Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Tue, 04 Feb 2003 01:25:09 +0900
From:  Hirohide Yazaki <firo@....jp>
Subject:  [XP-jp:04058] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030203234855.DA70.FIRO@....jp>
In-Reply-To:  <iss.2bc0.3e3e2bf9.7f7b6.1@....com>
References:  <20030129194952.03F5.FIRO@....jp> <iss.2bc0.3e3e2bf9.7f7b6.1@....com>
X-Mail-Count: 04058

矢崎です。
リプライありがとうございます。

On Mon, 3 Feb 2003 17:44:28 +0900
HAMAI Kyoichi さん<k-hamai@....com> wrote:

k-hamai> >[XP-jp:04025] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
k-hamai> >で私が述べているのは、
k-hamai> >・「基本戦略」はよくわからないが「戦略」は変化する。
k-hamai> >・敵や環境に合わせ、定まった手が存在しないのは、戦術だけでなく戦略もであ
k-hamai> >る。
k-hamai> >・ゆえに、「兵の形は・・・」の「兵」とは、戦術だけではなく戦略も含まれる。
k-hamai> >です。
k-hamai> 
k-hamai> 戦略は、戦闘の基本的な枠組みとなるものなので、成中に変化させるのは、
k-hamai> まず不可能です。

ごめんなさい。ちょっと教えてほしいのですが、、、
「”成中”に戦略を変化させる」という話は、このスレッドのどこから出てき
たのでしょうか?議論は「成中に戦略を変化させることが可能か否か?」でしたっ
け?

この議論の元となった
[XP-jp:04021]で紹介されているピーターコードの論文、や、同じくその投稿で紹
介されている[XP-jp:04012]や[XP-jp:04014]の記事内容、あるいは私が投稿した
[XP-jp04022][XP-jp04025][XP-jp04040]それに対する濱井さんの投稿、また孫子
の「水に象る」の解釈のどこにも「”成中”の戦略変化」が議論のメインテー
マである個所はないと思うのですが、私間違ってます?

敵や環境のことを考えるのは成中の話であって、戦闘を開始する前には、そん
なことは考えたりしない。ということでしょうか?

「成中に戦略を変えることができるか否か」は別にして、私はもっと一般的な
話として戦略も状況に応じて変化すべしと「水に象る」は解釈できるのでは?と
主張していたのですが、濱井さんは、コードの論文、[XP-jp:04012]、
[XP-jp:04014]等全て”成中”の”戦術”の変化の話として考えられていた、と
いうことでしょうか?

k-hamai> 例えば、XPにおいて「変化ヲ抱擁セヨ」という言葉どおりあらゆる変化を
k-hamai> 受け入れるというわけではありません。XPにおいて想定している「変化」は、
k-hamai> 仕様の変化や納期の延長、短縮のような変化であり、開発メンバが大幅に
k-hamai> 入れ替わるような「変化」に対してはXPは不向きです。このような変化に
k-hamai> 対しては、むしろ、従来の重量級プロセスの方が適切です。

開発メンバが大幅に入れ替わるというような話は出ていないと思いますが、どう
でしょう。

XPの「変化を抱擁せよ」の話もしていないと思います。[XP-jp04012]では「プロ
セス自体も'変化ヲ抱擁スル'のやね。」とかかれていますが、これはXPのオリジ
ナルの「変化を抱擁せよ」の話ではないわけだし。

また、XPの向き不向きの話をしていたわけでもないと思うのですが、いや、むし
ろXPが不向きなケースがあるという話だといってもいいかもしれません。1つの
プロセスに拘泥することは愚かしいという話です。コードの論文では、XPも開発
プロセスの1つであり、絶対的なものではないと書かれているし、[XP-jp04021]
で濱井さんも同じように主張されていますよね。それともコードも濱井さんも、
XPは開発プロセスではないという前提でかかれている、とのお考えでしょうか?

ところで「開発の途中でプロセスを変更させる」のは「成中」の「戦略」の変
化?それとも「戦術」の変化、どちらでしょう?

k-hamai> 
k-hamai> XPは、ドキュメントよりも動くソースと開発メンバの知識を重視する*戦略*
k-hamai> をとっているということです。この戦略を開発中に変えては、XPとは言えない
k-hamai> でしょう。それ以前にまともなソフトウェア開発ができないでしょう。

XPという*戦略*の是非や、それが何かという話をしているわけではないですよ
ね。また、XPといえるかどうか、という話をしているわけでもないですよね。開
発中に戦略を変えていいかどうかという議論をしているわけでもないですよね。

先のブロックと関係しますが、もし従来の重量級プロセスという*戦略*が適切
な状況であれば(そういう状況がある、と濱井さんは書いていますよね)、その
戦略を、成開始前に(私は異なる意見ですが、ここではとりあえずそうしてお
きましょう。成中か否かは、メインテーマではありませんので)とるのが正し
いでしょう。あるいはFDD、SCRUM、Crystal、RUP、Adaptive、社内標準、その他
なんでも、その状況に応じて、”成開始前”に最も適切な戦略をとるのが正し
いでしょう。だって、それが最も適切だからです。それとも適切でなくてもXPを
常に採用するというのが、コードの主張あるいは濱井さんのご主張なのでしょう
か。

私はXPも含めて、どのような*戦略*であっても、どのような状況でも正しいと
いえるものはないとの考えから、その状況に応じた正しい戦略をとることが、
(システム開発を含む)戦争に勝利を収める(絶対かどうかは別として)条件だ
と思う、と(これだけを)言いたいわけです(さらに、水に象るもそのように解
釈できるのでは、と言いたいわけです。”成中”に戦略や、開発メンバを変え
るという話は、一度もしていないし、このスレッドで濱井さんとのやりとりで、
そんな話が出たことはないと思うのですが、間違ってますでしょうか?)。

で、濱井さんは、[XP-jp:04023]において成中か否かにかかわらず、戦略は変
化しない、変化するのは戦術だ、とおっしゃっていると私は解釈しています。間
違っていたらご指摘お願いします。

したがって、私の考えでは、議論のポイントは、(成中という限定子をつけな
い一般的な文脈において)「状況に応じて戦略は変化させるべきかどうか」とい
うことと、「孫子の「水に象る」の「兵」の意味は、「戦略」あるいは「戦略」
を含むものと解釈できるか否か」の2点であると思うのですが、いかがでしょう。

[XP-jp:04023]では、既に「成中においては」というコンテキストの中での主
張だったのでしょうか?だったら、2人の議論は前提が違うので、かみあわない
わけですね。しかし、もしそうだとすれば、あの内容からだけでは、私には読み
取れなかったです。