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Date:  Tue, 18 Mar 2003 00:06:46 +0900
From:  Hirohide Yazaki <firo@....jp>
Subject:  [XP-jp:04233] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030317232318.B816.FIRO@....jp>
In-Reply-To:  <iss.13de.3e648883.26c42.1@....com>
References:  <20030225211351.F1F3.FIRO@....jp> <iss.13de.3e648883.26c42.1@....com>
X-Mail-Count: 04233

矢崎です。

リプライ遅くなりすみません。

On Tue, 4 Mar 2003 20:04:00 +0900
HAMAI Kyoichiさん <k-hamai@....com> wrote:

k-hamai> [XP-jp:04023]で「成中」ということに言及しなかったのは、「戦略と戦術
k-hamai> との混同」に私の関心があり、言及するほどのことはないと思っていたのと、
k-hamai> 『孫子』を充分に読み直していなかったので、「成中」と明言できるほど
k-hamai> ではなかったためです。

私は[XP-jp:04022] で特に成中という文脈で語っていないですし、濱井さんも
その時点([XP-jp:04023])で成中という点からの反論でなかったとすれば、
何故私が「戦略と戦術を混同している」とおっしゃったのでしょうか?もう一度
その論拠を教えてください。

k-hamai> 「戦略と戦術を混同しているように思います」を否定したつもりはありません。
k-hamai> 私が言ったのは、矢崎さんが戦略と戦術を混同しているという意味です。
k-hamai> 「水に象る」の解釈と「戦略と戦術との混同」とは別々に成り立ち得る問題
k-hamai> です。

私が[XP-jp:04104] で申しているのは、「次に2ですが」と書いていることから
も明らかですが、孫子の解釈についてです。つまり”わかりやすく”書くと濱井
さんは
・「水に象る」の解釈として矢崎は戦略と言っているがそれは間違っている
とおっしゃったけれど、その後
・そもそも「水に象る」には戦略という意味も戦術という意味もなかった
と説明しなおされているので、私の「水に象る」の解釈について、戦略と戦術を
混同している、かどうかというのはもう意味がないですよね、といいたいわけで
す。

濱井さんがおっしゃりたいことは、「水に象る」の解釈からは離れての議論だと
思います。つまり、私が成中において”も”、戦略は変更できる、と言ってい
ることに対して、それは戦術と戦略を混同している、とおっしゃりたいのだと思
います。ただ、それは、おおもとの議論とは別の議論ですよね、ということです。

k-hamai> 
k-hamai> 
k-hamai> >対して濱井さんは[XP-jp:04023]で以下のようにかかれているとおり
k-hamai> >
k-hamai> >k-hamai> 戦略と戦術を混同しているように思います。
k-hamai> >(略)
k-hamai> >k-hamai> 敵や環境に合わせ、定まった手が存在しないのは戦術だと思います。
k-hamai> >戦略は変化しない、と主張されています(少なくとも冒頭の私の質問にきちんと
k-hamai> >ご回答いただけなければ私はそのように考えざるを得ないです)。
k-hamai> 
k-hamai> 変わらないと言っているのは、「基本戦略」です。戦略が変わらないとは
k-hamai> 言っていません。

え、おっしゃっているでしょう。なぜなら私が戦略と戦術を混同している根拠と
して、[XP-jp:04023]においいて、 変化するのは戦術だからだ、とおっしゃって
いるではないですか。

それとも、基本戦略は変化しない、だから戦略が変化するという矢崎の説はおか
しい、でも私(濱井さん)は戦略は変わると主張する、とおっしゃりたいのでしょ
うか?矢崎が戦略は変化すると言っているのは間違っているが、それでも戦略は
変化する!

k-hamai> >次に2)の「成中」に戦略は変わるかどうかですが、私は成中であっても状
k-hamai> >況が変化して最初に立てた戦略がうまくいかなくなったら積極的に変えるべきだ
k-hamai> >と思います。変えるのは、別の戦略を立てて再度勝ちにいく、ということもある
k-hamai> >でしょうし、場合によったら、負けないため、あるいは負けをできるだけ最小に
k-hamai> >押さえるため、と、そのときの戦争の進み具合や状況によるでしょう。いついか
k-hamai> >なる場合においても単なる「後始末」にならざるを得ないとは考えません。
k-hamai> 
k-hamai> 「逆効果」とか「傷口を広げる」とかいうことが考慮されていないように
k-hamai> 思います。事前に充分な準備のできる段階で正しい判断ができなかったのに、
k-hamai> 実施にも判断にも厳しい時間的な制約のある状況で正しい判断を下せる可能性
k-hamai> は低いでしょう。

それは濱井さんの考えですよね。前にも書いた通り、おたがい別の考えを述べ合っ
たところでもう平行線にしかならないので、戦略についての考えを述べ合うのは
やめにしたいと思います。

k-hamai> そういうことを言っているのではなく、「メンバが大幅に入れ替わる」という
k-hamai> のはXPが前提としている戦略が成り立たないということだから、XPの
k-hamai> プロジェクトでは、「メンバが大幅に入れ替わる」ようなことが起きないよう
k-hamai> にしろと言っているのですが。

だったら、もしなんらかの理由で「メンバが大幅に入れ替わる」という事態が避
けられなくなったとして、それでも濱井さんはXPが前提としている戦略を、採
用しつづけるのでしょうか?

私は、メンバが入れ替わることを是としているわけではないし、他の状況が変わ
ることを無条件に歓迎しているわけではないですが、もしそのような状況になっ
た場合に、あえてそれに適合しない戦略をそのまま保持する必要があるのか、と
言いたいのです”が”(^^;)。

あるいは、濱井さんぐらいになれば、予測も万全、また自分の思いどおりになら
ないような事態には絶対ならないような方法論を持っているということでしょう
か。

k-hamai> 不利な戦略に拘っているのではなく、戦略の破綻はプロジェクトの破綻だから
k-hamai> 戦略が破綻しないようにしろと言っているだけです。プロジェクトが破綻
k-hamai> したら基本的にあとはどう後始末をつけるかだけです。

これは私は(ずーとそう言っていますが)そうは思わないですね。特に最近の戦
略立案の分析アプローチに対する批判などの話を読むと、最初から完璧な戦略を
立てるという発想そのものが、旧式のような気がします。

k-hamai> 後から変更して間に合うのであれば、先に準備すべきではありません。先に
k-hamai> 決定すべきではありません。準備したモノが無駄になるからです。YAGNI原則
k-hamai> はXPだけのものではないです。

YAGNIが戦略立案にも適用されるのでしょうか?うーん。本当にそうなんで
すか?濱井さんの個人的お考えでしょうか?

k-hamai> 
k-hamai> 必要になってから勉強して間に合うのなら、デザイン・パターンだろうが
k-hamai> 何だろうが、必要になってから勉強すれば良く、前もって勉強しておく
k-hamai> 必要などありません。前もって会社の費用で教育するなどお金の無駄遣い
k-hamai> です。必要になってからでは間に合わない可能性が高いからこそ、前もって
k-hamai> 勉強しておくのです。前もって教育しておくのです。

お勉強と、戦略立案を同じ次元で考えるのは違うのでは?