> まず、私の「私もXPそのものには、経験知の蓄積は含まれていない」
> という表現は、XPの主張・目的には含まれていないという意味です。
>
> では、「(それがXPの本質なのだから)それこそが望ましい」としましょう。
> それでも、個人及び集団をメディアとして経験知が蓄積されていくという
> ことです。経験知の蓄積というのは、パターンの構築とは関係なく発生し
> ます。別の角度から言うと、別にXPでなくとも、経験知の蓄積は行われま
> す。
従来の方法論がプロセス(行うこと)を中心にモデリング(記述)し
ていたのを、XPは行う人を中心にモデリング(記述)しており、前
者の場合各プロセスに人が従属しているのに対し、後者では逆な
ので、人にとっては心地よい一方、プロセスの記述が希薄になり
ます。
希薄になった部分は方法論の外で補わなければならず、普通に考
えればそれは負担となるはずですが、不思議とそれがさらに人間
にとって心地よい、これがXPのマジックの正体ではないかと。心
地よかろうと悪かろうと負担は負担には変わりなく、それを"強制"
しているともいえます。(それがよいとかわるいとか述べているの
ではないので念のため。)
> この業界で長年いれば、いろいろな会社や人を見ることになります。
> パターンランゲージを知ってから、ここでは生まれそうじゃないな、
> こういうところなら自然に発生しそうだとか、感じることがあります。
> 経験知が蓄積されるという事実は変わらないのですが、蓄積された
> ものの何かが違うんですね。
>
> そういう時、XPというものを知って、こういう環境ならと思いました。
> パターンランゲージに直接アプローチする方法もありますが、まず生成
> されやすい環境を作り、間接的にアプローチする方法もあると思います。
> 多分、私にとって重要なのは、XPそのものではなく、ソフト開発そのもの
> なんだと思います。ただ、XPには今までなかった何かが含まれていると
> 感じています。
>
> そういうものはXPそのものの関心とするところではないでしょう。
> でも、そういうものに関心を抱く人間がいても、いいでしょう。
熱いですね^^;(私にわざわざ上記の最後のように「それがよいと
かわるいとか〜念のため」とことわる必要を感じさせるくらい。)
ただ、その先は信仰(=思考停止)と次第に区別がつかなくなって
いくのではないかと。。
余談はさておき、環境云々については以下の考えに通じるものが
あります。人を中心に記述していると述べましたが、そのモデル
において(現実的にもですが)人そのものはブラックボックスなの
ですから、その内部を記述するわけにはいかず、その周囲との関
連を記述することが、すなわち人を中心に記述することと思いま
す。
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