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Date:  Fri, 24 Jan 2003 07:53:03 +0900
From:  hiroki kugimoto <kugimoto@....jp>
Subject:  [XP-jp:04027] Re: 記事紹介  : ピーター・コードが語る開発プロセスの選び方
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横から割り込み大変失礼します。釘本と申します。

こないだ「戦略」という言葉が大好きな人が多い中小企業診断士2次試験という
のを久しぶりに受けて合格しました。個人的な事ですがちょっぴりハッピーです。

とっても久しぶりに覗いてみると戦略論が・・・
「戦略」という言葉に反応しちゃいます。


> 例えば会社の戦略などでは、教科書的にいえばSWOT分析をやったりBCGマトリク
> スを使ったりして、これからどの分野に力をいれ、どの分野から撤退するか、会
> 社全体の事業ポートフォリオを決める、そのためにどのようなリソース(人を含
> む)をそろえるか等が戦略というものだと思うのですが、正確な情報を得る、と
> か、兵力をそろえるとか、っていうのは、ちょっとベーシックすぎて戦略という
> ほどのものなのでしょうか?それともベーシックだから、あえて基本戦略と呼ぶ
> のでしょうか。ならば、基本でない別レベルの戦略はあるのでしょうか、それと
> も基本戦略以外は戦略にあらず、それらは戦術である、ということでしょうか。
> 
矢崎さんが疑問を呈してらっしゃるように、私にも濱井さんのこのご発言は戦略
と表現するのはおかしいと感じました。

「戦略」「戦術」といった言葉は、実際ことばですので自分専用とかごく身近な
仲間内でならばどう使っても自由だと思います。
しかし一般的に、多少なりともビジネスに関連しての議論(特に公開の議論)で
使う場合、これらの言葉が指しているシニフィエは経営学で言う「戦略」「戦術」
という言葉が指し示している意味概念と考えるべきと思います。
孫子を訳すにしてもそのニュアンスに気をつけるべきです。英語を日本語に訳す
時だって、漢語を使う場合だともともとの中国語の意味に気をつけて選ぶべきで
しょう?

※あくまで私の言葉の使い方だからそんな経営学での勝手な言い草なんてしらん
よ、なんて言われてしまうると「そうですか・・・(スゴスゴと退散)」、って
事になるんですが。


k-hamai>  ・正確な情報を得る
k-hamai>  ・充分な兵力を揃える
k-hamai>  ・充分な補給を調える
k-hamai> 
k-hamai> といった基本戦略はいつでも同じです。

これらは(普通のビジネスの場で借用される経営学的な意味での)戦略ではあり
ません。

「正確さ」や「充分さ」というのは、ある行動形式(=戦術)を想定したときに
決まる相対的な尺度でしかないと思います。つまりこれらを追い求めるのは、戦
略レベルの意思決定が行われて決定した具体的行動目標に対する日々の活動にし
か過ぎません。

例えば、
通常の成方法を想定した場合、「充分な」兵力も「充分な」補給も我が軍には
無理である、よって先手必勝の電撃戦で相手を叩く!(信長の桶狭間)
・・・というようなもっと大枠での思考を、「戦略」と表現するのが普通です。

そして上記の例だと、戦略レベルの意思決定によって、今川義元の2万5千の大
群を破るのに信長の2000の軍は「充分」な兵力に変化した訳です。だって実
際破ったんですから。
戦略というものは普段の工夫や努力の話ではなく、普段の価値基準のモノサシを
一変させるほどの根本的なものです。


> 私の戦略という言葉に対する解釈が間違っているかもしれませんが、そもそ
> も戦略という言葉に対する定義が濱井さんと私とで異なっていれば、議論はかみ
> あわないかもしれませんね。

失礼な言い方になって恐縮ですが、矢崎さんのご認識は大変的確と感じました。


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T釘本浩樹
<kugimoto@....jp>