平鍋さん、
ご無沙汰しています、ごうぎです。
XPとトヨタ生産方式の関係の類似している点がとてもわかり参考になりました。
ありがとうございます。
忙しくしていてタイミングを逃していますがお許しください。
On Wed, 06 Feb 2002 15:25:27 +0900
Kenji Hiranabe-san wrote:
:
> ■ 品質を作りこむ
>
> ・100つくって検査によって90はねてもダメ
> ・一人ひとりがテストで品質を作りこむ
>
> ムダは品質に関連しているということ,品質は一人ひとりのアク
> ティビティ(例えばユニットテスト)で成り立っているということ.
まず、品質の作りこみとペアプログラミングに関係しそうなあたりについてコメントさせて
ください。
トヨタの生産ラインは、「昔」は約1kmのメインラインを3セグメント(トリム、シャシー、
ファイナル)に分かれていたそうですが、「今」は約100mに20工程持った一つのセグ
メント(自律完結工程)が約10ぐらいで構成されています。セグメントは機能的に関連し
た作業群からなるできているそうです。
セグメント間にバッファーが存在しており、バッファーの状況によりラインスピードを調整し
ており、手待ちのムダや作りすぎのムダを発生させずに平準化する工夫がされています。
昔の生産ラインにはバッファーはなく、作業者は多能工ではあったのですが、それは無駄(手
待ちのムダ)を無くすために機能的に関連しない作業をあれこれやっていたようです。今は、
機能的に関連する作業による多能工に変わっています。ここら辺は働きやすさと関係し現場
満足度を高めるということを考慮してのものだろうと思います。
現在の製造ラインでは、一つ一つの工程にも品質を作りこむ工夫がありますが、各セグメン
トの最終工程にも品質確認工程がかならず存在しており、セグメント単位での品質の作りこ
みも行われています。このあたりの徹底した品質の作りこみに対する取り組みには見習うべ
きことも多いと感じます。
それと、セグメントのなかには訓練用の工程を追加し未習熟の人が熟練する具合によって仕事
を熟練者から分けてもらいながら習熟しけるような工夫が入っていました。
これはペアプロと近いかなと思っています。
また、ちょっと飛びますが、ペアプログラミングも効果的と思いますが、熟練者と訓練者が同
じものを作って後から訓練者が熟練者の作ったソースを見比べるというのも学ぶものが多いよ
うな気がします。熟練者は訓練者に良いコードを渡そうと意識するため気合を入れてコーディ
ングするっていう効果もありそうです。このやり方は生産ラインでは難しいでしょうが、ソフ
トウェアだとできそうに感じています。
引用が前後しますが、
> ■ 誰にでも見える進捗のアナログな管理
> ・「生産管理版,カンバン,あんどん」と
> 「タスク,ストーリーカード」
>
> これが一番わかりやすい共通点でしょうか.
これはトヨタ生産方式の中では「目で見る管理」(VM)と呼ばれているものですが、次の本が読み
やすくボリュームも適度なのでお勧めです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4542502945/of-22
タスク、ストリーカードだけでなく、JUnitやソースコードにドキュメントを入れたりするのも
これに該当すると思いますし、昔からある、クロスリファレンスツールなんていうのも近いもの
であると思います。
ソフトウェアは加工物とは違い目で見えないので品質の作りこみが難しいと言う意見を時々聞き
ますが、目で見えないものを目で見えるようにしようと考えツールを作ったり用意したりする風
土があるかどうかが本当は大きいのではないかなと感じていますし、ソフトウェア開発では本来
はとても大切なものに思います。
以上、簡単になりましたが何か参考になりましたら幸いです。
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Shigeru Gougi
E-mail :ANC04864@....jp
http://www.post.self.ne.jp/~gougi/ (クラッシュ中)