Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Wed, 17 Apr 2002 00:59:50 +0900
From:  Shigeru GOUGI <ANC04864@....COM>
Subject:  [XP-jp:03365] Re: ソフトウェア職人気質
Sender:  Shigeru GOUGI <ANC04864@....COM>
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <20020417005947.CB44.ANC04864@....COM>
In-Reply-To:  <200204161416.AA00375@....jp>
References:  <20020416130555.2E17.ANC04864@....com> <200204161416.AA00375@....jp>
X-Mail-Count: 03365

村上さん,
こんばんは、ごうぎです。

On Wed, 17 Apr 2002 02:16:17 +1200
Masaaki Murakami <mmura@....jp> wrote:

> ごうぎさん,こんにちは。 村上です。
:
> 長々とすみませんでした。

こちらこそありがとうございます。
 
> >理想的には管理者はいない方がいいと思っているけど、もし管理者が
> >必要な場合には、その管理者もいくらかの開発経験も必要ではないか
> >と僕は思っています。....(A)
> 
> 開発経験があることで「話の判る管理者」になるというメリットが出て
> くるという点は重々承知しています。
> しかし,「儂の若い頃はこうやってなぁ・・・」と熟練職人の職域に介
> 入してくるようなデメリットも振り返ると多々あったように思えます。
> 開発経験があり,なおかつ熟練職人の職域を犯さないような自制心を持
> ちあわせることができれば,それが最善だとは思うのですが。
> こういったこともあり,私は(A)については「必ずしも必要ではない」と
> いう考えを持っています。

どのように考えられているかわかりました。
僕は、ご指摘されているデメリットを気にするよりもメリットの
方を選びたいと思います。
 
> >「延長線上に存在しない」という表現が、開発者と管理者が最初からキャ
> >リアパスとして分かれていると言われているのかなと読み取りました。
> 
> そういう主張です。
> つまり,管理者の必要条件として開発経験は必須ではない,故にキャリ
> アパスは別物であるという主張です。
> (開発経験があれば強みになることは認めますが,無いと致命的になる
>  ものでもないという位置づけです。)

どのように考えられているかわかりました。
僕は、経験上、開発経験がないのは、致命的と考えます。

> そして何度も繰り返していますが,インタフェースや調整役としての管
> 理というスキルは非常に奥深いもので10年20年かけて培っていくような
> 大変なものです。 (いや一生がかりか!? ^^;)

これは、否定はしていない点、ご確認ください。

この辺りに関して、僕が主張しているのは、開発経験も必要だということ
だけです。
その理由は、例えば村上さんが、下記されている僕が(A)と引き出した個所
の場面において、情報をもっている現場の人が情報を必要とする管理者に
受け渡す時のコストがものすごく掛かることに危惧しています。

西洋の管理者が、走り回って情報収集ができるということですが、その管
理者が管理者としてのキャリアパスを歩んで来た人で開発スキルをもって
いないというのであれば、僕にとっては驚きです。
そして、もし本当にそうであり、それが可能ならば、村上さんがおっしゃ
る通り、キャリアパスを分けることに魅了を感じると思います。
ただ、今は、まだ、そこまでは思えていませんので、本当にそんなにうま
くいくのかなと疑問を表明しています。

経験上、情報をもっているものが、持っていないものに情報を伝え様とす
るなかで現れてく理解してもらえないという感情が、管理者と開発者の間
に壁を作ってしまう事がおおかったように思います。

:
> >理想的には管理者不要論の立場の僕は、管理者が必要な段階というのも
> >ありえると思っています。ただ、その場合も管理者が一人ですべての調
> >整をできるとは思えず、管理者の開発スキルが低いほど、熟練職人がひ
> >っぱりだされることになるのではと思っています。
> 
> 資料作りに追い回された挙げ句,会議に引っ張り出される悔しさは良く
> 理解できます。 でも,それってごうぎさんの言う「管理者」が単なる
> 調整会議の場で発言する「代理人」という機能しか果たしていないとい
> うことを意味しているだけではないでしょうか。

代理人になってしまっているというのは、その通りだと思います。
問題は、なぜそうなってしまうかということであり、それについて書いて
いるつもりです。

情報を伝える為にはその情報を理解するための基礎となる知識が必要で
はないかということであり、それを身に付けるには開発や学習を実際に
していない限り難しいものがあるということです。

:
> 本当の問題は「管理者の開発スキル」などではなく,「管理者が意志決
> 定を行っていない」あるいは「管理者が意志決定権限を持っていない」
> ということだと思います。

上記したとおり、そうではないです。
 
> システム間でリソース要求が対立している,例えば本番データがロード
> されているサーバが1台しかないのに,来週始めから本番稼働を予定し
> ているプロジェクトが2つあるような場合,プロジェクトの熟練職人同
> 士が話し合っても埒があきませんよね。
> 当事者以外の誰かが「どちらかが血を見る」決断を下さなければならな
> いのです。 それが管理者の役割です。

管理者にも、課長、部長とあると思いますが、僕の感覚ではその管理者は、
部長と思います。
僕が、ずっと親方に置き換わって欲しいと思っているのは、課長の位置で
す。

> この辺りで日本的管理者と西洋的管理者の権限の違いが見え隠れしてい
> るような気もします。
> システム間でリソース要求が対立しているような場合,西洋的な管理者
> だとシステム間を走り回って情報収集をした後は,「独断」で決定を下
> すだけの権限と責務が与えられています。

............(A)

> 日本もこんな風になると少しは暮らしやすくなるのかもしれませんね。

責務と権限が与えられていない場合は、確かに、ご指摘の通りだろうと
思っています。
 
> あと一点,
> >会議はオープンにして興味がある人全員が参加できるようにすれば、
> >調整毎がもっとうまくいくのではないかなと思っています。
> 
> うーん,担当者のモチベーションは上がるかもしれませんが,議論が発
> 散して意志決定の場から遠ざかるだけのような気もします。

議論が発散しっぱなしでは困りますが、発散して収束させる事が大切と
思います。会議運営のスキルのレベルがないことを前提としながら、疑
問を感じられるのはハテナです。

また、僕が、問題としているのは、重要な話ほど、実際に情報を持ってい
る人が参加しない限り、発散させることも収束させることもできず、議論
にならない場合が多いのではという事です。
そして、管理者だけで話をするのでなく、情報をもっている人が参加で
きるような会議体を設計してはどうかという提案をしています。

    ***

ともあれ、互いの意見の違いは見えたように思いますので、僕はこれで
終わりにしたいと思います。

お付き合いありがとうございました。m(_"_)m
-- 
Shigeru GOUGI  ANC04864@....jp
http://www.wingnest.com/gougi/