赤坂さん、こんにちは。
合木です。
On Mon, 25 Aug 2003 13:18:18 +0900
Hidehiko AKASAKA-san wrote:
:
> > なんというか、大きなレベルで考えるのは図のほうが楽ですが、ある程度細かくなると
> > TDDのほうがずっと楽というイメージを受けました。図だけで考えていると、コードを
> > つくったことを想像するのですが、実際つくるとそんな上手くいかなかったことが
> > 多かったように思います。
>
> そうですね。モデルと実装のギャップは、私もしばしば経験します(^^;;
「能力構築競争 藤本隆宏 中央新書」では、「創発」といっています。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4121017005/of-22
p174
| 「創発」とは耳慣れない言葉かもしれないが、要するに、何か新しいシステムを
| 作ろうとする当事者が事前に思い描いた計画や意図とは違う形で、そのシステムが
| 出来あがっていくことを指す。
で、次のようにも書いています。
p194
| 他社に先んじて組織能力を構築する能動的な組織能力、つまり進化能力を考える
| 必要がある。それは具体的にはどのようなものであるか。
| 第一に、能力構築に長けた企業は、競争合理的な発想と行動が企業の隅々にまで
| 行き渡った企業である必要がある。しかし、創発的な状況、つまり「霧中の山登り」
| を想定した場合、事前合理的な意思決定能力だけでは不十分である。もっと広い意味
| での合理性が組織に浸透している必要がある。それは、「運を実力に転換する能力」
| 「失敗から学ぶ能力」「怪我の功名をきっちり活かす能力」「意図せざる結果の意味
| を後付でしっかり認識する能力」などである。能力構築をある種の「組織学習」と
| 捉えるならば、それらは総じて「何がおこっても結局学習してしまう組織の能力」で
| ある。
| 繰り返すが、筆者は、企業の合理性を否定していない。ただ、創発的な能力構築で
| 他社に先んずるためには、狭い意味での事前合理的な意思決定能力だけでは不十分だ
| ということである。それに加えて、競争合理的でない理由で何かを選んでしまった
| 後でも、それなりに何とかして競争力に結びつける、事後的な学習能力が必要である。
| 正確な地図を作って山に登るだけでなく、地図をなくしても、迷子になっても、
| 何とかしてしまう能力を備えていなければならない。
XPとは少し違うのは、「事前合理的な意思決定能力」を「正確な地図を作る」として
いるところですが、それは必ずしも重要でなく、進化に重要なのは「事後的な学習能力」
のほうだと言われていると思います。
> 私が問題にしたいのは、この時間の無駄を省略しても
> 自然な役割分担が出来る様に育つのかどうかという点だったりします。
上の引用したところから考えると、「事後的な学習能力」を持っているかどうかに
掛かっているように思います。
また、以前赤坂さんが引用してくださった下の部分よりもさらに深層の能力でなかろ
うかとも思います。つまり、「事後的な学習能力」があって初めて下の能力が育ってい
くのではないかということです。ちなみに、「役割(責務、責任)分担」は、「卓越し
た技術スキル」に入るのでしょうね。
> [均衡を保つ]
> ・綿密さと柔軟さのバランスを取るための判断力が必要
>
> [メンバーに求めるスキル]
> ・卓越した技術スキル
> ・非常に鋭い判断力
> ・即興で対応するテクニック
> が求められる。
>
--
Shigeru Gougi < mgougi@....com >
http://www.wingnest.com/gougi/