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Date:  Thu, 30 Jan 2003 13:01:32 +0900
From:  石橋 和洋 <ishibashi.kazuhiro@....jp>
Subject:  [XP-jp:04049] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20030129174826.4CC6.ISHIBASHI.KAZUHIRO@....jp>
In-Reply-To:  <20030129042742.183D.SHIMADEN@....jp>
References:  <iss.7276.3e349a71.973ae.1@....com> <20030129042742.183D.SHIMADEN@....jp>
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こんにちは。

いしばしと申します。
XP-jp MLの投稿は始めてかもしれませんが、よろしくお願いいたします。


本論とは無関係かもしれませんが、戦略と戦術の議論を読ませて頂き、
色々と考えてみました。まだ考察が足りないかもしれませんが....


殴り書きで決して良い文章とは言えませんが、如何なものでしょうか?

(本質的には、これまで方々が主張されている事とあまり変わらないと
思います)

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戦略・戦術は、時間的・空間的に閉じた系における解を探索する為の方法論およ
び方法自身である。対象とするのは、多数のノードからなる複雑系である。

戦略とは、全体のパターンから解を探索するトップダウン手法およびその解であ
り、[その系に限っては]場所・時間によらない普遍的なもの(を探索する行為)で
ある。

戦術とは、個々のノードの瞬間瞬間から解を探索するボトムアップ手法およびそ
の解であり、状況・タイミングによって変化するものだ。

従って、戦略は長期的にブラッシュアップされる全体の行動原理となり、その収
束は遅いが系全体に普遍的である。
一方で、戦術は固定された行動原理である(収束は一瞬)が、状況とタイミング
によって価値が変わってしまう為、状況にあわせてこれをリアルタイムに切り替
える事が重要となる。

※ 戦略が緩やかに収束するのに対して、戦術は急速に収束するのは、戦術の試行
を行なうノードは大量に存在する(ノードの数だけ)のに対し、戦略を試行する
ノード(全体の事)は常に一つしかないからである。

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気をつけなければならないのは、戦略の普遍性は、「閉じた系」における限定的
な普遍性であるという事である。外的作用により(または気が付かない内的要素
の変化により)コンテキストが変れば変ってしまうのだ。

一般に、部分は、さらに全体となりうる。
例えば、戦争の全局面における部分とは、「隊」レベルであろうが、隊どうしが
衝突して発生した局地戦闘においては、隊が「全体」となる。
従って、戦略と戦術は、視点(何を全体と見るか)によって変わる。

しかし、この場合に気になるのが一方で一瞬に収束するといっていた物事が、一
方では全体に普遍性をもつものに変わってしまう事だ。

この齟齬は、時間的な広がりの違いの為に生じる。
収束の速さは、全体の時間によってその感覚は変わる。

国家の視点におけるタイムスライスが「月」であり、全体が「年」単位であると
するならば、局地戦闘のタイムスライスは「日」であり、全体はせいぜい「月」
であろう。そのような違いによって、「収束の速度が早い遅い」の感覚は変わっ
てしまう。
つまり、局地戦における全体の時間は、国家の視点では一瞬に過ぎない。


結論としては、ある物事が戦略か戦術かという問いは意味を成さない。
設定された問題に対して「戦略」、「戦術」が定義されるのであり、物事がそれ
固有に「戦略」もしくは「戦術」であるわけではない。

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....のではないか、という考察です。

以上です。