渋川です。
建築のパラダイムはそのままソフトウェア工学にはあてはまらない、というのは
良く聞きますが、今日、建築関係の授業(他学科ですけど)で面白い話を聞きま
した。日本建築史の講義の中で聞いた話ですが、日本庭園作りというのはなかな
か計画通りには行かないようです。ラフがですばらしい石の絵や松の木を描いた
ところで、その材料が手に入らないことにはうまく作ることはできない、とのこ
とです。庭園の設計者は時には自分で石を探しに行ったり(石材屋に任せないで)
、木を探しに山に入ったりするそうです。まさにアジャイル。変化に対応できな
いとすばらしい日本庭園のアーティストにはなれないようです。年月が経過する
と木々が成長したり、季節ごとに花が咲いたり紅葉したり。変化するものはいく
らでもあります。
茶室に至る道というのは、日本庭園になっているそうです。茶室自身もある程度
パターン化はされているようですが、細部の意匠は製作者の遊び心をちりばめら
れる箇所がたくさんあるようです。機能的には「亭主が客人をもてなす」の一点
に尽きますが、どのようにもてなすか、という心配りは人それぞれ。それを具現
化する過程である、茶室作りにはアジャイルな要素がいろいろ含まれていそうで
す。
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東京工業大学 国際開発工学専攻 上田研
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