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Date:  Mon, 7 Oct 2002 11:41:08 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:03797] Re: 皆様に質問
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <iss.baf.3da0f44b.7ec94.1@....com>
In-Reply-To:  <20021001.195842.74748190.kobota@....to>
References:  <20021001.195842.74748190.kobota@....to>
X-Mail-Count: 03797

濱井です。
2002/10/01 19:58:42 +0900にkobota@....toさんが送られた
メールに関する返信です。

>論点がずれていたらごめんなさい。
>ちょっと気になったもので。
>
>回答の中では、「正しい仕事が与えられない。」もしくは、「お給
>金を多くもらえることがモチベーションを保つ手段」といった表現
>が見受けられましたが、皆様、相当苦労されておられるようですね。
>
>まず、「正しい仕事が与えられない」に関してですが、
>私も弱冠のSE経験がありまして、お客様の非常に困難な要求、と言
>うのは身にしみておりますが、開発者、もしくはお客様と接する立
>場にある開発に関る方、というのは困難な要求を噛み砕き、お客様
>に対して、

「正しい仕事は何かが正しく定義されていない」状態というのは、困難な要求
がされるどころではなく、矛盾した要求がされる状態なのです。
「会社に損を与えると評価が上がる」ような状態です。

残念ながらこのようなケースはよくあります。なぜならば、見かけ上の
中間的な生産量と全体的な生産性には下記の図のような関係があるからです。

全体的な生産性|
       |   /\
       |  /  \
       | /    \
       |/      \
       |
       |
        ――――――――
         中間的な生産量

図の右側にいることに気づかず、中間的な生産性を向上させようとして
中間的な生産量を増大させれば全体的な生産性は低下します。

元々の組み込みソフトウェアの開発を例にあげて説明するならば。開発する
ソフトウェアの機能が不充分であれば機能を充実させるほど顧客の評価は
上がり、製品がよく売れて全体的な生産性は向上します。開発する
ソフトウェアの機能が充分であれば機能をさらに追加しても顧客の評価は
上がらず、製品の売上も増えず、機能の追加にかかったコストの分、全体的な
生産性は低下します。