> 僕は、堀内さんの言われるレベルを分けて(階層的に)記述していくこと
> は、実際的なのかなと素朴に疑問を持っていることに気がつきました。
>
> それは、たとえば、大工に必要なパターンランゲージをすべて記述し、大
> 工に必要な思考の仕方をすべて整理することができたとして、それにより
> 大工は大工として仕事ができるようになるのだろうか?
> また、できたとしてそれが本当に適切なんだろうかというあたりからきて
> います。
>
> 僕は、何か核になる事が身につければ自然に全体へと適用していけるよう
> に感じるんです。大工の修行期間とかは、それを身につけるための期間の
> 様に思えるんです。もちろんその核だけではまだまだ不十分で核の周りに
> 身をつけていく必要があるでしょう。けれども、核があることが重要に思
> うんです。だから核を育てることには慎重になりたいなという考えになっ
> ていますし、核を育てるのは楽な取り組みではないだろうという考えにも
> なっています。
私がいうところのレベルとは、大工の例で言えば、「大工」が1
つのレベルを構成し「核」が次のレベルを構成する、というもの
です。
例えば下記の書籍(過去にもどなたかが引用されていた気がします)
は数学の問題を解く方法が述べられています。
いかにして問題をとくか G. Polya
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4621045938/249-7966606-4863503
特定の問題の解き方ではなく、解き方をどう考えていくかを述べ
ているものです。「データはすべて使ったか?」「未知なものと
データの関連を調べよ」など。ちなみに
http://nagoya.cool.ne.jp/plucky/library/polya.ja.html
に巻末の要約が転載されています。
これらは「「特定の問題の解法」を生成する一般的な方法」であ
り、この書籍自体はパターンランゲージにはなっていないものの、
それに通じるものがあるように思います。
大工の例に当てはめれば特定の問題の解法が「大工」に相当し、
特定の問題の解法を生成する一般的な方法が「核」に相当するの
ではないでしょうか。
一般に言葉に表しにくいとされているものは数多くありますが、
そういったものの中にも記述できるものがずいぶん存在するので
はないかと思います。
もちろん表せないものは依然として残ります。大工の例で言えば
合木さんの言う「核」は実際には私が上記で対応付けたものより
ずっと広い範囲を含んでいると承知しています。「言葉では伝え
られないもの」といった称号はこうしてなお残されたものに与え
られるべきで、安売りすべきではないと…。
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Michitaro Horiuchi / Access Co.,Ltd.
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