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Date:  Thu, 12 Sep 2002 15:21:57 +0900
From:  Kenji Hiranabe <hiranabe@....jp>
Subject:  [XP-jp:03700] 大阪でも
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20020912152157B.hiranabe@....jp>
X-Mail-Count: 03700

平鍋です.

大阪でも,Kent Beck と Alistair Cockburn 「XPアジャイルセミ
ナー」が金曜の午後にあります.当日参加も可能です.

  http://www.xpjug.jp/agileSeminer2002/index.htm

内容は,東京と似ていると思うので,東京の感想を兼ねて少し紹介
します.

Kent は,トヨタ生産方式の思想で XP の原理を説明する,という
ことを試みます.要は「在庫」を減らすことで効率を得るというこ
と.ソフトウェアの場合は,「在庫」はドキュメント,動かないモ
デル,通っていないテスト,直されていないバグ,などなどです.
在庫を減らせば早いフィードバックが得られ,結果ムダを減らせる
という論です.

Alistair は,ソフトウェア開発におけるIncremental &&
Iterative の重要性を,観客参加型のアクティビティで示します
(引越しのダンボール詰めを計画せよ!).ソフトウェアを「工学」
でなく,「協力型のゲーム」と考えると,よりよいボキャブラリが
得られるというものです.それから,コミュニケーションの重要性
を「横から聞こえる会話」を香水に例えて,席の配置はどうあるべ
きか,とか,「自動情報発信機」としての壁の掲示物の重要性など
など,示唆に富んだ話が満載です.私には,

 "Keep in mind ... The better players win more often."

という最後の言葉が気になりました.良いチームは大切だが,強い
チームには良い選手がいる,というものです.一流プレーヤーを集
めれば,ゲームに勝てる! 『ソフトウェア職人気質』の Pete
McBreen に通じるものを感じました.

あと,たぶん当日,Alistair の邦訳新刊2冊

■ 『アジャイルソフトウェア開発』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894715791/xpjp-22

■ 『アジャイルプロジェクト管理』
Surviving Object-Oriented Project
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0201498340/xpjp-22 の邦訳

それから,XPJUG 関西支部の猛者たちによる,

■ 『eXtreme Programming実践レポート』―XPプロジェクトを実現した手法と軌跡
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798102180/xpjp-22

なんかが,会場販売されていると思います.特に,最後の日本語書
き下ろし本は,推薦です!

土屋さんたちの,組み込み開発の現場に XP を適用する話は,まさ
に『現場カイゼン活動』というか,とても日本的で思わず拳に力が
入りますし,牛尾さんたちの顧客契約という『日本のSE』の話も,
ストーリー仕立てでう〜ん,とうならされます.

この本,まるで『プロジェクトX』を読んでいるようで,読み終っ
た後には,あなたの目に涙が滲むでしょう....特に,実際に現
場(開発,営業,テスト,現場,管理)で XP 適用を真剣に考えてい
る方,必読です.

P.S.
大阪セミナーには,本にサインを貰いに行くのも良いかもしれません.:-)

以上