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Date:  Wed, 17 Apr 2002 13:34:04 +1200
From:  Masaaki Murakami <mmura@....jp>
Subject:  [XP-jp:03368] Re: ソフトウェア職人気質
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200204170134.AA00376@....jp>
In-Reply-To:  <20020417005947.CB44.ANC04864@....COM>
References:  <20020417005947.CB44.ANC04864@....COM>
X-Mail-Count: 03368

ごうぎさん,こんにちは。 村上です。

管理者に開発経験が必要かどうかという点ですが,

On Wed, 17 Apr 2002 00:59:50 +0900
ごうぎさんのメールより:
>僕は、経験上、開発経験がないのは、致命的と考えます。
> ・・・・・
>この辺りに関して、僕が主張しているのは、開発経験も必要だということ
>だけです。

開発経験のある管理者が居たとしても,現実に担当者が資料作りを任
され,会議の場に引き出されるという現状がある以上(あります^^;),
状況は五十歩百歩なんじゃないかと思っています。
(この辺りはごうぎさんと私の経験してきたものが違うため,考え方
 に違いが出てるのかもしれませんね。)

また,この世界は予想以上に変革が激しく,マシン環境はおろか開発
方法論も日々新しいものが提唱され,古いものが捨て去られています。
こういった現状を考えると,過去の開発経験の有無に重きを置きすぎ
ることに対して(私は)一抹の怖さを感じざるを得ません。

つまるところ私の主張は,管理者の「開発*経験*の有無」が大事な
のではなく,管理者が「開発*現状*の把握」に今現在腐心している
かどうかが重要(必須)なのだという点です。 (これこそ,ごうぎ
さんが主張している「仕事が人を作る」という点なんでしょうけど。)

また,情報受け渡しにおけるコストですが,会議というフォーマルな
場に向けた準備を行うのではなく,管理者が「自ら必要とする情報を
自ら収集して回る」ことによって現場の負担を軽くできるというメリ
ットが生まれてきます。 (もちろん,これは理論的なお話であって,
管理者から個別に期限付きで資料の提出要求を受ける場合も多々あり
ますが。)

>西洋の管理者が、走り回って情報収集ができるということですが、その管
>理者が管理者としてのキャリアパスを歩んで来た人で開発スキルをもって
>いないというのであれば、僕にとっては驚きです。

ニュージーランドが西洋かどうかは別にして(^^;),開発経験がない
のに素晴らしいセンス(人徳ってーのか,野生の決断ってーのか?)
で,リソースの采配を行う管理者はおります。(もっとも開発経験が
ないだけで,本人はものすごく勉強しているようですが。)
片や米国の「ディルバート」というIT業界をネタにした漫画に出て
くるような無能な管理者もきっといるはずですが。
(この漫画が受け入れられてるのは,そういった管理者も数多いとい
 現れなんでしょう。)
ということなので,各人のスキルレベルの差は日本より激しいかもし
れません。
しかし日本の管理者よりも総じて権限は大きく,責任も重いです。

----- ということで,まとめにかかります ^^; -----

「熟練職人」,「親方」,「管理者」,「課長」,「部長」と様々な
呼び名が出てきて話が少しややこしくなっちゃったかもしれません。
ごうぎさんの主張を私なりに整理すると「熟練職人を課長(実作業を
行う親方)に昇格させ,会議の場で他の課長とのリソース調整を行い,
対立した場合は部長が判断する」ということになりました。
(ごうぎさんの組織は「課」という単位ではリソース調整が行える程
 規模が大きくないという前提に立った表現です。 組織の規模が違
 えば課長,部長の職掌も異なってくるため,ここでの「課長」,
 「部長」という表現は不適切なものとなります。←ごうぎさんの所
 の組織の現状を知らないて投稿しているので気に障る表現でしたら
 ごめんなさい。 悪気は無いです。(_ _) )
つまるところ,やっぱり「管理者不要論」ではなく「名ばかり管理者
不要論」なのではないかと思います。

そうであれば,私の主張である「管理者(ごうぎさんの言う部長)が
プロジェクト間を走り回って情報収集し,最後は独断で決定を下す」
という形態と大差無い(会議の有無という違いはありますが,私も会
議がゼロになるとは思っていません)ような気もします。

結局,「誰を管理者」と呼ぶかという定義の違いに端を発していたよ
うにも思えますが,組織の現状に鑑みてそれぞれのプレーヤが自らの
責務と権限を明確にしておくということは,やはり常に押さえておく
べき事柄なんだとの認識を新たにしました。
我々の成果物は組織全体のブランドとして作り出される商品,サービ
スになるのですから。

ちょっと大きくまとめすぎましたが(^^;),なかなか実のある話だ
ったと思っています。 おつきあいいただきまして,ありがとうござ
いました。> ごうぎさん & 皆様

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Masaaki Murakami  mmura@....jp