濱井です。
2002/02/10 14:10:13 +0900にhasegawa@....jpさんが送られた
メールに関する返信です。
>トヨタ工場でのライン作業を見ていると、それぞれの作業によって、
>割り当てられているラインの長さが違うのに気が付きます。つまり、
>時間の長さを空間の長さに置き換えられているということです。
>これは当然、作業者が固定された椅子に座り込むのではなく、
>生産対象といっしょに動くことになります。
>
>たとえば、ある工程には10mの空間が割り当てられ、それよりも
>短時間で済む工程には5mが割り当てられているといった具合です。
>このため、工程時間の長いものが短いものに影響を与えることは
>ありません。そこでは、生産が、ライン速度とライン上に置かれた
>生産対象の間隔により決まるようです。速度が一定なのは、人間が
>生産対象にアプローチしやすい速度があるからでしょう。
その10mの工程は、担当者が二人ではありませんでしたか?あるいは、逆に
5mの工程を二つ、一人で担当してはいませんでしたか?
ある工程で、かけることのできる時間は、基本的にその前の工程から半製品が
流れてくるペースで決まります。どうしても時間が必要な場合は、その工程を
多重化して見かけ上の処理時間を短縮するなどの措置が必要です。
例えば、前工程から10秒に1個のペースで半製品が流れてくるならば、その
工程では10秒に1個のペースで後工程へ流す必要があります。そうしないと
その工程で半製品が滞留してしまいます。したがって、その工程では10秒以下
で処理する必要があります。20秒かけて処理していたら、処理が終わる時には
前工程から流れてきた未処理の半製品が2個になっています。
>逆にここから、作業者固定型ラインを考えると、空間を固定化するから
>時間の差をコントロールするのが難しくなっていることに気づきます。
>トヨタの場合、時間の差は当然であり、そのためにこそ空間を動的に
>配置する方法をとったように思います。
作業のために空間が必要だった可能性の方が高いでしょう。
1個だけに注目すると空間があれば処理時間が稼げるように思えます。その
処理の間にも前工程から半製品が流れてくることを忘れがちです。