濱井です。
2002/10/15 17:30:35 +0900にmika@....comさんが送られた
メールに関する返信です。
>みかまま、こと大月@佐賀大学です。
>で、本題、ソフトウェア開発の生産性をどう定義するかですが、たとえばソフ
>トウェア工学のファンクションポイント法では、「仕様に基づくソフトウェア
>の複雑さ」をファンクションポイント(FP)とし、これをどのくらいの人月で処
>理できたかを生産性とみます。
「ザ・ゴール」の54ページ目にこのようなセリフがあります。
「君に言いたいのは、生産性なんてものは目標がはっきりわかって
いなければ、まったく意味を持たないっていうことだ」
ソフトウェアの開発そのものは、「在庫」を増大させるだけで「スループット」
を増大させません。企業の目標である「お金を儲けること」に直接貢献する
わけではありません。
また、115ページ目にこういう会話が載っています。
「あれは何かね」
「倉庫です」彼が答えた。
「何のための」
「完成品をしまっておくためのです」
「もし、あの倉庫をいっぱいすることが目的で物を作っているとしたら、
会社は生き延びることができると思うかね」
ソフトウェアの開発もハードウェアの製造もそれ自体がお金を産み出すわけ
ではありません。TOCにおける増やすべき指標は、「スループット」であって、
「ボトルネックの通過量」ではありません。
>「在庫が減る!利益が上がる!会社が変わる! 会社たて直しの究極の改善手
>法TOC」ISBN4-8061-1595-9
この本の19ページ目から20ページ目にかけてこう書かれています。
「正しい仕事は何かが正しく定義され、評価されなければ、誰も正しい仕事
などするはずがない。会社に損失を与えてきたのは、人間が正しい仕事を
行わない『仕組み』をつくりあげた会社組織そのものである」という考え方
がTOCの根底にあるのです。