赤坂さん、合木さん、栗山さん、中藤さん、こんばんは。
奥村です
赤坂さん[XP-jp:04662]:
> 合木さん、お付き合い頂いてありがとうございます。
> 栗山さん、中藤さん、人工知能、人工生命の情報ありがとうございます。
終わってしまったような雰囲気なのですが、
複雑系の話題になると首を突っ込みたくて仕方がないので
遅ればせながら。
栗山さん[XP-jp:04654]:
> | > > | 「創発」とは耳慣れない言葉かもしれないが、要するに、何か新しいシステムを
> | > > | 作ろうとする当事者が事前に思い描いた計画や意図とは違う形で、そのシステムが
> | > > | 出来あがっていくことを指す。
> | >
> | > これって複雑系なんでしょうか?
> |
> | ごめんなさい。ちょっとわかりません。
> | 組織の進化論的な話ではあるのですが、本の中には複雑系といった言葉は(見逃し
> | がなければ)出てこないです。
>
> 大学の研究で創発システムという人工知能の研究を行っていました。
赤坂さん[XP-jp:04662]:
> # 創発は、複雑系で引用していた言葉だったんですね。
部分を足し合わせても全体の振る舞いをすべて説明できない、
「創発」という不思議な現象があって、
それを研究するために「複雑適応系科学」が起きた、という感じのようです。
複雑系を世に広めた、ミッチェル・ワールドロップ氏の「複雑系」は、
英語でのサブタイトルがずばり
「The Emerging Science at the Edge of Order and Chaos」
(訳すなら「秩序とカオスの縁の、創発性の科学」といったところでしょうか)
となっています。
で...
栗山さん[XP-jp:04654]:
> 聞いたことある方もいらっしゃるかもしれませんが、「遺伝的アル
> ゴリズム」や「強化学習」という学習手法です。
この「遺伝的アルゴリズム」を開発した「ジョン・ホランド氏」
(栗山さん、あってますか?開発したのは別の人、とか...ないですよね?)
は、複雑系科学の重鎮の1人のようです。
この人が「遺伝的アルゴリズム」や「クラシファイア・システム」を
開発する下りは、「複雑系」で、まるまる1章を使って描かれていました。
中藤さん[XP-jp:04656]:
> 私は物理学科だったのに、人工生命(Artifical Life, ALIFE)の文脈で
自分の,自己増殖するプログラムの研究を「人工生命」と名付けたクリス・ラングトン氏は、
その後、不規則性につながる変数を少しずつ上げていって、秩序からカオスに移る
ちょうど転換点に複雑系が存在することを発見し、「カオスの縁」と名付けたそうです。
# そしてアキラ・カワマタ氏は、ソフトウェア開発においても、煩雑さを少しずつ増加させ
# オブジェクト指向プログラムが場当たりプログラムになってしまう
# ちょうど転換点に豊かな創造性があるのではないかと仮説を立て、
# そこを「オブジェクト指向の縁」と名づけました。
> 自己触媒系の定性的性質をコンピュータシミュレーションで解析する、
> という怪しげな研究をしてました。(カウフマンの本に出てくる、
> A, B, AB, BA ... が線でつながった絵のモデルを使いました。)
複雑系でひもとく生命の起源、ですね?
化学反応が連鎖してループを作り、自己増殖を始める、というシミュレート。
スチュアート・カウフマン氏は「ASD本」でもたくさん引用されていましたよね。
そんな具合で、どれも複雑系でつながっているなぁ、と思いながら
追っかけていました。
(つなげながら読んでいた、ということかも)
> むりくり XP に引き付けて考えると、従来の手法は、
> プロジェクトの内容を徐々に分析・還元していき、
> 詳細を知ることで理解・制御しよう。
> としていたのに対して、XP は
> 良いプラクティスを組み合わせて良いプロジェクトを創発させ
> 総体としてバランスをとりながら制御しよう。
> ということなのかもしれません。 #適当に言っております。
これはどんぴしゃかも、と思いました。
まさしくASDのテーマの一つだと思います。
XPが「コミュニケ−ション」や「フィードバック」によって
個人の総和以上の価値を生みだす、ということが、
ASDでいう「創発を起こす」ということで、
創発を起こすためにアジャイルでないといけない、というのが
ASDの主張だと思いますので。
なんだか複雑系の話になると燃え上がってしまいます。
空回り気味のような...ご容赦ください。
でも、複雑系理論はまさしくアジャイルの理論的裏付けになると思うんです。
経営的には複雑系の(収益逓増と経路依存の)経済学が、
組織運営では生態系の研究や複雑系組織論が、
開発プロセスとしてはソフトウェア自体の複雑性が、
アジャイルが目指す方向こそがまさしくあるべき姿だと
指し示しているように思えます。
それを1冊の本にまとめたハイスミス氏はとても凄い。
と、読み直してみて改めて思いました。
メールが長くなってしまいました。
いい加減このへんで。失礼します。
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奥村 悠
mail: juok@....com
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