長谷川@テクノポートです。
#うう、せっかくずらかろうかと思っていたのですが。
ライン問題って、応用数学なんでしょうかね。
ちなみに、五味さんへ、
----- Original Message -----
From: "Gomi Masuo" <gomi@....jp>
Sent: Friday, February 15, 2002 11:52 AM
> こんにちは。 五味です。
またまた、逸れるような話かもしれませんが、
前の私の発言に問題があったので、少し訂正させてもらいます。
私自身もこれ以上、この話題には参加しないつもりです。
----- Original Message -----
From: "HAMAI Kyoichi" <k-hamai@....com>
Sent: Wednesday, February 13, 2002 8:17 AM
> 濱井です。
> 2002/02/10 14:10:13 +0900にhasegawa@....jpさんが送られた
> メールに関する返信です。
>
> >トヨタ工場でのライン作業を見ていると、それぞれの作業によって、
> >割り当てられているラインの長さが違うのに気が付きます。つまり、
> >時間の長さを空間の長さに置き換えられているということです。
> >これは当然、作業者が固定された椅子に座り込むのではなく、
> >生産対象といっしょに動くことになります。
> >
> >たとえば、ある工程には10mの空間が割り当てられ、それよりも
> >短時間で済む工程には5mが割り当てられているといった具合です。
> >このため、工程時間の長いものが短いものに影響を与えることは
> >ありません。そこでは、生産が、ライン速度とライン上に置かれた
> >生産対象の間隔により決まるようです。速度が一定なのは、人間が
> >生産対象にアプローチしやすい速度があるからでしょう。
>
> その10mの工程は、担当者が二人ではありませんでしたか?あるいは、逆に
> 5mの工程を二つ、一人で担当してはいませんでしたか?
記憶では、車体の組み立てラインは、ほとんど一人だったと記憶しています。
2人で担当していたのを記憶しているのは、エンジンの組み立てです。
#後2,3回見学に行かないとイメージが定着しそうもありません。
「工程を二つ、一人で」という判断は、難しいです。
というのは、どこからどこまでが一つの工程かが、
見ていてもわかりづらいからです。
大きなもの、たとえば、後部座席のようなものは、
それしかしていなかったと思いますが、ドアのような場合、
両側に人がいたような気がします。もう少し小さくなると、
複数の工程をしているのか、それが一つなのか判断できません。
> ある工程で、かけることのできる時間は、基本的にその前の工程から半製品が
> 流れてくるペースで決まります。どうしても時間が必要な場合は、その工程を
> 多重化して見かけ上の処理時間を短縮するなどの措置が必要です。
10mで1台しても、30mで3台しても、もしくは、
10分で1台しても、30分で3台しても、結局1台当り10分ですね。
だから、いくら工程区画長が長くなっても、1台当りの所要時間は
変わらない。なるほど。
従って、私の言ったように単純に時間を空間に交換することは
できないわけですね。これなら、完全に私の考え方が間違って
いましたね。安易な私の解釈を許してくださいm(__)m。
で、こういうことを考えていると、なかなかラインの設計って、
数学的な部分と人間臭いところが交じり合って、難しくもあり、
面白くもあると思いました。
合木さんのメールを読むと、速度調整をしているようですね。
ラインセグメントにバッファがないと、速度が変わっても、
時間当りに流れる生産物の数は変わりません。
これも面白いと思いました。
1生産物/分の場合、10m/分のセグメントから20m/分のセグメント
に渡されても、やはり1生産物/分は変わらない。生産物と生産物
の間の距離が2倍になるだけですね。
ただ、「多重化して見かけ上の処理時間を短縮するなどの措置」
というのは、ライン設計ではちょっとしたパターンですよね。
ある工程に入ると、2つに分岐し、分岐した2本のラインに
2人を割り当てると、その後1つに合流すれば、全体の流れに
影響を与えることがない。
#これは、ラインの欠点というより、
#フォースとして捉えるほうがよさそうね。
でも、トヨタ工場見学では見なかったようなきがします。
今はどうか知りませんが、本では、特に工数の多い車の場合、
バイパス方式として、別ラインに分岐させて組み立て、再び
元のラインに合流する方法が載っていました。
> 例えば、前工程から10秒に1個のペースで半製品が流れてくるならば、その
> 工程では10秒に1個のペースで後工程へ流す必要があります。そうしないと
> その工程で半製品が滞留してしまいます。したがって、その工程では10秒以下
> で処理する必要があります。20秒かけて処理していたら、処理が終わる時には
> 前工程から流れてきた未処理の半製品が2個になっています。
そのとおりです。
ただ、そうなるとラインの左に1人、右に1人で組み立てていた
エンジンの組み立ての場合(競合がないと仮定して)、一人ずつにしても、
ラインの全長は変わるけれど、個人の作業は変わりませんね。
イメージしやすいのは、ドアの取り付けでしょうか。
ひとつの区画で、左と右に一人ずついて同時に取り付けるのと、
ひとつの区画で左が終わってから、次の区画で右を取り付ける、
この場合、作業全体での距離が変わっているだけですね。
逆に車内の場合、このように分離できないケースが
多いようです。後ろ座席などひとつの部品です。
全長を長くすると、全体としての時間当りの生産量が変化します。
ラインの速度と製品の間隔が一定なら、全長100mと200mでは、
1台当りの組み立て時間は変わってきます。たとえば、単純に秒速1mなら、
1台を組み立てるのに、100mの場合で100秒、200mの場合では200秒となります。
生産現場では、確かにスピードアップ、効率アップという
目標があるかも知れませんが、やはり品質を保つという範囲で
判断、決定されるんでしょうね。
> >逆にここから、作業者固定型ラインを考えると、空間を固定化するから
> >時間の差をコントロールするのが難しくなっていることに気づきます。
> >トヨタの場合、時間の差は当然であり、そのためにこそ空間を動的に
> >配置する方法をとったように思います。
>
> 作業のために空間が必要だった可能性の方が高いでしょう。
そうですね、車と携帯電話を比較したとき、
その大きさはとても無視できないものに思えます。
トヨタでは取り付け部品、工具がラインの空間に上手く組み込まれていました。
取り付け部品も使えば、どこかで誰かが補充する必要があるでしょう。
また、人は絶えず動いていたという映像が残っています。
その最も大きな印象が、空間の利用だったように思います。
固定された工程というより、ライン+人が全体として生き物になって
いるような感じです。
小さいものの場合、全自動化がしやすいような気がするんですが、
実際に携帯電話など、全自動化への障害があるんでしょうか。
また、始めは人が工程をこなし、自動化できる部分を増やして
いったりしているんでしょうか。
#単なる個人的で素朴な疑問ですが。
> 1個だけに注目すると空間があれば処理時間が稼げるように思えます。その
> 処理の間にも前工程から半製品が流れてくることを忘れがちです。
ライン、セグメント、移動速度、製品間隔、材料補給、必要工具、
上下並列ライン、2人同時作業化、部分多重化等を考えると、
ライン設計というのは、なかなかのものですね。
それに常に全体性が絡んでくる。部分的にいくら効率を
上げても全体としては何も変わらないのでは空回り、または
逆効果にすらなりそうです。手の空いた分、他に回せるとうなら、
ポテンシャルを確保したことにはなりますが。
この全体性におけるバランス、つまり「バランスが崩れる」という
そのこと自体が全体において、何らかの負になる(ある意味で力)、
というのも面白いです。
ともかく、何らかの解決がありそうに思います。
というか、トヨタ工場がそのひとつの解決例なんでしょね。
また、見学や勉強を積んで、うまく話せるよう頑張ります。
-- 長谷川(hasegawa@....jp)