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Date:  Tue, 26 Aug 2003 10:23:26 +0900
From:  Shigeru GOUGI <ANC04864@....COM>
Subject:  [XP-jp:04655] Re: アジャイル開発に【自然な役割】は必要? (Re: 「 AnExtremeProgrammingEpisode 」の翻訳版を掲載しました)
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030826100444.F3BE.ANC04864@....COM>
In-Reply-To:  <20030826042050.BC74.AKASAKA.H@....com>
References:  <20030826001844.F3B8.ANC04864@....COM> <20030826042050.BC74.AKASAKA.H@....com>
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赤坂さん
合木です。
 一つだけ質問させて頂きたいことがあります。お時間が許すときにでもお
付き合い頂ければ幸いです。

On Tue, 26 Aug 2003 05:10:25 +0900 
Hidehiko AKASAKA-san wrote:
:
> 後者について、チーム学習手法として以下のレビューが挙げられています。
> ・顧客のフォーカスグループレビュー
> ・ソフトウェアインスペクション
> ・事後評価
> これらを効果的に使うことで、学習効果が得られるとあります。

 赤坂さんの感じでは、この学習手法で、「自然な役割分担が出来る様に育つ」
実感を持つことは難しいですか?  (難しいとすると何が足りないでしょうか?)

 「能力構築競争(藤本)」では、次のようなものが上がっています。

p135
| 問題解決ツールの標準化
|
| 第三に、現場における改善活動のための問題解決の手法・手順そのものを
| 標準化あるいはルーチン化し、これを生産組織の末端にまで浸透させる。
| 例えば「QC七つ道具」「QCストーリー」「作業標準改訂のルール」などを
| 全社的に徹底させることがこれにあたる。こうした問題解決ツールの標準
| 化は、本質的には、「生産ルーチン改訂プロセス自体のルーチン化」に
| ほかならない。いずれにしても、比較的簡単な問題解決ツールを開発し、
| 専門家集団のみならず現場の管理者や直接作業者もこれらを使いこなせる
| ように教育することによって、現場組織の改善能力が底上げされるので
| ある。

p136
| 標準の累積的改訂
|
| 最後に、作業標準化の徹底と標準の頻繁な改訂を通じて改善の成果を常に
| 客観化して累積するメカニズムが確率していることが上げられる。もろん
| 不具合への対応など、非ルーチン的な作業においては、マニュアル化され
| ない暗黙知的な熟練が重要な役割を果たすが、繰り返し作業の部分について
| は標準化・マニュアル化をもしろ徹底し、同時にこのマニュアルを現場管理者
| 主導で頻繁に改訂するという形で改善を行うのである。その意味では、
| トヨタ的な生産システムをテイラー的な作業標準化の否定とみるのはミスリ
| ーディングであり、もしろ現場を巻き込むという意味での徹底した「民主的
| テイラー主義」とみなすべきだとの指摘もある。ここにおいて重要なのは、
| 例えばクラフト的生産にみられがちな、暗黙知への恒常的な依存ではない。
| むしろ、暗黙知の形式知の間を頻繁に往復することによって、両者を相互
| 強化的に累積していくことである。

 合木の考えでは、「自然な役割分担」についても、組織で少しずつ作業標準
化しさらに改訂していくということを繰り返していくプロセスを持つことが重
要でこれにより組織全体がそれに関する高い能力をもった自律体として育って
いくのではないかということです。(あと、XPではこういう作業標準をどの様
に扱うのかという辺りは勉強不足で見えていないので私個人の整理したい課題
と思っています。)

 上記引用部分で、特に重要と感じるのは、再度引用しますが、次の部分と感
じています。作業標準ではなく、この仕掛けがうまく作れればそれでも良いと
も思っています。

| むしろ、暗黙知の形式知の間を頻繁に往復することによって、両者を相互
| 強化的に累積していくことである。

ではでは。
--
 Shigeru Gougi  < mgougi@....com >
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