vetteです。
HAMAI Kyoichi <k-hamai@....com> さんの
"[XP-jp:02996] Re: 生産量 (was CMM と XP)" (at 2002/01/15 14:26:55)について
> 濱井です。
> 2002/01/14 03:53:28 +0900にhoriuchi@....jpさんが送られた
> メールに関する返信です。
>
> 私がソフトウェアの生産量に関して言いたいのは、概ね以下の3点です。
>
> (1)ソフトウェアの生産量については、一般には売り上げや利益、付加価値
> などの金額ベースで計るべき。
とは思いません。
売り上げに対するソフトウェア開発コストのパーセンテージ等は
制御する必要はあると思いますが、ソフトウェアからみた生産量として
管理する必要はないと思います。
> (2)ソフトウェア自体をどのように計っても、生産量は計れない。
そら売り上げだったらわかりませんね。
> (3)ソフトウェアの規模があらわしているのは、生産量ではなくコストである。
> それは、現在までのコストのみでなく将来のコストも暗示する。
規模=コストでもないですが。
自動車の部品数=コストではありません。
あるクラスにむけたスペックを実現するのにコストを落とすためには
部品数や部品の単価、工程数を減らすことでコストを下げようとします。
ソフトウェア生産性がターゲットにしているのは
同じ部品を作るのに工程数をどうすれば減らせるか、とか
どうすえば同じ機能を実現する部品点数を減らせるか、といった部分です。
工業製品の生産効率アップと同じようなものです。
同じレベルの製品でいかにたくさん売るかとか
以下に売り上げを伸ばすかというのはエンジニアリング部分ではなく
営業的視点の問題でしょう。
濱井さんはこういう生産性の概念で「ソフトウェア生産性を図るのは間違い」
といわれているのかもしませんが、
そもそもなぜそうなるのかがわかりません。
「リファクタリングが進まないのはステップ数を規模だと思っているから」
が元になってるのでしょうか?
生産物を作るコストを下げるための発想と、
トータルの売り上げをあげるための発想はことなります。
アクションとしては同時に動いたほうがいいですが、
軌道に乗ったらある程度おなじコストで量産できるものと
開発で費用が発生する開発ではポイントが違ってくると思います。
単純に売り上げでみてしまうと、
同じものを同じコストで作っても自分の会社が受注するより
IBM,NTTデータなどの大手で受注したほうがはるかに高い金額で
仕事を取れます。(いざというときの保険料などですが)
これを大手のほうが生産性がいいとは言わないですね。
利益率は高いのかもしれませんが。
さらにいうと開発しないで輸入ソフトの代理店したほうが
売り上げあたりのコストは減るかも。だからなんだという話に
なりますが。
売り上げに対するソフトウェア貢献云々という濱井さんの
主張は「ソフトウェア工学の間違い」ではなく
ソフトウェア工学以外で扱っている部分をソフトウェア工学で
扱えといっているのだと思います。
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MORIOKA Toru 森岡"vette"徹
E-mail:vette@....jp