濱井です。
2002/10/15 15:32:19 +0900にt-honma@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>> 会計用語としての「生産性」の計算では、アウトプットに「売上高」を使うのが一般的です。
>> 例)労働生産性=付加価値額/従業員数
>> =(売上高−コスト)/従業員数
>> 資本生産性=付加価値額/総資本
>> =(売上高−コスト)/総資本
>> ※普通修飾語なしに「生産性」といえば「労働生産性」の事
>
>たとえば、ここで言う労働生産性を向上するためには、
>1.売上高を増やす
>2.コストを減らす
>3.従業員数を減らす
>といった方法が考えられます。
>逆に言えば、生産性を向上したからといって、売上げが増加したとは限らない、
>ということですよね?
>したがって、「生産性=売上げ」という図式ではないのかな、と。
>認識が間違っていたらご指摘ください。
売上を*生産量*の指標として使うことはあっても、*生産性*の指標として
使うことはないです。
>> >開発コスト低減が重要視される場合もありますよね。そんなケースではどう
>> >なるんでしょう?
>>
>> 無意味だと言っているのは、開発の生産量、生産性の計測であって、コスト
>> ではありません。
>
>前述の考えがあったもので、コストを持ち出してしまいました。
>「開発部門の生産性測定は無意味」という論点でしたので、売上げと同時に
>コストも重要かな、と思うのです。
コストは生産性において重要な要素です。
だから、「開発部門にとっては売上であっても、それを負担することになる
製造部門や販売部門にとってはコストです」と[XP-jp:03814]に書いています。
>> >生産活動全体の中で特にソフトウェア開発に注目し、品質を維持しつつ生産
>> >性を向上させる、というのがXPやCMMの目的だと思いますし、その効果を評
>> >価するためには、純粋にソフトウェア開発だけの生産性を測定することも、
>> >時として必要になると思います。
>>
>> ソフトウェア開発の生産性向上が、ハードウェアの製造や販売といった他部門
>> の生産性低下となる点はどう考えるのですか?
>
>濱井さんが問題にしているのは、開発部門の生産性向上が、他部門へ影響する
>場合はどうなるか?ということですよね。
結果として相殺されて影響が無いということはありえても、影響を考えなくて
いいということはありえません。
>極端な話、「ソフト開発の生産性(?)を上げるために、ソフト機能を減らし
>て、ハードウェアで実現しよう」なんてアプローチだと、確かに他部門の生産
>性が低下しますね。そんな場合には、ご指摘どおり、全体を見たうえでの部門
>間トレードオフが必要になると思います。
「開発部門にとっては売上であっても、それを負担することになる製造部門や
販売部門にとってはコストです」から、常に全体を見る必要があります。
お金は天から降ってきたりはしません。誰かが負担するから、支払うから
受け取ることができるのです。