濱井です。
2002/02/12 00:40:21 +0900にPXW11067@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>> 経済合理性の観点からムダを省くのは当然ですが、やる気を高めるという観点
>> からもムダを省くことは重要です。ムダと思えること、無意味と思えることを
>> やらされることよりやる気を損ねることはそうありません。
>
>一見、誰しもがムダと思えるものから、価値のあるものを作り出す天才もいます。
できてしまったムダを有効活用することより、最初からムダができないように
する方が良いと思います。
もちろん、それでもできてしまったムダを有効活用することは重要ですが、
優先順位は、まず、最初からムダができないようにすることです。
>> 作るということはお金を在庫に変換する行為であり、売るということは在庫を
>> お金に変換する行為です。作ることを優先させると売れる以上に作りすぎて
>> 在庫という形で眠っているお金が増えることになります。
>
>在庫という形で眠ったお金を、他に有効に使う手立てとか・・・
>何か良い知恵はないのでしょうか?
無理ですね。それは、お金が天から降ってくるのを望むようなものです。
利息や配当は、それに近いように思えますが、在庫の場合、利息や配当を受け
取る側でなく、支払う側に相当します。以前に述べたことがありますが、在庫
は負債(借金)のようなもので、放置しているだけでお金が出ていきます。
そもそも、作ることを優先させる理由など一般はないはずです。
原材料の高騰が予想されるような場合は作ることを優先させる理由と成り
得ますが、現実には予想の精度が充分に高くなった時には既に高騰している
のが普通であるため、一つ間違うと、高値で大量に買い込んだ後、原材料の
価格が急落するということになりかねません。
ついでに言うと、「ものをつくる」ことも「ものを買う」ことも在庫を増やす
ことに変わりありません。
ソフトウェアの開発もソフトウェアの購入も、それを行う企業にとっては
本質的な違いはありません。必要以上に買うことが企業にとって有害なように
必要以上に開発することも有害です。
「作りすぎのムダ」が、トヨタ生産方式では最悪のムダとさえ言われています。