濱井です。
2002/03/27 15:37:36 +0900にakasaka@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>『ソフトウェア職人気質』
>http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894714418/qid%3D1017194315/249-3913865-4908343
>
>物凄いタイトルですわ。達人プログラマーにも度肝を抜かれたけど、
>今回はそれ以上(爆)。
『達人プログラマー』の著者の一人であるDavid Thomasが推薦の言葉を
書いていますね。訳者も同じですし。
>まだ読んでないのですが(笑)、ちらっとカンニングしたところによれば、
>職人気質とは、頑固一徹、売上を無視して完成度を高めるという閉鎖的な
>イメージのことではなく、しっかりした「師弟制度」に支えられたもの、
>ということらしいです。内容は割愛し、上記URLから参照いただくとして..。
著者は、大量に製造するという点で「徒弟制度」は工業化に遅れてしまったが、
ソフトウェア開発における製造はコピーであり、ソフトウェア開発において
大量製造の問題は存在しないから、「徒弟制度」が不利であるとは言えない
と言っています。実際、大量製造と関係ない分野では、「徒弟制度」は
生き残っています。学校があり、国家による資格が確立している、医者や
弁護士でも、ベテランについて経験を積むという徒弟制度に近いことが
行われていますし、芸術の世界などでは実質的な徒弟制度は珍しくないですね。
大量に製造するため、容易に大量に確保できる未熟練労働力を使い、未熟練
労働者でもできるように分業により作業を単純化する。そういう必要は
ソフトウェア開発ではありません。むしろ、コミュニケーションを必要とする
ソフトウェア開発では、分業は、ミスの増大、コストアップなどにつながる
というのが著者の主張です。
# 現在のソフトウェア工学は、未熟な医者や弁護士で頭数だけを頼りに
# 手術や法廷闘争を行わせようとするようなものでしょうか。
>また、最後の「謝辞」では、著者が、この本の着想はCMMで有名なSEIから得たも
>のだと告白しています(驚き×3!!)。
「逆転の発想」というやつですね:-)
>まあ、最新の技術にしか興味の無いエンヂニアの方には面白くないかもしれませ
>んが、たまにはこんな本を読んで息抜きしてみるのも面白いと思いますよ。
真面目で、ある意味深刻な内容ですから「息抜き」にはならないかも……。