濱井です。
2002/10/16 20:31:20 +0900にnomayuzo@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>手段と目的は、本当にきれいに分離することができるものなのでしょうか?
>また、無理に分離して、手段を目的に従属させることは正しいことなのでしょう
>か?
重要なものなら、目的と手段とはきちんと区別すべきです。重要なもの
でなければ、区別できていなくても支障ないでしょう。
>「企業の目的」が「利潤の追求」であるとしたら、「社員への福祉」や「市民社
>会への貢献」は、偽善に満ちた「手段」にすぎないものなのでしょうか?
「手段」にすぎないとは思いますが、「偽善に満ちた」という見方は
間違いだと思います。
少なくとも私は、他人が喜ぶのを見るのが嬉しいという「利己的」な理由で
善行を行うことを偽善だとは思いません。企業の評判を高めようとすること
自体は偽善だとは思いません。
>アメリカ企業の粉飾決算問題など、TOC的な考え方を悪しき形で徹底化する中で出
>てきたとは考えられないでしょうか?
「悪しき形で徹底化」というのなら、何に関しても言えることでしょう。
宗教を「悪しき形で徹底化」した例が、WTCビルへのテロでしょう。
それこそ。
>しかし、この考え方は一面的に過ぎた、人間性の真実に基づかない議論のように
>思われます。
>
>このような極論は、知的刺激を与え、議論を活性化させるには役立ちますが、度
>を過ぎるのは考え物です。
が当てはまるのでは。
>それはさておき、「手段」には、それ自体の意味や価値が内在していると思いま
>す。それに淫することはよくない結末を招くことが多いのですが、中庸とバラン
>スを心がければ、むしろ「目的」にもかなうことが多いと思います。
重要なものなら、目的と手段とはきちんと区別すべきです。なぜならば、目的
を達成する手段は通常複数あるからです。同じ目的を達成する全く別の手段
により、これまでの手段が駆逐されてしまうことはままあることです。
>XPの真の価値は、単に生産性向上に寄与するということではなく、一般にそれと
>矛盾するかのごとく考えられがちな、プログラマの生き甲斐レベルの向上と両立
>させるという面にあると思っています。
やる気ややり甲斐といったものが、生産性を大きく向上させるということは、
ソフトウェア開発だけでなく、工場労働などでもかなり以前から知られていた
ことなんですが……。