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Date:  Fri, 22 Feb 2002 10:19:26 +0900
From:  HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com>
Subject:  [XP-jp:03237] Re: トヨタ生産方式と XP
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <200202220119.KAA27939@....jp>
In-Reply-To:  <C6E126C169CF45479037491A5579ACB648F825@....jp>
References:  <C6E126C169CF45479037491A5579ACB648F825@....jp>
X-Mail-Count: 03237

濱井です。
2002/02/15 11:52:33 +0900にgomi@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。

>ここで、「ベルトコンベア式」と「屋台式」の生産性の優劣を
>議論しても仕方ないと思いますがいかがでしょうか?

少なくとも私は、「ベルトコンベア式」と「屋台式」の生産性の優劣を議論
しているつもりはないのですが。


>> ベルトコンベア方式には大きな弱点があります。ベルトコンベア方式で
>> は、各工程の時間が均一でなければならないので、最も時間のかかる工
>> 程と同じ時間を他の工程にも割り当てる必要があります。工程数が20で
>> ある工程が20秒、他の工程が10秒かかるとすると、ベルトコンベア方式
>> では400秒かかることになります。一人屋台生産方式では、各工程に5割
>> 増しの時間がかかったとしても315秒ですみます。
>
>この前提の場合、コンベア式生産で製品1個の製造時間は400秒ではなく、
>210秒が正解です。(10秒×19工程+20秒×1工程=210秒)
>コンベア式に弱点があることは認めます。しかし、コンベア式生産をしている
>会社を世界中探しても、この前提で400秒かけてる会社は存在しないと思います。

[XP-jp:03209]で述べている通り、多重化したりしていないかぎり各工程で
かけることのできる時間は同一です。20秒に1個しか処理できない工程がある
以上、それ以前の工程でも20秒に1個しか流すわけにはいきません。流しても
在庫として溜まるだけです。
 
>ある工程で、かけることのできる時間は、基本的にその前の工程から半製品が
>流れてくるペースで決まります。どうしても時間が必要な場合は、その工程を
>多重化して見かけ上の処理時間を短縮するなどの措置が必要です。
>
>例えば、前工程から10秒に1個のペースで半製品が流れてくるならば、その
>工程では10秒に1個のペースで後工程へ流す必要があります。そうしないと
>その工程で半製品が滞留してしまいます。したがって、その工程では10秒以下
>で処理する必要があります。20秒かけて処理していたら、処理が終わる時には
>前工程から流れてきた未処理の半製品が2個になっています。

多重化したりして各工程の所要時間の違いを吸収しようとするでしょうが、
「最も時間のかかる工程と同じ時間を他の工程にも割り当てる必要がある」
という性質が本質的に解消されるわけではありません。
また、[XP-jp:03208]で述べているばらつきの問題もあります。


私がベルトコンベア方式に拘るのは、生産をモノやサービスのフローと捉えた
時、最も単純な例の一つだからです。