牛尾でございます。
先ほどの「ソルトレーク・適当レポート」その2です。
今度は話題のファシリテータのセッションです。まとめるのが
難しかったので、まとまっていません。訳もやはり適当。すみません。
でも一応送ります。
私も思わず日本に帰ってからファシリテータ本を買って読んでみました。
なんでも一般的に行われている現在の会議は19世紀のそれが
今も改良されることなく行われてるとのこと。
早速わたしもやってみたぃ〜。
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Collaboration for Agile Projects
Janet Danforth, Facilitator4Hire Inc.
このアジャイルカンファレンスは本当に
凄いところです。なにせ、有名な人があたり
前のようにごろごろと、、、
おばちゃんのような服を着たロン・ジェフリーズ
素人につっこまれまくる、ワード・カニンガムと
結構美人なその娘さん。廊下で普通に話しかけてくる
ポッペンデックさん、そして卓球も強かったアリスター
知らない人に声を掛けても、それぞれががんがんアジャイル
をやってる人ばっかりで本当に刺激的でした。
その他にも有名な人が居すぎて、ここに書けないぐらいです。
さてさて、今回のレポートですが、平鍋さんもMLで
流していた「ファシリテータ」の方のセッションでした。
おばちゃんでとってもパワフルな人でした。米国では既に
アジャイルのカンファレンスでは単なるアジャイルの説明
じゃなくて、もっと突っ込んだ内容に行っていることを示す
いいセッションでした。このセッションでの説明の主眼は
「アジャイル会議スタイル」とでもいうようなものでした。
メインの内容だった、会議スタイルの実践の仕方を報告したい
と思います。会議の流れは以下のようになります。
1.事前準備
・会議の目的
・会議のアジェンダ
・会議はどういう流れになるのか
・会議の時間(終了時間は必ず守る)
は必ず前もって用意しておく。
会議室の壁にそれらを張り出して、そこに、
Grand Rules(この会議のルール)も
書いてあります。また、Parking Lot、
Action Boardといった欄が用意されています。
2.会議の開始
会議が開始になったときに、最初に大き目のポストイット
が参加者全員に配布されました。そして、ファシリテータは
「この紙に、あなたがこの会議に出席する個人ごとの目的を
書いてください」というお話をします。
ファシリテータさんはそれを集めて、「Personal Objectives」
という模造紙にどんどん張っていきます。そして、会議がスタート
3.目的の確認
最初に会議の目的を説明します。
4.会議の進行
会議の進行をするのはアジェンダの順番に沿って行います。
#アジェンダの作り方はしたの適当な訳にあります。
つねに参加者全員が今何をやっていて、次になにをするのかを把握
していることが重要なようです。進行中のポイントとしては、
・会議の目的、アジェンダの質問に関係ないが重要な話が
出たら、その議論をその場でするのではなくて、「ParkingLot」
に書いてはっておき、会議の軌道をもとに戻す
・会議の参加者が多いときは、同じアジェンダの質問を
サブグループに分けて討議して、最後にそれをまとめるように
する。
会議の細かいテクニックは以下のプレゼンテーションの適当な
訳を参考にしてください。
5.会議の最後
会議が終わりに近づいて、最初の目的を達成できたら、Parking Lot
とPersonal Objectivesの処理に移ります。
最初に集めたPersonal Objectivesを一枚一枚とりあげて、ファシリテータ
が参加者に「この目的は達成できましたか?」と聞いていきます。
達成できていれば、そのポストイットは捨てられていきます。
中には目的が達成されていない(ということは会議の本当の目的と
違う場合がおおい)場合はその場で解決するかを検討します。
その場ですぐに回答できる場合は、行い、会議の
後でファシリテータと話をすればいいだけの話か、重要だが、今回検討
されなかった。などを見極めます。
そして、重要だが話しはできていなかった内容に関してはそれが
Parking Lotに移されます。
次にParkingLotの処理を行います。ファシリテータはまたしても
ParkingLotの内容を一つ一つとりあげ、上記と同様処理をしていき
ますが、重要だが、今処理ができないことがあれば、それはActionBoard
に移されて、例えば次回で検討するなどの処置をとります。
このプレゼンテーション自体がファシリテータの会議の
デモンストレーションになっていましたが、なんとも効率が
よく、しかも高濃度のコミュニケーションが図れる気がしました。
もちろんこのテクニックは会議だけでなく、スタンドアップ
ミーティングや、計画ゲームといった開発のさまざまな
「コラボレーション」の場面で活用することができると思います。
私もよくある長時間のだらだらして何も実がない会議がとっても
嫌いなたちですが、このような会議だったら、大変有効になると
感じました。
全体のカンファレンスを通じてそうですが、米国では各手法や
プラクティスに関心があるのではなくて、その一歩先を行ったところ
に既に注目が集まっている気がしました。ただ、米国だと、日本より
はましっぽいですが、やってる人も困難がないわけではなくて、
やはり向こうの人も「今のプロジェクトはめちゃウォータフォール
でうんざりやで」と言ってる人もあり、困難がないわけじゃなけど
がんばっているような雰囲気でした。
来年は是非日本からこのカンファレンスに情報発信したいと思います。
最後に一応プレゼンテーションの一部を適当に
訳したものをつけておきます。言うまでもありませんが、
訳は適当なので、責任は持ちかねます:-)
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■ソフトウェアプロジェクトのコラボレーションを
リードするためには?(ファシリテータから学んだこと)
−他人に影響されない意思決定環境を提供する
すべての参加者が情報提供をしてフィードバックを
受けるようにする
−決定をするまえにデータを集める
−結果ベースの決定を行う
チームはすべての決定ができて、すぐ実行にうつせない
といけない
■3つのタイプのコラボレーションイベント
1.スタンドアップ/進捗のイベント
・リーダーがリーディングする
・報告をする
・目的は問題解決ではなくて、問題を共有すること
2.ワークセッションイベント
・チームが中心で自然と流れができる
・計画を立てたり、問題解決を行う
・目的はアウトプットを出すこと
3.不要なイベント
■うまくイベント(会議)をやるには
・適切な人が出席していること
・イベントの目的やプロセス
・適切なスタッフ(状態やものの集まり
イベント、アイデア、何かの内容などの総称)
#すんません。スタッフの適当な訳が思いつきませんでした。
・組織のツール(いわゆるツールではなくて方法、ルールに近い)
・時間が設定されて守られていること
・イベントが適切なレベルにブレイクダウンされていること
・出席者すべてが次に何が起こるか知っていること
■ワークセッションの成果物
・自然な流れに任せる
−プロセスを提供する。内容を提供するわけではない
・最初に決められた目的を実行する
・コラボレーションとコンセンサスがベース
・アウトプットを作れる人を含むこと
■XPのコーチの例
KentBeckさんいわく「XPはコーチを雇う。彼はチームがコミュニケーション
してないことを気づかせてくれたり、仲間がいることを認識させて
くれる。」
・コーチ(リーダー)にプロジェクトのすべての決定をさせる
わけではない
・チームメンバー全員によい決定をしてもらうような場作りをする
・メンバーが相互に、適切な方法で、適切なときに影響しあえる
ようにする。
■あなたが、ミーティングをリードすべきでないとき
・あなたが非常に重要な知識を持っているとき
(You are a critical knowledge holder)
・あなたがどんなミーティングの結果になるべきかの
意見をもっているとき
・キーになるメンバーとあなたが対立している状態
のとき
■ミーティングの計画のポイント
1.目的
このイベントの最後に何が達成されているか?
#テストファースト
2.アジェンダ
イベントのアウトプットと目的を満たすために
集められた質問のリスト
目的・アジェンダ・期限がないミーティングをすべからず。
■ ミーティングの上手い始め方(訳適当です)
Power Start Your Meeting
・目的
すべての出席者になぜそこに座っているのかを説明する
・WIIFM(What's in it for them)
ミーティングでどんなことをやるか
・権力(Power)
グループのスコープと権利を定義する
・グランドルール
会議のルールを共有する。例外をたずねる
・パーキングロット(駐車場のメタファ)
ミーティングのフォーカスがぶれないように
・アクションリスト
アクションがトレースされるように
・コミュニケーションプラン
どのように結果がコミュニケーションされるか
・コンセンサスの定義
「それなら、私は合意できて、サポートできます」
■アジェンダの作り方
・イベント(ミーティング)の目的を達成するための
質問はなんですか?
・目的を達成する前に必要な質問は何か?
・質問の順番は?
・チームが質問に答えたら、目的を達成するか?
■アジェンダの例
目的:初期リリースの計画決める
アジェンダ:
A. イントロダクション
B. プロジェクトのメタファーの要素には何があるか?
C. それらの要素の関係は?
D. プロジェクトのビジネススコープは?
E. スコープとメタファーが決まったストーリは何があるか?
F. ストーリの影響は
G. ストーリの見積もりは
H. 見積もられたストーリのプライオリティは
I. プライオリティがつけられたストーリの初期リリース日は?
J. クロージング
※I. が目的を満たすための質問。それいぜんの質問が
それを導きだすしつもん
■パワースタート エクササイズ
目的: グループのパワースタートのプラクティスをあげる
・グループのパワースタートのノートをレビューする
・ミーティングの目的とアジェンダを作る
・グループの5つのパワースタートに関して書いておく
・あなたのパワースタートを示す
■パワーアップ クエスチョン
・パワーアップクエスチョンにより、アジェンダのアイテム
のサマリを紹介する
・「想像してみなさい」「・・について考えてみて」「考えよう」
では始まるしつもんをする
例:「このブランドのシステムの最初のユーザになったことを
想像してみなさい」
■参加者の反応を集めるプロセス
2つの基本的なプロセス・・・違うプロセスです
・リストアップ・・・対象の詳細情報を集める
#何がすべてのメンバーの反応か?
・ブレインストーミング・・・思いついたアイデアを
集める
#可能性のあるメンバーの反応はなにか?
メンバーの反応を得たら、これらで解決しよう
・グループ 反応の傾向がわかるとき
# When you need to see trends in responses, or
・プライオリティ付け
When you need to zero in on the top
■プロセスをリストアップする
・チャートやホワイトボードのタイトル
・パワーアップクエスチョンをメンバーにたずねる
・メンバーが話し始めるとできるだけ速くホワイトボードに書く
・パワーオンクエスチョンをたずねる。メンバーがアイデアを出す
ために。
■オプションをリストアップする
パワーアップクエスチョンをたずねて、リストアップする
・あなたが、ボードやフリップチャートにリストアップして、
パワーオンクエスチョンをたずねる
・メンバーが、それぞれ個人、もしくはチームで、ポストイット
のノートやレスポンスを書く
・メンバーがカードに反応を書く
・小さなチームで、すべて同じプロセスする
■ブレインストーミングのプロセス
・ホワイトボードやチャートにタイトルを書く
・パワーアップクエスチョンを初めにたずねる
・言い始めた反応を書き留める
・他になにかない?とだけたずねる。
■ブレインストーミング
・反応をホワイトボードやフリップチャートに
記録する(Never Ever Edit Responses)決してレスポスを編集しないこと
・ブレインストームのセットの時間制限は2−3分
・あなたが何らかの判断を行う
・明確なパワーアップクエスチョンがたずねられたら、
メンバーはどのように反応するかを理解する
・他になにかない?とだけたずねる
■反応(レスポンス)のプライオリティ付け
・誰がプライオリティ付けをするか決める(お客様?関係者?)
・何でプライオリティづけするのか
−メンバーは「重要度」や「最初にやるべきこと」などで
プライオリティを決定する
・プライオリティ付けは
−小さなグループの討議によって
−コンセンサスを得ることで
−複数の投票
によって行われる
■ドキュメンテーションの方法
・ブレイクアウト(breakouts脱獄囚人みたいな意味だが、、、)
やスモールチームを使う。フリップチャートでドキュメント化
−すべてのチームが同じプロセスを行うように指導する
・ポストイットを個人やチームに使う。ファシリテータは
反応のプロセスを行う
・ファシリテータはフリップチャートのリスティングや
ブレインストームの間リスティングする
■ドキュメンテータのルール
・明確にフリップチャートのページにタイトルをつける
・フリップチャートをできた順番に掲示する
・内容を変えずに、議事録を作成する
・10営業日以内にドキュメントをメンバーに送る
・グループが、ドキュメントで何をするのかという計画
をもつようにする(コミュニケーションプランで決めておく)
■チームを正しい軌道に乗せておく
チェックインやチェックアウトが起こったら
・問題の方向性の修正
・少ない言葉より多くの言葉を使う
・触れたり、物理的な表現をおこなう
・Use walking the walls
・ロードマップを読む、何がされて、次に何をするか
・明確な方向性を示す
どこかに行ってしまう人を引き戻す
■「難しい人」を生産的にする
・アブノーマルな行動はノーマルである
・宿題をプレイヤーとやろう
・「難しさ」を取り除く計画をたてる
・君だけのミーティングじゃないんだぞ
・「難しい人」がいたらなにか君にできることがあるはず
■チームデベロップメント…これをノーマルにできる?
・
■宿題をプレイヤーとやろう
スポンサーやキーパーソンにあらかじめ時間をとってもらおう
・誰かがチームを負にもっていってないか?
・過去の歴史や難しさを持った人はいる?
・メンバーに事前に、何が成功した結果かを聞いてみる
・覚えておくように。人々は単に話を聞いてもらいたいし、理解
してもらいたいだけだ。
■難しい人々がいたら、、何かしなさい。
もし、しなければもっと悪くなる。
今まで見たミーティングの難しい振る舞いはどんなの?
■難しい振る舞い
・ささやくひと ・うろつくひと
・遅刻/早退 ・支配したい人
・ドロップアウト ・Mr.ネガティブ
・Put-down Artists ・寝る人
・個人攻撃する人 ・ドアをうるさく閉める人
■ミーティングを成功裏に終了させよう
・Walk the Walls とイベントのレビュー
・問題をパーキングロットに
・個人の目的のリストアップのプロセスを行う
・アクションプランを立てる
・コミュニケーションプランを立てる
・イベントの評価
■問題をパーキングロットに
問題に大して、チームに聞いてみよう
・これはまだ問題ですか?
・もしそうなら、今日解決すべきですか?
・ミーティングのあとで解決できますか?
・もし、そうなら、問題をアクションボードに
移しましょう
■個人の目的のリストアップ
・出席者に「ミーティングにでている目的は
解決されましたか」と聞く
・もしNOなら、この問題をわれわれはこのミーティングで
解決するべきですかときく
・この目的は解決すべきですかときく
・もしYESなら、目的をアクションボードに移そう
■アクションプランの実施
・パーキングロットの問題や個人の目的を「Next Step」
アクションを行う
・それらのアクションに対して責任を持った人(たとえば
問題や目的を持った人)を特定する
・そのアクションの解決の時間を持つ
■コミュニケーションプランの実施
・誰がここで起こったことを知る必要があるメンバーで
あるかをリストする
・何をメンバーが知る必要があるのか?
・メンバーにしらしめるにはどうしたらいい?
・だれが、これらのコミュニケーションに責任を持っています
・いつ、コミュニケーションは終了できる?
■サマリ
・あなたのマーケットを評価しよう
・あなたの問題領域の文化に注意しよう
・アジャイルの価値を思い出そう
・コラボレーションを開発チームの反応に適用しよう
・コラボレーションの計画をしよう
・コラボレーションのためのミーティングを仕様
・結果とともにミーティングを終了しよう
■リソース
Agile Software Development Cockburn Alister
Highsmith Jim Agile Software Development Ecosystems.
Stapleton, Jennifer DSDM Dynamic System Development
Kaner Sam Facilitator's Guide to Participatory Decision
Making
Justice Thomas and David W. Jamieson. The Facilitator's
Fieldbook
以上