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Date:  Fri, 21 Feb 2003 22:06:20 +0900
From:  hiroki kugimoto <kugimoto@....jp>
Subject:  [XP-jp:04092] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030221205600.4FB1.KUGIMOTO@....jp>
In-Reply-To:  <20030204152354.67C8.M-GOMI@....com>
References:  <20030204152354.67C8.M-GOMI@....com>
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釘本です。
五味さん、皆さん、新幹線の中からこんにちは。

今新幹線の中でやる事もなく、H"も繋がり難いので、過去のメールを読み返して
いました。
五味さん、ちょっと気付いた事があるので書きます。


On Tue, 04 Feb 2003 15:26:06 +0900
Gomi Masuo <m-gomi@....com> wrote:

> 歴史上、取り巻く環境が変化しているにもかかわらず戦略を柔軟に変更しなかった
> ために破れた実例は枚挙にいとまがありません。旧帝国海軍しかり、戦国時代の武田家しかりです。
> 
> 
> 「水は高いところから低いところに自然に流れていく。常に一定の形をしている訳ではない。
>  地形に従って水が流れを変えるように兵の形も状況に応じて変わるべきである。」
> というのが、孫子のいう「兵の形は水に象る」の意味です。
> ここでいう「兵の形」が、「戦略」あるいは「戦略」を含むものと解釈できるか否か
> と言う問題ですが、これはYESです。
> 
> 孫子に出てくる「兵」という言葉は「戦略」も「戦術」も「政略」も「作戦」もあらゆる
> 軍事用語を包含し、大は「国家」から小は「個人」に至るまでを抽象化した言葉です。

上記に引用した、五味さんが書いて下さった孫子の「兵の形」のお話は、現代企
業の経営資源管理についての話と同じですね。
組織論(人の管理と組織化)+その他の資源配置みたいな。
・計画する
・組織化する
・命令する
・調整する
・統制する
という、経営管理そのものです。
読み返してハッと気付きました。

> 「水は高いところから低いところに自然に流れていく。
> 常に一定の形をしている訳ではない。
> 地形に従って水が流れを変えるように
> 兵の形も状況に応じて変わるべきである。」
とは、戦略か戦術かなんて後付けでされるであろう評価は関係なく、先入観を排
して虚心ですべき事を判断し速やかになせ、という事でしょうか。
確かに哲学的で奥が深い。でも全く実利的で現代でも一級のマネージャー論ですね。

> 孫子に出てくる「兵」という言葉は「戦略」も「戦術」も
> 「政略」も「作戦」もあらゆる軍事用語を包含し、
> 大は「国家」から小は「個人」に至るまでを抽象化した言葉です。
なるほどなるほど!やっと判りました。
戦略的意思決定と戦術的意思決定の区別にこだわるな、過去の意思決定によって
配置済みの資源の再配置や、定義済みプロセスの変更、既に動いている組織の再
定義などに当たって躊躇するな、という事ですね。
それってある面からはBPRそのものじゃないですか。
しかもそれ以上の事も言っている。すごい。


・・・っていうかプレジデント読んでる社長さんたちは皆たぶん無意識のうちに
正しく読みこなしてますね、この点(笑)
私には発見でした。
改めて参考になりました。五味さん、どうもありがとうございます。

結局、経営管理は軍隊で発展したすばらしい考え方を借りてるっていう誰でも知っ
ている事の再発見でした。
野中郁次郎なんか、日経文庫の後書き読めばそれ書いてた頃は防衛大学で教えて
たんだもんなぁ
・・・ん!?
そういやこの話って野中郁次郎の日経文庫の「経営学入門」みたいなタイトルの
本の最初かあとがきかに書いてあったかも。読み返してみます。

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釘本浩樹
<kugimoto@....jp>
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