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Date:  Tue, 26 Aug 2003 12:44:49 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:04657] コミュニケーションの困難さ (was  「 	AnExtremeProgrammingEpisode 」の翻訳版を掲載しました)
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030826124449k-hamai@....jp>
In-Reply-To:  <200308171623.ACI58154.OVVNBU@....jp>
References:  <200308171623.ACI58154.OVVNBU@....jp>
X-Mail-Count: 04657

濱井です。
2003/08/17 16:23:31 +0900にAkira Kawamataさんが送られた
メールに関する返信です。

> 実はコミュニケーションというのは、極めて成立しがたいもので、曖昧さを一
>切排除してすら伝わらないことが珍しくないというぐらい、難しいものです。そ
>ういう状況で、曖昧な言葉を使うことは、私としては非常にリスクの高い行為の
>ように思います。

自然言語自体が曖昧であり、自然言語を使う限り、「曖昧さを一切排除する」
ということはできないでしょう。コンピュータ言語のような人工言語でも、
意味は自然言語を使って説明するしかありませんから、意味的な曖昧さは
残るはずです。
そして仮に曖昧さを排除できても、意図を正しく書く(話す)ことができるか、
書かれた(話された)内容を正しく解釈できるか、という問題は残ります。
意図や解釈は心の中の問題であり、いまのところ第三者には正確には
わかりません。したがって、正確なコミュニケーションが成立できているかは
わかりません。

正確なコミュニケーションが成立できているかすらわからない以上、正確な
コミュニケーションが成立することに期待することには無理があります。
XPは正確なコミュニケーションには期待せず、コミュニケーションの失敗を
できるだけ早く見つけることにより、コミュニケーションの失敗が
ソフトウェア開発の失敗につながることを防ごうとしているように思います。