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Date:  Fri, 06 Jun 2003 16:01:41 +0900
From:  SEI Hideki (清秀紀) <seih@....net>
Subject:  [XP-jp:04440] Re: コミュニケーション (Re: XP 関連近刊情報)
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <87d6hr7kq2.wl@....net>
In-Reply-To:  <20030606131105k-hamai@....jp>
References:  <53C329EFEA5C05seih@....net>	<20030606131105k-hamai@....jp>
X-Mail-Count: 04440

At Fri, 6 Jun 2003 13:11:05 +0900,
HAMAI Kyoichi wrote:
> [XP-jp:04433] でも書いていますが、書いたからといって伝わるとは
> かぎりません。ったか否か検証する必要はテキストによる
> コミュニケーションでもほとんど減らないように思います。

書いたからといって伝わるとは限らない点は同意します。普通に人
生を歩んでいれば、普通に理解できることですから ;)

私が着目しているのは、口頭でのコミュニケーションでは (えてし
て) 結果だけしか残らず、(本人も他者も) トレーサビリティがな
いことです。

ラッキーパンチを「成功」として捉えると、いずれしっぺ返しがき
ます。どんな結果が得られる (た) にせよ、正しいプロセスを踏ん
でほしいと思っています。そのため、どんな経緯を辿ってその結果
に至ったか本人も他者もトレースできてほしいのです。

また、他者への教育効果もここでは期待しています。他プロジェク
トから学べることは多いはずですが、直接のプロジェクト関係者以
外にそれを得る方法がないというのも効率が悪いと思っています。
人ひとりが一生で経験できることの幅や深さには限界がありますか
ら。

> 正しく伝わりにくいことは、ウォーターフォール開発モデルの根拠となった
> Royceの論文が歪曲されて伝わり、30年以上たっても未だに誤解されている
> という事実が、なにより雄弁に物語っていると思います。

えーと、そういった話を出すまでもなく、

    〈正しく伝わりにくい〉ことがある

ということは世の中一般にあふれていると思いますので、Royceの
論文云々は、ちょっとピンときません。

> ソフトウェアの開発においては、口頭でのコミュニケーションのほうが効率が
> いい場合が多いと判断されたから、XPなどが提唱されたのではないでしょうか。
> ソースという最終的な文書が存在する、ソフトウェア開発では、すばやい
> フィードバックが可能な口頭でのコミュニケーションがテキストによるもの
> よりも効率的な局面は少なくないように思います。

これは、ソフトウェア開発の成果物であるソースコードが高いトレー
サビリティを持っているからなのかなと理解しようとはしています。

とはいっても、AとBの2つの選択肢がある局面で、Aを選んだことを
後から「成功だった」「失敗だった」と検証したり学習したりする
ためには、AとBの選択肢があったことが記録されていないと、検証・
学習できません (コメントアウトされているのかもしれませんが)。

そのあたりのやりとりを当事者間だけで理解・納得・継承・伝承す
るのを、私はもったいないと思います。

-- 清