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Date:  Tue, 29 Jan 2002 08:53:52 +0900
From:  "Oota Kenichiro" <oota_ken@....com>
Subject:  [XP-jp:03165] Re: XPとCMM
To:  extremeprogramming-jp@....jp
Message-Id:  <F107J7cWlX0MGOV6T0n0000482f@....com>
X-Mail-Count: 03165

 太田です。いやいやまた、長谷川さんと直接お話したくなってきてしまいました(6
月以来社外の交流がないので)。

長谷川さん
>個や特定集団の能力を超えてしまっているんでしょうね。
>これに対応するには、より多くの人が参加することなしに、
>到底無理なような気がします。
>
>大規模マスタープラン、汎用マスタープランというものに
>対する幻想には、どことなく支配への欲望を感じます。
>その点、XPのプラクティスはマスタープランの匂いがしない。

 結局、地に立って話をしているのか、頭の中(もしくは計測から得られた数値)のみ
から話しているかの違いなのかもしれません。大規模マスタープランというのは理想
論である最終目標そのものは一見素晴らしかったりするわけですが、それを満たすた
めの個々の要因(建築で言えばパタン)がほとんどうまく働かない場合が多いのですよ
ね。あまりに最終目的思考(実はそれは局部最適化に過ぎない)であるため、逆に個々
の小さな目的が台無しになっている、という感じでしょうか。

 個々のパタンがうまく成立するためにはどのようなパタンが満たされている必要が
あるのかというのがうまく組み合わさった(ある意味パタンランゲージ)のがXPのプラ
クティスかな?

>自分達の住んでいる場所こそ、毎日の自分達の感覚を
>生み出していると思うんですが、余り関心がないような。
>多少生産高が減っても、気持ちのよい環境が欲しいですね。
>
>#ドイツやオランダ、いいですね。
>#ヨーロッパはまだ行ったことがないので、
>#いつか行ってみたいです。

 ヨーロッパの都市の市民は自分の住んでいる場所への関心が現在の日本よりはるか
に高いようです。住居と仕事場が近いというのが一番の理由なのかもしれませんが。


 オランダの温暖化及び都市の交通事故、排ガス対策に対する路面電車及び自転車利
用の成功例(長い!!)についてのお話ですが、当初はマスタープランから始まり、反
対も多かったそうです(車の利用が大幅に規制されたため)。しかし、実際に市民が路
面電車や自転車を利用してみたらこれが思ったより楽しく快適だった(単に「効率
的」ではないところが重要)ので、1人また1人と利用者が増えてきてついには都市内
からはほとんど車がなくなってしまったとのことです(郊外の幹線道路ではアレクサ
ンダーのパタンどおり車はその本来の速度でバリバリに走っています。これならほと
んど排ガスはないので)。結局変えたのはマスタープランじゃなかったわけです(もし
かしたら市長さんが率先していたのかもしれませんが)。

 やっぱりソフトウェア開発でも環境でもそれを行っている1人1人が「お、こりゃい
けるよ」てな感じで伝えていく(XPにおける梅沢さんや平鍋さんのように)のが地道に
見えて一番じゃないかな〜と思います。

#今日も会社まで自転車でゆっくり都会の裏道を見ながら来ましたが、結構、東京も
いいところがありますね。「会社に一直線に向かうんじゃなくて、ちょっと早め(遅
めでもいいや)に出て、道草しながら、ぶらぶら行くのはどう?少なくても満員電車
より全然楽しいよん」。ん、話が違う方向に。

おおた

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