
と言うことが良く言われます。発想を変え、開発手法を変えることで、QC的な積
み重ね的な改善では行えないブレークスルーが達成できるという意味です。
私はXPの周りに、ソフトウェアの開発手法の革命的な変化の芽があり、その精神
の根っこはXPやパターン、リファクタリングやSqueakを生んだ Smalltalkにある
のではないかと感じています。
(では)
> // Tsuyoshi ONO //
> UI Dev team, e-Business Div, CSNC / SONY Corporation
> email: ono@....jp
> "If you like to live dangerously, just make the field public."
> -- Doug Lea, "Concurrent Programming in Java 2nd Ed."