どうも、はっとり@HZです。
始めまして。
#忙しいときに限って、書きたくなる。・・・・・・
In message "[XP-jp:03280] Re: パターンランゲージについてのおしゃべり"
on 02/03/04, Ryuichi Danno <daxanya@....jp> writes:
> :
> :
> > 「CMMを導入すべし」という上からのお達しによりCMMを導入をしようと
> > いう場合には、「あるレベルに達するまでの期間」というのが決められている
> > ことが少なくないのではないでしょうか?
>
> CMMを取得しないと営業ができないという流れになってしまえば、達成レベル
> と期間を目標として与えられるのは至極当然になってしまいそうです。
>
> その際に問題になるのは、CMM本来の目的はどうでもよくなり、どうやれば
> 期間内に目標レベルに到達できるかという一点のみになるでしょう。
>
> 特に技術力が無くてもクリアできるアプローチとは、人によらずに必要なパラ
> メータを満たすことだと思うので、多かれ少なかれ、書類を揃えることで目標を
> 満たそう、ということになるのではないでしょうか。
>
> で、技術者はどんどんやる気がなくなって、どんどん生産性が落ちていくという
> 悪循環になりそうですね・・。
政府・経済産業省が、今後の政府調達に CMM の導入を推進
しようとして、民間にヒアリングを掛けましたが、真っ先に
反対意見として上がってきたのは、上記のような意見でした。
ただ、政府として、なぜ CMM の導入を図ろうとしたのかいう
と、政府の担当者の方が言うには
建前:現在、不透明と言われるソフトウェアの政府調達に客
観的で公平な評価基準を導入する事で、いわいる超安値受注
などの不健全な慣行を廃して、政府調達を通じて、健全なソ
フトウェア産業の育成を図る。
本音:以前、通産省で大手のソフトウェアベンダーにシステ
ムを発注したが、あまりの酷い仕上がりに損害賠償の請求ま
で考えた。が、悲しいかな、弁護士に相談した所、発注仕様
書まで丸投げしていた為、検収条件がベンダー側にかなり有
利な状況であり、100 % 裁判では負けると言われた。あの悔
しさは二度と忘れない。
だそうです。要は CMM を考える時は、ソフトウェアプロセス
の一番最初の要件定義や仕様の検討から発注、出来上がった
物の検収まで、発注者が本来やらなければならない辺りまで
を含めないといけないと思います。
> > 仮に、それが真であるとすると、「XPからはじめるCMMの成熟度レベル5
> > へのアプローチ」というやり方により、営業道具としない為に、有効ではとい
> > う意味で、すくなくても現場が死んでしまうことはないのではと期待します。
> > XPが営業道具として使えるという風潮が出てくるとこのアプローチも怪しくな
> > りますが。
>
> XPは、わりと営業ツールにはなりにくいのではないかな、と思っています。
>
> CMMは認定されて与えられるものというイメージですが、XPは顧客に入り
> 込まないといけない部分があり、ある意味で初対面の営業ツールではない
> ような気がします。
それはそのとおりで、CMM において、PA(プロセスアセスメント)
や SA(ソフトウェア能力査定) は結構重要な地位を占めています。
特に最初の動機が動機なだけに日本ではこの部分が強調され(偏重
し)ているようですね。(政府の発表に対して民間から反発がでた
大きな理由はここにあります。)
本当は、PA と組織のソフトウェアプロセスの改善を促進する活動
(SPEG と言うそうです。)を政府として支援して、産業政策とし
て調達先のレベルを上昇させ、実際の調達においては監査の道具
として、SA(ソフトウェア能力査定)を使って品質保証に使うと
言うのが本来の使い方なのでしょう。
アメリカでは、ソフトウェアプロセスの改善を促進する活動
(SPEG)について、コンサルタント人材育成の面で取り組ん
でいるようですが、日本ではまだまだのようですね。
> どちらかとあまり外部に対してXP、XPと言わずにするっと入り込んで、
> 気づいたらXPで開発していた、と思わせる顧客巻き込み型スタイルの方が
> 意外とうまくいくかもしれません。
>
>
> XPでばりばり開発できているような会社は、CMM取る必要が別にないと
> 思ったりもするのですが、まだ認識不足でしょうか?
はい、顧客が要求しなければ CMM は特に必要ないと思います。
CMM 以外にもミクロなレベルからマクロなレベルまでソフトウ
ェアプロセスの改善手法と言うのは色々有ると思います。
CMM は主にソフトウェアプロセスの有るべき姿とその計り方を
定義した物であり、改善方法については
「CMMは、ソフトウェアプロセス能力を向上しようとするソフト
ウェア組織にとって、推奨される改善の道筋を示す枠組みである。」
とメタレベルで定義されているだけですから。XP 使おうが、他の手
法を使おうが、発注者側から見れば QCD を実現してくれれば良い話
ですから、開発技法とそれを実施する組織のあり方と言うのはわりと
独立した話だと思います。
最初に合木さんが話題に出していた、インドの CMM レベル5の会社
は組織としてはしっかりしていたけど、開発技法のレベルが低かった
(まだまだ改善の余地大いにあり)のでしょう。しかし自分たちの技
術力のレベルとリスクを考えて、出来ない仕事ははっきり断ると言う
のはある意味、組織として成熟していると思います。
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