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Date:  Wed, 16 Oct 2002 20:31:20 +0900 (JST)
From:  野間 雄三 <nomayuzo@....jp>
Subject:  [XP-jp:03839] Re: 無意味なソフトウェア開発生産性の計測
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20021016113120.18191.qmail@....jp>
In-Reply-To:  <20021016123031C.mika@....jp>
X-Mail-Count: 03839

はじめまして。
野間というものです。

 --- mika@....com からのメッセージ:
> みかまま、こと大月@佐賀大学です。
> 
> まず、言っておきますと、
> 「ソフトウェアの生産性」を「企業の目的」とするのはナンセンスであると思
> います。
> 

このあたりの議論を興味深く拝見させております。
基本的には、手段と目的とを取り違えるのは愚の骨頂であると、個人的にも思っ
ているのですが、実際の現実に即してじっくり考えてみると、やや異論がありま
す。

手段と目的は、本当にきれいに分離することができるものなのでしょうか?
また、無理に分離して、手段を目的に従属させることは正しいことなのでしょう
か?

「企業の目的」が「利潤の追求」であるとしたら、「社員への福祉」や「市民社
会への貢献」は、偽善に満ちた「手段」にすぎないものなのでしょうか?

マルクス主義者なら、YESと答えることでしょう。

しかし、この考え方は一面的に過ぎた、人間性の真実に基づかない議論のように
思われます。

このような極論は、知的刺激を与え、議論を活性化させるには役立ちますが、度
を過ぎるのは考え物です。

アメリカ企業の粉飾決算問題など、TOC的な考え方を悪しき形で徹底化する中で出
てきたとは考えられないでしょうか?

それはさておき、「手段」には、それ自体の意味や価値が内在していると思いま
す。それに淫することはよくない結末を招くことが多いのですが、中庸とバラン
スを心がければ、むしろ「目的」にもかなうことが多いと思います。

むろん、必ずそれが実現するというわけではないし、中途半端はかえってよくな
い場合が多いでしょう。

XPの真の価値は、単に生産性向上に寄与するということではなく、一般にそれと
矛盾するかのごとく考えられがちな、プログラマの生き甲斐レベルの向上と両立
させるという面にあると思っています。

つまり、中途半端にバランスをとるのではなく、両方を極端にまで追求するとい
うところでバランスをとろうとしているのが、革新的なのだと思います。

タフでなければ生きられない。優しくなければ生きている値打ちがない。

また、両方を真剣に追求しないような方法論では、存在の法則に反し、無理を重
ねたあげくに破綻していくのではないでしょうか?


_/_/_/   野間 雄三

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